先日見たテレビ番組で明石家さんまさんが出演されている番組を見ていると、テレビの前で番組を見ているであろう人たちを「お茶の間」と表現していました。最近、テレビは一家に一台ではなく一部屋に一台の時代になりました。そんな中最近ではテレビ機能付き携帯電話や「ワンセグメント放送」など、一部屋に一台どころか一人一台の時代へと突入している真っ最中なのです。そんな中さんまさんから発せられた「お茶の間」という言葉が妙に新鮮だったのです。
 テレビはお茶の間で見る前には街頭テレビが主流だったそうです。と言うのも私はまだ存在しない時代戦後復興で力道山が西洋人レスラーに必殺空手チョップをぶち込んでいた時代です。この時代は街頭テレビにわれ先にと群がり、様々な情報を共有していたオープンなテレビの見方をしていた時代でした。
 そして高度経済成長期、テレビは家電の三種の神器のひとつとして、一家に一台と言う時代がありました。観音開きをあけてみるとモノクロームのブラウン管が鎮座し、たまに「カラー対応」なんて字幕が出てきてはカラーの放送をイメージしながらちゃぶ台を囲んでいた時代です。
 その後テレビはカラー化、小型化を大画面軽量化を経て現在に至っています。テレビの見方もそれに伴って様々に変化してきました。まだ僕の小さい頃は「チャンネル権」なる言葉があり、時間帯によって誰の好きな番組を見てよいか暗黙の了解があったりしました。夏になりプロ野球放送が始まると必然的にお父さんのチャンネル件が増えたり、夕方になると子供たちはアニメを見るためにわざわざ遊びを終えてかえってくる…。そんな時代も今はもう昔。好きな番組は、コンピュータが電子番組表をチェックして勝手に録画。休みの日にたまった映像を一気に見たり。便利になったものです。ただ、さびしいのはテレビから発せられる情報の共有がだんだんと難しくなってきました。小学生が学校に行って朝一番「昨日○○観た?」なんて会話も少なくなってゆくことでしょう。
 そんな中さんまさんの言う「お茶の間」と言う言葉が、だんだんと一人一台へと変化しつづけるテレビの見方に対する挑戦状のようなキーワードに聞こえてくるのです。

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