前回Winnyの功罪について少し述べましたが、Winnyによって犯された著作権というものについて考えてみようと思います。
結論から言ってしまうと著作権や知的財産の所有という考えは、いわゆる「思想」や社会の「仕組み」みたいなもので、「資本主義」とか「共産主義」みたいな考え方と同じだと僕は思います。で、知的財産の所有というのはとても「資本主義的」な考えに基づいて作られたものだと思います。優れた作品を作った人にはそれに相応の対価が与えられて当然だという考えだからです。現に共産主義国では知的財産所有という考えはあまり見られません。たとえば共産主義国の典型で、今はなき旧ソビエト連邦で生み出された、ゲーム、「テトリス」は世界中で様々なコピーゲームが発売され、その後も落ちモノゲームとして多種な進化をし、未だにいろいろなゲームでそのアイデアが使われています。しかしながら、テトリスの考案者、アレクセイ=パジトノフ氏にはほとんど対価は払われず、膨大な利益が某ゲーム会社にもたらされたのは有名な話です。
また、DVDやコンピューターソフトの世界的なコピー製造国、世界のコピー大国といわれている中国もまた「共産主義」国で、やはり「知的所有権」という考え方が未だ浸透していない事が「コピー大国」として認知されている原因なのかもしれません。
ただ、今、著作権や知的所有権について世界的に考え直さなければいけない転換期にきています。それはコンピュータとインターネットの普及にあります。いろいろな映像や音声や文字情報が世界中で共有できるようになってきたのです。検索エンジンにほしい情報を入力し、リンクをたどっていけばたいていのほしい情報は手に入るようになりました。そして「2ちゃんねる」のような掲示板の普及。わからないことを掲示板に書き込めばすぐにどこかの誰かが、ほしい情報を教えてくれる。
そんな中で知的所有権というものの考え方に疑問を投げかける事件がありました。「2ちゃんねる」のマスコットキャラクターとなっていた「のまねこ」が某レコード会社のプロモーションで勝手に使われ勝手に商標登録までされてしまったのです。当然ネット内で猛反発を喰らい某レコード会社の謀略は阻止されたようですが、これは社会に大きな問題を投げかけたのです。それは著作権を主張するレコード会社やソフト会社がコピーして莫大な利益を得ているというやり方です。たとえば現在CDの売上が年々減っていると、各レコード会社はパソコンで音楽を扱うことに対して非常に懸念を抱いているようですが、CD売上の減少の主な原因はそこではないのです。今の流行歌を聞いてみればわかりますが、ほとんどがどこか聞いたような曲ばかりで小林亜星さんの言葉を借りていうところの「パクリ」みたいなものばっかりわざわざ買ってまで聴こうと思うCD自体がほとんどないのです。音楽の世界にも創って(作って?)は消費を繰り返す大量生産時代になってしまったのです。(これは、曲の作り方に問題があるのですが、またそれは別の機会にお話しましょう)とにかく、お金まで払ってほしい情報がほとんど作られていないのが今の現状なのです。そういう意味では、現在コンピュータの世界で提案されている「オープンソース」という考え方は非常に共感できます。(これもまた機会があったらこのブログで取り上げようと思います)
CDショップに行ったら少し考えてください。3000円で売られている某設け主義のレコード会社のCDと、500円で売られているベートーベンやモーツァルトといった作曲家が創った曲が収録されているCDとどちら、に「知的価値」が秘められているのか・・・
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