国語屋稼業の戯言

国語の記事、多数あり。国語屋を営むこと三〇余年。趣味記事(手品)多し。

マジシャンにチップを払った話

2024-01-30 15:43:22 | その他・雑文

●マジックバーでチップを払ったことはない。

 なんだろう、見るのが当たり前の空間だからか。

 払う方が良いんですかね、マジックバーでチップ。

 まあ、マジックバーに行った経験は少ないんですが。

 ( ゚д゚)ハッ!

 あれか、「一杯、どうぞ」ってドリンクを飲んでもらうのがチップの代わりなのか。

 それなら都々さんに二度ほど、したことがあるなあ。

 

 

●赤坂にあった忍者レストランで外国人のマジシャンに500円のチップを渡したことがあった。

 たしか、他の店員を呼んで、さっきのマジシャンに渡してほしいと言ったはずである。

 レッドホットママ(シカゴオープナーだったやもしれん)をハートのQでやったこと、チョップカップ(ワンカップだったやもしれん)で最後にショットグラスを出したことぐらいしか覚えていない。

 たった、500円だったが、チップを支払う観客はいないらしく、その後、支配人が来て、VIPカードをくれた。

 そこで働いていた人間によると、VIPカードを持っている人は少ないらしい。「え。すごぉい」と言われたものだ。

 そのレストランに連れていってくれた友人は何度も通っていたが、VIPカードをもらえなかったそうだし。

 実際にどれくらい貴重なものかはわからないが、まぁ、VIP待遇を受けたことのない身としては貴重な経験だった。

●私が払った理由は「雰囲気」である。マジシャンが無理に作った「雰囲気」ではなく、レストランの「雰囲気」である。

 「品格」と言ってもいい。「品格」のあるレストランで「品格」相応のマジシャンが出てきた。

  後はお店の品格に相応のふるまいをしただけである。マジックを愛する者としての行動が皆無であるとは言えないが、ハビトゥスとでも言おうか、私はそうふるまいたかったのである。

 

●新宿の路上でこんなことがあった。

 マジックというよりジャグリングが中心の方だったが、ターベルコースに載っていたシルクマジックを演じていたり、伸びるスプーンをなさったりしていた。

●見ていて楽しかった。この方はエンターティナーだと感じた。しかも、マジックを嗜むものである私には学ぶところあった。伸びるスプーンは今でもこの方の演出(オリジナルな見せ方であるとは言えないが)で行っている。

●私が払ったのは1000円。私が1000円入れた時、「みなさぁん、これが何だか知っていますかぁ、お札って言います」と大声を出し、笑いを取っていらっしゃった。エンターティナーやなあ。

●出した理由は楽しめた、学べた、などがあるが、何より「健気さ」をその方から感じたからだった。

 新宿の歩行者天国で笑いを取ること、歓声を出させること、そして、他人を前に怯まないこと。

 精一杯を出し切ったがゆえの笑顔も良かった。

 これがチップをもらうためだけの演技だったら、萎えたであろう。

 ぃゃ、チップのためだけだったかもしれない。しかし、それを感じさせないエンターティナーだったのだ、彼は。

 「健気さ」。

 これにはチップを渡す価値がある。

 私に一番欠けているものだからだ。

 

 

●つまり、私は場の「品格」「雰囲気」とマジシャンの「健気さ」にチップを払うのだ。

●恐らくは、店の「品格」を感じなければチップは出さないだろうし、「健気さ」を感じないマジシャンにチップを渡すことはないのだろう。

 私はケチなのだ。

 

 

 

 

 

 

●それにしても、初めて来店した客に、しかも、たった500円のチップを出しただけの客にVIPカードを渡したのは、なぜだったんだろう。

 当時、ポニーテールにしているデブだったから、何かの業界人と間違えられたのかしら。

 

※なお、チップではなく尊敬しているあまりに目の前でパフォーマンスをしてくださったら、お布施を渡したくなるマジシャンが数人います。

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