2005年10月19日
ロシア滞在49日目
【今日の写真:ネフスキー大通り沿いの公園にて。弱い太陽の下、作業をする人々、散歩する人々、ベンチに座って話をする人々をエカチェリーナ2世の像が見守る。】
今日の主な動き
04:15過ぎ頃 起きる
6時過ぎ頃から8:11まで再び寝る
08:51頃 出かける
08:58 マヤコフスカヤ駅
09:09 バシレオストラフスカヤ駅
09:20 学校
12:23 バシレオストラフスカヤ駅
12:32 ガスティニードヴォル駅
12:43 日本センター
14:33 ネフスキー大通りの露店でパンとファンタを買う
15:01 マヤコフスカヤ駅前のケンタッキーで英字新聞 The St.Petersburg Timesをもらう
15:09 帰宅 その後お昼寝
昨日に続いて早く目が覚めたのは良いが、最近は朝8時過ぎまで暗いため、せっかく早起きしてもずっと起きていることが出来ない。あーあ、もったいないなあと思いながらも、睡魔に勝てず二度寝してしまう。日本にいた頃は朝早起きしても滅多に二度寝なんてしなかったのに。
再び起きたのは8時11分。ナジェージュダが朝食の案内に来てくれるまで寝ていたわけで、こうなると完全に寝坊である。1ヶ月半前、私がここに来た頃は夜遅くまで明るく、朝もこんなんじゃなかったのに、今朝は朝食を食べている間もまだ真っ暗。「何てことだ、ここは本当に地球なのか??」と疑ってしまいたくなる。
通学途中、ネフスキー大通りの上に満月より少しだけ欠けた月が浮かんでいるのを見る。やっぱりここは地球なんだな。
水曜と木曜は同じ先生による文法の授業。大変丁寧で分かりやすいので、私は特に気に入っている。初級の復習もしてくれるので、ありがたいことだ。ここのところ数回は「与格」という格を用いた様々な表現を学んでいる。
これまであまりロシア語そのものの話をしてこなかったが、私が面白いと思ったロシア語について、今日は少しだけ紹介してみる。ロシア語でよく使われる「~が好き、気に入っている」という表現は2通りある。
”любить”(「(~を)愛する、好く」)という動詞は英語の"love"と同じように、対格(英語で言えば目的格)の直接目的語をとることができる。だから、「AはBを好き」と言いたいときは「A(主格)+любить(主語に応じて語尾変化)+B(対格)」という文を作る(語順は自由。)
これに対して”нравиться”(「(~の)気に入る、(~が)好きだ」)という動詞は日本語の意味を見ても分かるとおり、любитьとは使い方が違う。нравитьсяのほうは気に入る対象を主格で主語に持ってきて、気に入る主体が与格で表される。だから、「AはBを好き」と言うには「B(主格)+нравиться(主語に応じて語尾変化)+A(与格)」という文を作らなければならない(こちらも語順は自由)。強引に訳すならば、「BはAを好かせる」となるのだが、あくまで「~が好き」という意味で日常良く使われる。
要するに、動詞と格の使い方を誤ると、例えば「私があなたを好き」なのか「あなたが私を好き」なのか、全く逆の意味の文が出来てしまうというわけである。語学を学ぶとき、間違いを恐れてはいけないが、こればかりは間違えると大変滑稽である。私も最近、動詞と格にはだいぶ気を使って会話できるようになってきた。
日本センターに行ってインターネットをする。知り合いから、12月のダイヤ改正についての情報があった。改正される東日本の新幹線ダイヤのうち、山形新幹線の分をわざわざ時刻表から拾って送ってくれたのである。それを見てあまりの変わり様に愕然とした。きっと帰省や旅行等で新幹線を利用している人も、同じようにびっくりするのだろう。一種の革命みたいなものだ。革命前の世界しか知らない者が、ある日突然革命後に帰国するとは、いったいどんな感じなんだろう。
午後、天気も良いことだし、久々にネフスキー大通りを歩いて帰ることにする。歩道にはたくさんの露店があり、アイスやジュース、パンなどを売っている。外は寒いので、マックででも昼食を食べようと思って足を進める。
ガスティニードヴォルを過ぎ、ちょっとした広場になっている公園の横を通りかかった時、ふと思った。こんなに天気が良い日は今年あと何日あるのだろう。
まだらな紅葉と銅像が見下ろす公園には、ベンチに腰掛けてくつろぐ人々の姿、中央の小さな畑で作業している人々の姿、散歩している人々の姿があった。まだ、秋なんだ。大通りを急ぐ人々の流れからそれ、公園前の露店へ近寄る。露店のおばちゃんはかなりの厚着をして、編み物をやっていた。
ソーセージパンとりんごのパンを注文。ジュースがあれば良かったのだが、ファンタしかないので、メニューに載っていたレモンファンタを希望する。するとレモンはないと言われたので、かわりにおばちゃんが手に取ったパイナップルファンタを買うことにした。合計55ルーブルの昼食。ファンタが30ルーブルだから、パン2つで25ルーブル。これで生活していけるのかな。そう思うと、寒い中店番をしているおばちゃんに申し訳ない気分になったが、お礼を言った時、「ザズダローヴィエ」と元気に返してくれたその声に、たくましさと頼もしさ、強さを感じた。
公園の白いベンチには空きがあった。その中の一つに腰を下ろす。温められていなかったパンは冷たかった。その分、天然の冷蔵庫で冷やされたファンタがおいしく感じられた。
公園の小さな畑では、数人が何やら作業をしていた。何かの種でもまいているのだろうか。これから冬だというのに。隣のベンチには老婆が座り、その側で彼女の孫だろうか、小さな子どもがハトにえさをあげていた。弱い太陽がかすかに与えてくれる温もりを分かち合いながら、人々はそれぞれの時間を過ごしていた。
食べ終わった後、公園の中央にある銅像を見に行く。台座に記された文字を見て、これがエカチェリーナ2世の像であることを知った。
歩いて帰って良かったな。露店でのやりとり、公園での風景は私をそんな気分にさせてくれた。今日は家までの道のりが、いつもより短く感じられた。
ロシア滞在49日目
【今日の写真:ネフスキー大通り沿いの公園にて。弱い太陽の下、作業をする人々、散歩する人々、ベンチに座って話をする人々をエカチェリーナ2世の像が見守る。】
今日の主な動き
04:15過ぎ頃 起きる
6時過ぎ頃から8:11まで再び寝る
08:51頃 出かける
08:58 マヤコフスカヤ駅
09:09 バシレオストラフスカヤ駅
09:20 学校
12:23 バシレオストラフスカヤ駅
12:32 ガスティニードヴォル駅
12:43 日本センター
14:33 ネフスキー大通りの露店でパンとファンタを買う
15:01 マヤコフスカヤ駅前のケンタッキーで英字新聞 The St.Petersburg Timesをもらう
15:09 帰宅 その後お昼寝
昨日に続いて早く目が覚めたのは良いが、最近は朝8時過ぎまで暗いため、せっかく早起きしてもずっと起きていることが出来ない。あーあ、もったいないなあと思いながらも、睡魔に勝てず二度寝してしまう。日本にいた頃は朝早起きしても滅多に二度寝なんてしなかったのに。
再び起きたのは8時11分。ナジェージュダが朝食の案内に来てくれるまで寝ていたわけで、こうなると完全に寝坊である。1ヶ月半前、私がここに来た頃は夜遅くまで明るく、朝もこんなんじゃなかったのに、今朝は朝食を食べている間もまだ真っ暗。「何てことだ、ここは本当に地球なのか??」と疑ってしまいたくなる。
通学途中、ネフスキー大通りの上に満月より少しだけ欠けた月が浮かんでいるのを見る。やっぱりここは地球なんだな。
水曜と木曜は同じ先生による文法の授業。大変丁寧で分かりやすいので、私は特に気に入っている。初級の復習もしてくれるので、ありがたいことだ。ここのところ数回は「与格」という格を用いた様々な表現を学んでいる。
これまであまりロシア語そのものの話をしてこなかったが、私が面白いと思ったロシア語について、今日は少しだけ紹介してみる。ロシア語でよく使われる「~が好き、気に入っている」という表現は2通りある。
”любить”(「(~を)愛する、好く」)という動詞は英語の"love"と同じように、対格(英語で言えば目的格)の直接目的語をとることができる。だから、「AはBを好き」と言いたいときは「A(主格)+любить(主語に応じて語尾変化)+B(対格)」という文を作る(語順は自由。)
これに対して”нравиться”(「(~の)気に入る、(~が)好きだ」)という動詞は日本語の意味を見ても分かるとおり、любитьとは使い方が違う。нравитьсяのほうは気に入る対象を主格で主語に持ってきて、気に入る主体が与格で表される。だから、「AはBを好き」と言うには「B(主格)+нравиться(主語に応じて語尾変化)+A(与格)」という文を作らなければならない(こちらも語順は自由)。強引に訳すならば、「BはAを好かせる」となるのだが、あくまで「~が好き」という意味で日常良く使われる。
要するに、動詞と格の使い方を誤ると、例えば「私があなたを好き」なのか「あなたが私を好き」なのか、全く逆の意味の文が出来てしまうというわけである。語学を学ぶとき、間違いを恐れてはいけないが、こればかりは間違えると大変滑稽である。私も最近、動詞と格にはだいぶ気を使って会話できるようになってきた。
日本センターに行ってインターネットをする。知り合いから、12月のダイヤ改正についての情報があった。改正される東日本の新幹線ダイヤのうち、山形新幹線の分をわざわざ時刻表から拾って送ってくれたのである。それを見てあまりの変わり様に愕然とした。きっと帰省や旅行等で新幹線を利用している人も、同じようにびっくりするのだろう。一種の革命みたいなものだ。革命前の世界しか知らない者が、ある日突然革命後に帰国するとは、いったいどんな感じなんだろう。
午後、天気も良いことだし、久々にネフスキー大通りを歩いて帰ることにする。歩道にはたくさんの露店があり、アイスやジュース、パンなどを売っている。外は寒いので、マックででも昼食を食べようと思って足を進める。
ガスティニードヴォルを過ぎ、ちょっとした広場になっている公園の横を通りかかった時、ふと思った。こんなに天気が良い日は今年あと何日あるのだろう。
まだらな紅葉と銅像が見下ろす公園には、ベンチに腰掛けてくつろぐ人々の姿、中央の小さな畑で作業している人々の姿、散歩している人々の姿があった。まだ、秋なんだ。大通りを急ぐ人々の流れからそれ、公園前の露店へ近寄る。露店のおばちゃんはかなりの厚着をして、編み物をやっていた。
ソーセージパンとりんごのパンを注文。ジュースがあれば良かったのだが、ファンタしかないので、メニューに載っていたレモンファンタを希望する。するとレモンはないと言われたので、かわりにおばちゃんが手に取ったパイナップルファンタを買うことにした。合計55ルーブルの昼食。ファンタが30ルーブルだから、パン2つで25ルーブル。これで生活していけるのかな。そう思うと、寒い中店番をしているおばちゃんに申し訳ない気分になったが、お礼を言った時、「ザズダローヴィエ」と元気に返してくれたその声に、たくましさと頼もしさ、強さを感じた。
公園の白いベンチには空きがあった。その中の一つに腰を下ろす。温められていなかったパンは冷たかった。その分、天然の冷蔵庫で冷やされたファンタがおいしく感じられた。
公園の小さな畑では、数人が何やら作業をしていた。何かの種でもまいているのだろうか。これから冬だというのに。隣のベンチには老婆が座り、その側で彼女の孫だろうか、小さな子どもがハトにえさをあげていた。弱い太陽がかすかに与えてくれる温もりを分かち合いながら、人々はそれぞれの時間を過ごしていた。
食べ終わった後、公園の中央にある銅像を見に行く。台座に記された文字を見て、これがエカチェリーナ2世の像であることを知った。
歩いて帰って良かったな。露店でのやりとり、公園での風景は私をそんな気分にさせてくれた。今日は家までの道のりが、いつもより短く感じられた。