ロシアの北都 サンクトペテルブルク紀行

2005年秋から留学する、ロシアのサンクトペテルブルク(旧レニングラード)での毎日を記します。

何でも直す修理屋

2005-10-20 12:43:36 | Weblog
2005年10月18日
ロシア滞在48日目
【今日の写真:朝焼け。撮影時刻は8時53分。この時期は8時30分前後からようやく明るくなり始める。ネフスキー大通りにて。】

今日の主な動き
05:40頃 起床 その後また寝る
08:46 出かける
08:55 マヤコフスカヤ駅
09:06 バシレオストラフスカヤ駅
09:16 学校
12:19 大学近くのイタリアンレストラン
13:09 バシレオストラフスカヤ駅
13:20 ガスティニードヴォル駅
13:29 日本センター
15:09 ネフスキー通り駅
15:19 マヤコフスカヤ駅
15:37 帰宅
16:16 出かける
16:30頃 修理屋
16:51 帰宅
17:09~18:12 ジョギング 約10.4km
 マヤコフスキー周回コース8周(左から周回、LAP、SPLIT)
 1 5分03秒63 
 2 9分20秒70    14分24秒33
 3 9分02秒41    23分26秒74
 4 8分35秒18    32分01秒92
 5 8分21秒66    40分23秒58
 6 7分50秒59    48分14秒17
 7 7分37秒50    55分51秒67
 8 7分11秒04 1時間03分02秒71

18:15 帰宅

 あれは昨晩の出来事だった。ベッドに上がると「バリッ」という音がした。「あれ、ベッドに「バリッ」なんて音を立てる代物はあったかな?」と不思議に思いながら掛け布団をどかしてみると、なんとそこに眼鏡があるではないか。左のレンズが外れ、レンズを固定しているフレームのネジが外れて曲がるという、無様なありさまになっていた。昨日はデジカメを盗まれてからちょうど1ヶ月後の月曜に当たる日。何も盗まれなくて良かったが、よりによって寝る直前、最後の最後に眼鏡を、しかも自分で破壊するとは何とも悲しい。
 幸いネジが外れただけで、レンズやフレームが割れたり、折れたりということはなかったので、最初は自分で修理を試みる。しかしそんなことが出来るわけもなく、昨日は諦めて寝たのだった。

 今朝、朝食の際にナジェージュダに眼鏡を見せ、眼鏡屋はどこかとたずねると、家近くのボスタニヤ通りにある店を教えてくれた。ついでに私の目の悪い話になり、度数を聞かれたので0.08くらいと答えると、クプチノ(ペテルブルク市内の地名)辺りに大変評判の良い医者達がいるから、手術したらどうか、日本でやるより安いんじゃないかと本気で勧められてびっくりした。

 こんなこともあろうかと、日本から前に使っていた眼鏡を持ってきていたので、今日はそれをかけて学校へ行く。学校へ向かう途中、マヤコフスカヤ駅前、ネフスキー大通りを横断する交差点で、モスクワ駅方面にきれいな朝焼けを見つけた。思えば土・日・月の3日間暗い天気が続いたので、4日ぶりの良い天気。天気は良くても相変わらず気温は低い。今は秋なのか冬なのか、いまいちよく分からないが、昨日から家のスチームヒーターが入り(ナジェージュダによると来年の5月まで続くのだそうだ)、冬の備えも万全である。
 前の眼鏡できれいに見えたのは朝焼けくらいなもので、看板や、学校のホワイトボードの文字などが良く見えなかったのはショックだった。

 帰宅後、眼鏡屋へ行こうとしているとナジェージュダがお茶を勧めてくれたので、しばし休憩してから出かける。

 歩いて10分くらい、教えてもらった店に着いたが、そこは眼鏡屋というより修理屋。それも何でも屋みたいな所である。男の店員に「眼鏡か?」と聞かれ、「そうだ」と答えながら眼鏡と、外れた小さな小さなネジを渡す。さすが修理屋だけあって、作業台の上には様々な工具があった。彼はその作業台の上で私の眼鏡を修理しながら、「レンズはプラスチックか?」とたずねてきた。何でそんなことを聞いたのかは分からない。
 修理屋の中の様子を見渡すと、靴や服などもたくさんあった。私の隣にいた人は上着のチャックを修理しに来ていたようである。なるほど、ここは何でも直す修理屋なんだなと理解した。眼鏡の修理は2分ほどで終了。あれだけ曲がっていたから直るかどうか心配だったが、さすがプロの仕事だけあって見事に直っていた。料金は30ルーブル。かなり安い。あまりの嬉しさに私がやたら元気良くお礼を言ったため、おかしかったのだろう。店員はちょっと笑いを含みながら「どういたしまして」と言ってくれた。

 帰りは早速その眼鏡をかけて歩く。出かける前、眼鏡屋だったらいくらかかるか分からないと思って、念のため500ルーブル札を2枚ポケットに入れてきたのだが、その心配はいらなかった。あんなに安く修理屋の商売が成り立つということは、それだけ多くの人が利用しているということなのだろう。
 ここに来て以来、古い物の多さを感じる。例えば街中を、日本ではまず見られないような古い車、バス、路面電車が走っている。さらに、家の中に手作りの家具が多いことは、先日セルゲイが説明してくれた通りである。古い物を繰り返し修理しながら大事にする習慣は、セルゲイが言ってた「ロシア人は物を自分で作るんだ」ということと密接に関連しているように思える。自分で作った物、修理を重ねた物には愛着が生まれるのだろう。素敵な文化をまた一つ見つけた。 

 17時前に帰宅したときの気温は約9.5度。今日はジョギングの日。Tシャツの上に長袖のジャージを着て階段を下り始める。すると久々に3階に住むおばちゃん(英語の先生)に会った。今度は英語を使わずに話をする。「元気か?」「ロシア語は上手くなったか?」などと聞かれた。これからジョギングに行くというと、「素晴らしい」と言ってくれた。おばちゃんと話しながら、ジョギング用じゃない、普通の靴をはいてきたことに気づく。急いでジョギングシューズにはきかえ、外へ出る。

 いつものマヤコフスキー周回コース、これまで1周約1.2kmと考えてきたのだが、最近それより長い気がしてきた。そこで今日はおおよその距離を測定しようと考えた。測定といっても、1周を最高速度に近いペースで走って、その所要時間から距離を計算するというもの。メートル単位で正確にというわけにはいかないが、最高速度に近いペースだと1kmあたりにどれくらいかかるか、日本の陸上競技場で何度も計測してきたから、それをもとにおおよその距離を算出できるのである。
 通りは陸上競技場とは違って人通りが多く、その行動も不規則だから、人を飛ばさぬよう安全な速度(進路の約5m前方に人が突如現れたとき、安全に回避できる程度の速度が良いと思っている)で走らなければならない。また、ポケットに財布とパスポートを入れていたため、あまりに速く走るとポケットが激しく揺れて走りづらい。そんな事情もあって、1周目の平均速度は1km3分30~40秒程度だったと思う。それでも5分かかっているから、少なく見積もっても1300mはあるとみて間違いない。よって、今日からマヤコフスキー周回コースは1周1.3kmとして距離を数えることにした。
 1周目試運転モードで飛ばしたため、2週目以降は疲れてゆっくり走る。昨日の記事でminorityの気持ちについて書いたが、この町でランナーは一番のminorityである。何しろ先日ネフスキー大通りでマラソン大会を見た以外は、町でジョギングをしている人を一人も見たことがない。

 今日から、走後の筋トレに新アイテムを導入した。ジョギングをした後に筋トレをするようにと、セルゲイが昨日、筋トレ用の鉄の塊を出してきてくれたのだ。今日は初回なので気合いを入れて体の前で20回、後ろで20回の1セットを2回繰り返す。計80回。とてもハードだが、筋トレが苦手な私には良い練習になった。 
  
 夕食後にテレビを見ながらお茶を飲んでいると、一匹のハエが誤って(かどうかは私の知るところではないが)私のお茶の中に転落し、その生命を終えた。こんなノロマなハエがいるものかと思って驚いたが、寒くなってきて動きが鈍くなっていたのかもしれない。動物達にとっても、寒さを乗り切るのは楽ではないようだ。 

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