2005年10月14日 最新の出来事
・いつのもように、刑事裁判には黙っていられないもので...
日本ではどれだけ大きく報道されていることか分からないが、愛知県の連続リンチ殺人事件(94年)で名古屋高裁は14日、1人を死刑、2人を無期懲役とした1審判決を破棄し、当時いずれも少年だった3被告全員に死刑判決を言い渡した。
最高裁は同じく少年時の犯行だった永山事件(90年確定、97年執行)上告審の判決において、死刑適用の基準を示したが、その基準は相対的なものである(もっとも、裁判に絶対的な基準を設けることは無意味だが)。弁護側が上告するであろう今回の判決は、1審の事実認定を「誤り」として判断しなおした事実関係が「破棄しなければ著しく正義に反する重大な事実の誤認」(刑事訴訟法第411条3号)を含むと最高裁が認めない限り、死刑選択基準を満たすとしてそのまま確定する可能性が高い。先日述べた通り、私の死刑廃止論は誤審の可能性を前提としているが、例えば今回の事件において、現行の制度、判例がある限り司法の結論がこれ以外にありえないということについても、私は疑問を感じる。
少年に対する死刑適用の是非をめぐって議論がなされることだろうが、これを機に死刑制度そのものの是非についても国民レベルで議論が高まることを大いに期待したい。
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2005年10月13日
ロシア滞在43日目
【今日の写真:ガスティニードヴォル。市の中心部にある巨大ショッピングモール。地下鉄の駅(その名も「ガスティニードヴォル」。私もほぼ毎日利用)もこの建物の中にある。観光客を狙ってか、何もかもが高いことで有名で、ホストファミリーはじめ地元の人々はあまり利用しないようだ。ちなみにガスティニー”гостиный”は「客の」という形容詞、ドヴォル”двор”(「ドゥヴォル」と表記した方がより発音に近い)は「土地、中庭」という意味の名詞で、”гостиный двор”で昔のマーケット、交易所という意味になる。)】
今日の主な動き
03:40 起床 しばらく起きてまた寝る
07:58 再び起きる
08:47 出かける
08:55 マヤコフスカヤ駅
09:06 バシレオストラフスカヤ駅
09:17 学校
12:26 バシレオストラフスカヤ駅
12:41 ガスティニードヴォル駅
12:52 ネフスキー大通りのイタリアンレストラン
13:36 日本センター
15:23 ネフスキー通り駅
15:35 アレクサンドルネフスキー広場駅
15:40頃 駅のホームで学生証とパスポートのカバーを買う
15:51 アレクサンドルネフスキー広場駅発
15:54 マヤコフスカヤ駅
16:07 帰宅
16:30~17:15 ジョギング 約8.4km
17:20 帰宅
昨日早く寝たためか今朝は4時前に目が覚め、また眠くなるまでブログを書いたり、教科書を読んだりして過ごす。6時45分頃から眠くなったのでまた眠ると、電車に乗りながら飛行機の墜落を目撃し、デジカメでその様子を撮影したという変な夢を見た。そんな夢のせいなのか目覚ましを無視してしまい、起きたのは8時少し前。外はまだ薄暗く、体内時計がおかしくなりそうである。
学校では最初1時間ほど普通の授業をやった後、突然テストがあった。突然と言っても昨日テストがあること自体は予告されていたが、先生も内容を知らないテストだそうで、どういうものか分からないまま受けることに。昨日の説明だと統計をとるためのテストで、順位をつけるわけではないということだったが、テストとなるとやはり良い点をとりたくなる。
選択式の文法問題なんかだと、今ならだいぶ答えられそうだったが、そうは問屋は下ろさない。問題は2問で、いずれも自分で文章を書く問題。時間は約1時間。
1つ目は40行くらいの長文を読んでラスカス(お話)を書くというもの。その長文は先生曰わく「簡単だ」そうだが、私の知らない単語が15個くらい登場。幸い辞書を使っても良く、読みやすい話だったため内容は理解できた。なかなか素敵な物語だったのであらすじを記しておく。
《モスクワに住むビクトルという少年は作家になりたくて、学校を卒業した後、文学の大学入学しようと思った。しかしその大学は、既に優れた小説や詩を書いた人だけしか入学できないということが分かった。そこで、彼は昔の先生に相談しに行く。すると先生は、何か仕事を始めて、1年後再度その大学を受けてみるようアドバイスした。たまたま地質学者と知り合ったビクトルは、彼らの研究に付き合って北極へ行く。そこでの経験をもとに面白い小説を書こうと思ったからである。しかし彼は仕事のおもしろさ、学者達の研究への熱意に惹かれる。そしてモスクワに帰る頃には、作家ではなく地質学者になることを決めたのだった。》
そして問題は、「あなたの友達が職業選択について考えている。その友達に、この物語の主人公ビクトルがどうやって職業を決めたか教える文章を書け」というもの。
なるほどこうすれば読解力、文法力、表現力を一度に問うことができるというわけだ。出題者の意図が分かったところで早速解答にとりかかる。このタイプの問題は本文の表現を結構そのまま使える。主語や話法をちょっと変えればそれで文ができてしまうが、それだけでは芸がないので、自分でもいくつか文を考える。今まで習った単語、文法事項を頭の中から引っぱり出し、時には辞書で確認しながら作文していく。
1問目を終えた時には残り約5分強だったが、幸い2問目は「ロシア人の友達に自己紹介の手紙を書け」というような問題で、要するに自己紹介を書けばよいのである。1問目とのギャップが大きいのには驚いたが、10個以上の文という条件付き。
時計を見ながらひたすら手を動かし、書き終えて文の数を数えると8個。文の数というのは自分が思っているより意外と少ないものである。残り2分くらいなので、仕方なく「モスクワ駅で電車を見る」という文を追加し、関係代名詞を使って書いた1文を、関係代名詞を消して2つに分割してぎりぎり10個の文を作った。
今日のテストで思ったことは、読もうと思えば何とか文章を読めるし、書こうと思えば書けないでもないということ。正しく、早く読解、表現するにはまだまだ訓練が必要だが、どうにもならない状態ではないということが分かり、ちょっと自信が持てた。
学校帰り、ちょうど買い置きしていたコインが切れたことなので、地下鉄のカードを買うことにした。今までどういうものか知らなかったため買わずにいたのだが、台湾人の女の子がカードの値段や使える回数を教えてくれて、買うのまで手伝ってくれた。50回使えて1ヶ月間有効のカードが410ルーブル。普通に乗ったら500ルーブルだから、90ルーブルお得というかなり高い割引率である。こんなに安く乗ってしまうとかえって申し訳ない気持ちになるが、なにしろ地下鉄は私の毎日の足。平日は一日3回以上乗るし、休日どこへ行くにも地下鉄なしでは不便である。安く乗れるにこしたことはない。
そのカードはSuica(首都圏および仙台圏で使えるJR東日本のSuper Urban Intelligent CArdの略)と同じIC式のようで、改札機にタッチするだけで通れるという優れもの。私はとても気に入ったので、窓口の人に記念に領収書を書いてもらった。
日本センターからの帰り、マヤコフスカヤを通り越してアレクサンドルネフスキー駅へ。先日ラドガ駅からの帰りに、パスポートや学生証のカバーを売っている店を見つけたので記念に買おうと思った次第。パスポートのカバーといっても、ただのカバーではない。ちゃんと”РОССИЯ ПАСПОРТ(ロシア パスポート)”という金ピカの文字が入り、真ん中に大きくマークが入っている高級感溢れるカバー。しかも1つ25ルーブルでお買い得。実は駅でロシア人がパスポートを出しているのを見て、ロシアのパスポートは随分高級だなと思っていたのだが、その正体はカバーだったのである。これをかければいかにもロシアのパスポートという外観を呈しながら、中身は日本のものという面白いパスポートになるだろうなあと思い、勢い余って2つ買う。RUSSIAと英語で書いてあるものもあったが、やっぱキリル文字じゃなきゃね!ついでに(どっちがついでだか分からないが)学生証のカバーも買って大満足。
帰宅後、早速カバーをつけかえてロシア風にしたパスポートと、同じくカバーをかけた学生証をウエストポーチに入れてジョギングへ出かける。本当はジョギングお休みの日なのだが、月曜走れなかった分を走ったのである。
マヤコフスキー周回コースを今日は7周してみた。詩人の名前が付いていないリテイニー通りは人通りが多く、人を避けるために減速せざるを得ない。今回は周回する毎に速度を上げたり下げたりしてみたが、いずれの場合もリテイニー通りでのロスを考えて、マヤコフスキー通りやネクラソーフ通りでは速めに走った。今日の記録は以下の通り(左から周回、LAP、SPLIT)。
1 6分07秒59
2 6分31秒41 12分39秒00
3 6分01秒30 18分40秒30
4 7分09秒71 25分50秒01
5 5分51秒59 31分41秒60
6 7分35秒99 39分17秒59
7 5分44秒21 45分01秒80
5周目と7周目、5分台で走ったが、それ以上の速度を維持しようとするとまた足を痛めそうなので、そのあたりをよく考えて走ろうと思う。
なお、先日つくばマラソンのS石TAから「腹筋もちゃんとやるように」とのお言葉を頂戴したため、今日もシャワーの後腹筋を30回。まだまだ甘いと言われそうだが、明日は筋肉痛になりそうである。
・いつのもように、刑事裁判には黙っていられないもので...
日本ではどれだけ大きく報道されていることか分からないが、愛知県の連続リンチ殺人事件(94年)で名古屋高裁は14日、1人を死刑、2人を無期懲役とした1審判決を破棄し、当時いずれも少年だった3被告全員に死刑判決を言い渡した。
最高裁は同じく少年時の犯行だった永山事件(90年確定、97年執行)上告審の判決において、死刑適用の基準を示したが、その基準は相対的なものである(もっとも、裁判に絶対的な基準を設けることは無意味だが)。弁護側が上告するであろう今回の判決は、1審の事実認定を「誤り」として判断しなおした事実関係が「破棄しなければ著しく正義に反する重大な事実の誤認」(刑事訴訟法第411条3号)を含むと最高裁が認めない限り、死刑選択基準を満たすとしてそのまま確定する可能性が高い。先日述べた通り、私の死刑廃止論は誤審の可能性を前提としているが、例えば今回の事件において、現行の制度、判例がある限り司法の結論がこれ以外にありえないということについても、私は疑問を感じる。
少年に対する死刑適用の是非をめぐって議論がなされることだろうが、これを機に死刑制度そのものの是非についても国民レベルで議論が高まることを大いに期待したい。
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2005年10月13日
ロシア滞在43日目
【今日の写真:ガスティニードヴォル。市の中心部にある巨大ショッピングモール。地下鉄の駅(その名も「ガスティニードヴォル」。私もほぼ毎日利用)もこの建物の中にある。観光客を狙ってか、何もかもが高いことで有名で、ホストファミリーはじめ地元の人々はあまり利用しないようだ。ちなみにガスティニー”гостиный”は「客の」という形容詞、ドヴォル”двор”(「ドゥヴォル」と表記した方がより発音に近い)は「土地、中庭」という意味の名詞で、”гостиный двор”で昔のマーケット、交易所という意味になる。)】
今日の主な動き
03:40 起床 しばらく起きてまた寝る
07:58 再び起きる
08:47 出かける
08:55 マヤコフスカヤ駅
09:06 バシレオストラフスカヤ駅
09:17 学校
12:26 バシレオストラフスカヤ駅
12:41 ガスティニードヴォル駅
12:52 ネフスキー大通りのイタリアンレストラン
13:36 日本センター
15:23 ネフスキー通り駅
15:35 アレクサンドルネフスキー広場駅
15:40頃 駅のホームで学生証とパスポートのカバーを買う
15:51 アレクサンドルネフスキー広場駅発
15:54 マヤコフスカヤ駅
16:07 帰宅
16:30~17:15 ジョギング 約8.4km
17:20 帰宅
昨日早く寝たためか今朝は4時前に目が覚め、また眠くなるまでブログを書いたり、教科書を読んだりして過ごす。6時45分頃から眠くなったのでまた眠ると、電車に乗りながら飛行機の墜落を目撃し、デジカメでその様子を撮影したという変な夢を見た。そんな夢のせいなのか目覚ましを無視してしまい、起きたのは8時少し前。外はまだ薄暗く、体内時計がおかしくなりそうである。
学校では最初1時間ほど普通の授業をやった後、突然テストがあった。突然と言っても昨日テストがあること自体は予告されていたが、先生も内容を知らないテストだそうで、どういうものか分からないまま受けることに。昨日の説明だと統計をとるためのテストで、順位をつけるわけではないということだったが、テストとなるとやはり良い点をとりたくなる。
選択式の文法問題なんかだと、今ならだいぶ答えられそうだったが、そうは問屋は下ろさない。問題は2問で、いずれも自分で文章を書く問題。時間は約1時間。
1つ目は40行くらいの長文を読んでラスカス(お話)を書くというもの。その長文は先生曰わく「簡単だ」そうだが、私の知らない単語が15個くらい登場。幸い辞書を使っても良く、読みやすい話だったため内容は理解できた。なかなか素敵な物語だったのであらすじを記しておく。
《モスクワに住むビクトルという少年は作家になりたくて、学校を卒業した後、文学の大学入学しようと思った。しかしその大学は、既に優れた小説や詩を書いた人だけしか入学できないということが分かった。そこで、彼は昔の先生に相談しに行く。すると先生は、何か仕事を始めて、1年後再度その大学を受けてみるようアドバイスした。たまたま地質学者と知り合ったビクトルは、彼らの研究に付き合って北極へ行く。そこでの経験をもとに面白い小説を書こうと思ったからである。しかし彼は仕事のおもしろさ、学者達の研究への熱意に惹かれる。そしてモスクワに帰る頃には、作家ではなく地質学者になることを決めたのだった。》
そして問題は、「あなたの友達が職業選択について考えている。その友達に、この物語の主人公ビクトルがどうやって職業を決めたか教える文章を書け」というもの。
なるほどこうすれば読解力、文法力、表現力を一度に問うことができるというわけだ。出題者の意図が分かったところで早速解答にとりかかる。このタイプの問題は本文の表現を結構そのまま使える。主語や話法をちょっと変えればそれで文ができてしまうが、それだけでは芸がないので、自分でもいくつか文を考える。今まで習った単語、文法事項を頭の中から引っぱり出し、時には辞書で確認しながら作文していく。
1問目を終えた時には残り約5分強だったが、幸い2問目は「ロシア人の友達に自己紹介の手紙を書け」というような問題で、要するに自己紹介を書けばよいのである。1問目とのギャップが大きいのには驚いたが、10個以上の文という条件付き。
時計を見ながらひたすら手を動かし、書き終えて文の数を数えると8個。文の数というのは自分が思っているより意外と少ないものである。残り2分くらいなので、仕方なく「モスクワ駅で電車を見る」という文を追加し、関係代名詞を使って書いた1文を、関係代名詞を消して2つに分割してぎりぎり10個の文を作った。
今日のテストで思ったことは、読もうと思えば何とか文章を読めるし、書こうと思えば書けないでもないということ。正しく、早く読解、表現するにはまだまだ訓練が必要だが、どうにもならない状態ではないということが分かり、ちょっと自信が持てた。
学校帰り、ちょうど買い置きしていたコインが切れたことなので、地下鉄のカードを買うことにした。今までどういうものか知らなかったため買わずにいたのだが、台湾人の女の子がカードの値段や使える回数を教えてくれて、買うのまで手伝ってくれた。50回使えて1ヶ月間有効のカードが410ルーブル。普通に乗ったら500ルーブルだから、90ルーブルお得というかなり高い割引率である。こんなに安く乗ってしまうとかえって申し訳ない気持ちになるが、なにしろ地下鉄は私の毎日の足。平日は一日3回以上乗るし、休日どこへ行くにも地下鉄なしでは不便である。安く乗れるにこしたことはない。
そのカードはSuica(首都圏および仙台圏で使えるJR東日本のSuper Urban Intelligent CArdの略)と同じIC式のようで、改札機にタッチするだけで通れるという優れもの。私はとても気に入ったので、窓口の人に記念に領収書を書いてもらった。
日本センターからの帰り、マヤコフスカヤを通り越してアレクサンドルネフスキー駅へ。先日ラドガ駅からの帰りに、パスポートや学生証のカバーを売っている店を見つけたので記念に買おうと思った次第。パスポートのカバーといっても、ただのカバーではない。ちゃんと”РОССИЯ ПАСПОРТ(ロシア パスポート)”という金ピカの文字が入り、真ん中に大きくマークが入っている高級感溢れるカバー。しかも1つ25ルーブルでお買い得。実は駅でロシア人がパスポートを出しているのを見て、ロシアのパスポートは随分高級だなと思っていたのだが、その正体はカバーだったのである。これをかければいかにもロシアのパスポートという外観を呈しながら、中身は日本のものという面白いパスポートになるだろうなあと思い、勢い余って2つ買う。RUSSIAと英語で書いてあるものもあったが、やっぱキリル文字じゃなきゃね!ついでに(どっちがついでだか分からないが)学生証のカバーも買って大満足。
帰宅後、早速カバーをつけかえてロシア風にしたパスポートと、同じくカバーをかけた学生証をウエストポーチに入れてジョギングへ出かける。本当はジョギングお休みの日なのだが、月曜走れなかった分を走ったのである。
マヤコフスキー周回コースを今日は7周してみた。詩人の名前が付いていないリテイニー通りは人通りが多く、人を避けるために減速せざるを得ない。今回は周回する毎に速度を上げたり下げたりしてみたが、いずれの場合もリテイニー通りでのロスを考えて、マヤコフスキー通りやネクラソーフ通りでは速めに走った。今日の記録は以下の通り(左から周回、LAP、SPLIT)。
1 6分07秒59
2 6分31秒41 12分39秒00
3 6分01秒30 18分40秒30
4 7分09秒71 25分50秒01
5 5分51秒59 31分41秒60
6 7分35秒99 39分17秒59
7 5分44秒21 45分01秒80
5周目と7周目、5分台で走ったが、それ以上の速度を維持しようとするとまた足を痛めそうなので、そのあたりをよく考えて走ろうと思う。
なお、先日つくばマラソンのS石TAから「腹筋もちゃんとやるように」とのお言葉を頂戴したため、今日もシャワーの後腹筋を30回。まだまだ甘いと言われそうだが、明日は筋肉痛になりそうである。