**きまぐれCafe**

いらっしゃいまし。こっそりと現れては消える、神出鬼没なカフェへようこそ。

沈黙、そして幸福

2009-02-20 19:24:48 | 旅日記
久々に行きつけの本屋に行ってまいりましたー。
定期の区間内なので、電車代いらず^^
休みといえど、気分転換は大切ですよねー。書斎に籠りっきりでは、流石にストレスも溜まるってもんです。
そしてこれが本日の戦利品です。↓

「ナイチンゲールの沈黙」の上下巻、それから、「幸福(シアワセ)喫茶3丁目」の9巻。
「幸福喫茶3丁目」は父さんに会うために買った。後悔はしてない。

「幸福喫茶3丁目」…高校時代に、2巻だか3巻だかまで借りて読んだ記憶があります。主人公の女の子がカフェでバイトするお話です。そのカフェの隣が和菓子屋さんで、ライバルだったような。
ほのぼのした雰囲気が好きだったのですが、後々すごいスピードで巻数が増えていくであろうことを考えてそれっきり。

そんな勢いで漫画集めるお金あったら、文庫を買いますよ、私は。

でも、つい最近とある方からお話を伺いましたら、潤(主人公)のお父さん(9巻に登場)が素敵だそうじゃないですか。

着物で敬語で書道家で縁側で寛いでるような人とか聞いてしまったら、買うしかないですよね。←
というわけで9巻だけ買いました。

しっかし、ほんと探すのに苦労しましたよ。
文庫コーナーは作者名順に並んでるじゃないですか。それに本と本の間に、作者名の札(?)が挟んでありますよね。

漫画コーナーは違うんです。ごっちゃごちゃです。
作者名順になってるかと思いきや、最初のほうこそあ行から始まってるものの、途中からはバラバラですし、だからといってタイトル順に並んでるわけでもなく…。

普段文庫の棚ばかりを眺めている私にとって、文庫コーナーを名前順に整列した生徒に喩えるなら、漫画コーナーは雑踏のようなものです。何の繋がりもない人々が、思い思いの方向へ行き来する。その中から、目的の人物を探すようなもので。
何度も棚の端から端を視線は行ったり来たり。

その間何度か店員さんに声は掛けられるし、かなりの時間棚の前に立ち尽くしてる様は滑稽だったと思いますよ。
それに加え、その腕には「ナイチンゲールの沈黙」が抱えられてるわけですからねぇ…。

ミステリー小説と少女漫画……異色にも程があるだろう。(呆)
私が書店員なら、「あんたどんな人ですか!」と突っ込んでると思います。心の中で。

でも、そこまでして買った価値はあると思います。えぇ。
教えて下さった方に感謝です。
この感謝の気持ちをどうにかして伝えたい。

あ…そうだ。今度、父さん描いて送りつけてもいいですか。←

+++++
本屋に行く道中で、大好きな絵師様への恋文…いえ…文を出してきました。
何を入れたら良いのか迷った挙句、A4用紙3枚と便箋2枚を入れたところ、見事に80円をオーバーしてました。←
念のため、窓口で重さ量ってもらってよかった。

無事に届くことを祈ります。

++追伸++
遅くばせながら、昨年の5~6月頃に描いた漫画っぽいものをサイトに投げてきました。
双子の片割れ、トーンが主人公の短いやつです。
漫画なんて今まで一度も描いたことありませんで…ど素人の気まぐれの産物ですが、それでも見てやるぜって勇気のある方は此処からどうぞ。
…って此処に書くと、少しは宣伝効果あるんでしょうかね……(汗)

拝啓 ロジカル・モンスター様

2009-02-16 18:55:43 | つれづれ
貴方に会える日を、どれだけ心待ちにしていたことでしょう。
まだかと待ち、ときには前進し、途中でめげそうになった末に、ようやく辿り着くことができました。それだけに、貴方に会えた喜びは計り知れません。
貴方は私の期待を裏切らず、とても素敵な方でした。これから貴方の周りで何が起こるのか、貴方はどのようにそれらの問題を解決に導くのか、不安でもあり、また楽しみでもあります。
今後一層ご活躍されることを、心よりお祈り申し上げます。

+++++
昨日やっとこさバチスタ読破いたしました!いやぁ…下巻に入るまでが長かった…です。(´д`;)

藪から棒に繰り出される医療用語に苦戦しつつも、なんとか上巻を読破。最後のほうは、もう分からなくていいよね精神で突っ走りました。
そして、ほぼ2日という驚異的な速さで読み終わった下巻。
ロジカル・モンスターこと、白鳥さんのすらすらと流れる推理の流れに乗っかってしまうと、あっという間でした。

レビューなんて客観的な見方はできないので、以下ばばばっと感想です。…偏ってます。

+++++
・ぐっちーはただ引っ張られてるだけってイメージだったけど、ちゃんと彼なりにいろいろ考えてるんですね。ぐっちー目線で物語は進むので、そのへんが見えて面白かったなぁ。

・大友さんが煙草吸ってたのが意外。でも聞き取り調査時の印象はドラマと近い。

・氷室先生…ほんっと救いようがないですね。
ただ悪い人、異常者って感じ。ドラマ版はまだ同情の余地が…。

・第二部の兵藤君(ドラマに出てたっけ?)がやたら可愛かった。犬っぽい。

・白鳥さんのたまごっちに噴いたのは私だけ?
藤原「病院内では携帯電話は禁止ですけど」白鳥「違います、ウ○チです」は駄目でした。爆笑もんです。あの冷静口調でこれは反則ww
この本の出版日を考えると、結構タイムリーな話題ですよね。娘が飽きて、託されたからって常に持ち歩いて世話してるあたり、子供思いなのかなぁ。とも。
意外と自分が楽しんでるんじゃないかと。だって、「な・が・し、終了」って何気にノリノリだろw
というか、会議にまで持ち込んでピコピコやるなwww

・原作の白鳥さんは小太りでした。
でもドラマ版もしくは映画版に脳内自動変換(゜w゜)

・最後のほう、小倉さんの緊急手術決定時。白鳥さんへの連絡に手間取り『たまごっち持つくらいなら、携帯電話持てよ。』って、ぐっちーごもっとも。

・田口・白鳥の掛け合いがたまらないw

・白鳥さんのキャラについて解説で触れてましたが。
“「トリック」で阿部寛が演じる上田次郎をより苛烈にしたキャラ”って、これリアルに映画版は阿部寛さんですよ(^p^)なんと!


+++++
そしてもう1つ、バチスタを読み終えた勢いで、森見登美彦さんの「きつねのはなし」も読み終えました。
こっちは単行本なので読む機会が少なく、かなり時間がかかってしまった。

「きつねのはなし」「果実の中の龍」「魔」「水神」の4つの話が入ってるんですが、なんだかんだ言って、一番好きなのは「きつねのはなし」ですかね。
天城さんの薄気味悪さがなんとも…。

この4編、分かれているようで、どこか繋がってるようでもあります。
最初はまったく別の話として読んでたんですけど、古道具屋の芳蓮堂はどの話にも出てきますし、ナツメさんも同様に出てくるんですよね。

ほかにも共通点がぽろぽろ。読むのがとびとびになってしまったので、正確にどこに出てきたかは覚えてないのですが、胴が長いケモノや、「きつねのはなし」で天城さんが住んでた屋敷、水に棲む怪物……等々これら共通するものを繋げていけば、話が繋がりそうな気もするんだけど。

それぞれの話で時制が違うだけかと考えたんですが、上手く並び替えることができない。
うーん…これはもう一度整理しなくてはなりますまい。
こんな中途半端なことでは、推測もできませんのでね。
いつかまとめて時間取って、ばーっと一気に集中的に読みたいです。一番の敗因は読むのがとぎれとぎれになってしまったからだと思うので。

文章自体はすごく好みです。
描写が綺麗ですし。
読み終わっても、ふわふわした心地で、未だに惹きつけられる何かがあります。しばらく抜け出せそうにありません。まさに“まだ夢の続きにいるような。”
「きつねのはなし」だけに、狐につままれたような忌憚集でした。

森見 登美彦
Amazonランキング:49805位
Amazonおすすめ度:



はっくしゅんっ!

2009-02-10 21:35:57 | PC日記
ここ最近の相棒はのど飴です。

カリンのど飴の、あの独特の香りと味が苦手なんですがこれならいけます。
フルーツ味だよ!美味しいんだよ!

のど飴が口の中にある間だけ、なんだか喉のイガイガが治ったような気になりませんか。
でも、実際治ったわけではないじゃないですか。だから、なくなったらまた舐めるじゃないですか。美味しいと特に。
それを繰り返してたら、残りがあと1個になってしまったんですよね、今日1日で。

ち…致 命 的 …!

って、どんだけのど飴消費率高いねん!

+++++
そういえば、昨日描いた絵をサイトにアップしてきました。

しかしランダムにできるのは3枚からなんだね…!
もう1枚描いて、古いのと合わせて3枚になるように頑張りましたよえぇ。
いつかはだいぶ前に描いたのも描き直してやりたいんですけど(絵が全然違うっ!)、今日のところはできたのだけとりあえず。

一応、絵と下に出る文は繋がってますです。
ま、ろくなもんありませんがね。
ばしばしっと叩いてくだされば幸いです。

あ、拍手絵の話です。←

近所の変な人

2009-02-09 13:12:34 | PC日記
絵が描きたいのですが、どの絵を描こうか迷います。
迷って何もしないで終わるのは私の悪い癖なので、とりあえず、今一番描きたい人を描いています。

夕さんです。
いつだったか、うちの狐たちの設定をざざっと友人に話したら、夕さんは友人曰く
「近所の変な人」
らしいです。

なんか、ぴったりなんですが。

夕さんは、だらしなく着こなしてるイメージがあるんですけど、たまにはきちっとしてもいいじゃないかということで。

狐面って素敵ですよね。あの、目が合ったときに、少しひやっとする不気味さがたまりません。…という感想だけにとどまらず、切実に狐面が欲しくなってきた私はどうしたらいいんでしょうね。
誰か京都の伏見稲荷行って買ってきてくれませんか。お土産に。

えー…描き終わったらサイトにアップします。(棒読み)

そういや、5、6日の旅の詳細なんかもアップしようかと、下書きはしてあるんですが、今は文章書く気が起きないので却下。
気が向いたら、この記事の下あたりに追加されるかもしれません。かもしれません。
大事なので2回言いました。

代わりに、以下ばばばっと近況報告
・夢の国に宿泊する。
・不思議の国の住人に出会う。(アリスじゃないですy。)
・喉ががさがさする。風邪だろうか。
・炬燵、足はあったか、手はひんやり。
・手が冷えてキー打つのに一苦労。

++追伸++
いつかの仕返し。


鬼は外、狐は……

2009-02-04 01:01:08 | つれづれ
「鬼は外、狐は……」

++登場人物++
・夜月(よづき):作家。狐憑き。この中では唯一の人間。(夜月以外は妖狐)
・ルート、トーン:双子の兄弟。科学者と音楽家の息子。紺の弟だが、そのことは知らない。
・蒼(あお):カフェで手伝いをしている。
・紺(こん):吟遊詩人。カフェの常連でもある。
・夕(ゆう):呪術師。引きこもり。無口。
+++++

1.とある作家の家

今日は節分だ。いつものことだが、この時間になると奴らがやってくる。

「「夜月ー。お邪魔しまーす♪」」
「今日は節分だよ!豆で鬼退治をする日なんだよ!」
「ねぇねぇ、鬼ってどこにいるの?夜月は物知りだから、知ってるかと思って。」

ほら来た。
狐憑きという忌み嫌われる性質のために、人里離れてひっそりと暮らしているというのに、家に狐が集まってくるんじゃ意味がない。
小生は書き途中の原稿を中断し、硯に筆を下ろす。そして、文机の前に座り、自分を期待の眼差しで覗き込む双子に目を向けた。

「鬼ねぇ…俺は知らないな。紺なら知ってるんじゃないか?」

紺は、各地をぶらぶらと旅しながら詩の腕を磨いている吟遊詩人だ。
そのわりには、詩の腕は今一歩なのだけど。
旅人なら、古い伝承くらいは聞いたことがあるかもしれなかった。

小生の答えを相当期待していたのだろう。二人ともがっかりした様子だ。
「えー知らないの?ほんとに…知らない?」

暫し沈黙。

「じゃあ紺にぃに訊くしかないかな…。行こう、トーン。きっといつものカフェにいるよ。」
「うん…そだね。行こっ、ルート!」

手を繋ぎ、どたばたと家を出て行く。全く、人騒がせな奴らである。
「にしても、ほんとに仲良いよなぁ…」
一言呟くと、再び筆を走らせた。


2.とあるカフェ

ボクらは紺にぃを探して、カフェに来た。
きまぐれCafeという名のこのカフェは、今日もひっそりと稲荷神社の境内に佇んでいる。

「今日はやってるみたいだね。」
「開店してないと消えちゃうもんね。よかったー。やってて。」

そう。このカフェ、オーナーがいないときは店自体がその場所にないのだ。
“神出鬼没なカフェ”だとか“(本当に)隠れた名店”だとかで、この辺では有名だったりする。
「いらっしゃい。ルートくんに、トーンくん。」
店を手伝っている蒼さんが、笑顔で挨拶する。
「あの、ボクら、紺にぃを探しに…」

「私を探しに来たって?」
ふと、頭上から優しい声。

「「Σ紺にぃ!!」」
二人の声が重なった。

+++++
「ふむ…なるほど…。鬼の居場所ねぇ…。昔は結構居たものだけど……最近は見ませんねぇ……。」
「そっかぁ…紺にぃも駄目かぁ…」
「…?誰かに訊いたんですか?」
「夜月に訊いたんだよ。知らないって追い返されちゃったけど。」

(あぁ…確か原稿の締め切りが近いって言ってましたね……。)

「…忙しいんでしょう(苦笑)私も力になれず申し訳ない。」
「ううん、いいの。でも困ったなぁ…節分なのに……」
「あ…そうだ。夕さんに訊いてみては如何でしょう?」
「「ユウ…?」」
「はい。(にっこり)山奥に家があるのはご存知ですか?あそこに住んでいるんですよ。呪いの専門家なので、そういう類は詳しいんじゃないかと…」
「へぇ…そうなんだ。」
「そうと決まれば、早く行こうよ!山奥へれっつごーー♪
「くれぐれも、粗相のないようにして下さいね?(苦笑)」
「「はーい♪」」

二人の背中が遠ざかっていく。本当のことを言えるのはいつだろう。
弟たちに今度はいつ会えるのかと考えると、少し寂しくなる。

「ねぇルート、ほんとに豆だけで倒せると思う?」
「うーん…やっぱり毒でも仕込んだほうが良かったかな?」
「えーやっぱりさ、なんかおっきな音が出るものを持ってきてー……あっシンバルとかどう?」

(…そこまですることはないと思うんですが……(苦笑))

そんな彼らの他愛のない会話に耳を傾けつつ、私は二人の後姿を見送った。


3.とある呪術師の家

僕は元から明るいところが好きではない。それに、呪術師という仕事は、頻繁に依頼があるわけでもなく、今日も真っ暗な部屋の隅にごろんと横たわり、静かな一日を過ごす…つもりだったのだが……

「「こーんにーちーはー!ゆーうーさーーーん!!」」

土間のほうから声がする。だが此処にいつも来るような輩とは異なる調子の声だ。明るくて…弾んでいて…高くて……。

正直、煩い。

面倒臭いと思いつつも、重い身体を起こす。客がどんな連中だろうと、依頼ならば仕方がない。
灯りが一つもないこの屋敷では、昼間であっても、廊下も土間も薄暗い。誤って中に入ってこられては困る。
普段は締め切っている襖を開け、部屋の外に出る。ゆっくり出来るという期待を裏切られたからか、襖がいつもより重く感じられた。

「…誰?」
「ボクはルート。…こっちは…」
「トーンっていいます♪初めましてぇ(にこぉ)」
「…何?」
「鬼はどこにいるのかなーって思って。夕さんなら知ってるんじゃないかって、紺にぃが……」

(紺にぃ…紺……あの吟遊詩人か、面倒なことを押し付けよって。今度会ったらタダじゃおかない……。
怒りをぐっと腹の中に納めて、なんとか言葉を返す。仮にも客の前なのだ。今は怒るときではない。

「…いない。」
「えぇΣそうなの?!」
「でも鬼って、面……」
「「Σお面…!!」」

人の話を最後まで聞け!
僕が言い終わる前に、彼らは何を思いついたのか、屋敷を出ていってしまった。


4.とある作家の家、再び

「「…と、いうわけで~。(にこにこ)」」
「あれ?戻ってきたんだ?」
「だって、夕さんが鬼はお面がどうとかって……」
「夜月、お面持ってたよね?」
「あぁ…狐の面……」
「きっとお面持ってる人が鬼なんだよっ!」
「だから鬼は夜月でしょ?そうだよねっ?自分が鬼だってばれたくなかったから、教えなかったんでしょ?」

きっと、夕は、鬼の面を被った奴が鬼役を務めるということを言いたかったのだ。
(それをこいつらが聞かなかったか、夕の言葉が足りなかったか……)
兎に角、正しいことを教えてやらねばならない。

「いや…お前ら…なんか違わないか?面って言ってもなぁ、これは狐の面であって、鬼の面じゃ……」
はいっ豆!
用意してきてよかったー♪

って、聞いてないし……。

どうやら、こいつらが話を聞かなかっただけらしい。いや、絶対そうだ。
(これは…まずい。)
こいつらが今、小生の話を聞いていないということは、小生は依然誤解されたままということになる。
(…と、いうことは……)

頭が結論を導くより早く、大量の豆が降ってきた。

「「鬼はー外ぉーーー!!!♪」」
「なんでこうなるんだぁあぁぁああ!!!!!」


此処が室内であるにも関わらず、全速力で駆ける。
だいたい、誤解だというのに、二人の豆攻撃といったら本当に容赦がない。
一体どこからそんなにたくさん豆が出てくるんだよ!
結局のところ、鬼が誰かなど問題ではないのだ。ただ楽しんでるだけなのだ。この状況を。


鬼は外、狐は我が家。
小生は今日も、狐たちに振り回される羽目になったのだった。