国語屋稼業の戯言

国語の記事、多数あり。国語屋を営むこと三〇余年。趣味記事(手品)多し。

小論文の発想(2)

2006-02-13 10:18:41 | 国語
さて、知識はあるんだと信じることにしよう。なお、知識について極私的脳戸様でも参考になることが述べられているので、参考にしてくだされ。
あ。トラックバックありがとうございます。>極私的脳戸さま
ちょっとした目標があって、今回の駄文を書いているだけなので、過度な期待はされない方が良いかと…。


で、だ。

発想は、まず、【同類】を探すというのがポイントであろう。
主なパターンとしては以下の三つがあるかな。


●具体例
時事ネタの活用なんぞはここに入る。おいらの定義では「論理上、証拠となる具体的事物」って感じになる。「例えば」という接続詞と仲がいい。具体と抽象の差こそあれ、「例えば」の前後の内容は、ほぼイコールである。このあたりは比喩との差異を後ほど見ていただきたい。

(例)少子化対策=男女共同参画社会の推進というのは社会では定説と言ってよいだろう。例えば××大臣はこう述べた。~~~


●比喩
未知のことを推測するときとわかりやすく説明したいときに発揮できるのが、比喩である。

インターネットは社会の神経細胞である。
国家を人間でたとえると、政治家とは、頭脳にあたる。


おいらの定義では「現実に等しくないが、共通点があるので使える感覚的な表現」ってとこだ。「彼女はバラだ」といっても、現実に彼女はバラじゃない。けど、「美しい」やら「トゲがある」やら「温室育ち」やら「陳腐で俗っぽい」などの共通点があるから用いられるのさ。なお、感覚的ってのは「彼女がひまわり」でなくて「彼女がバラ」っちゅーのは証明できんからね。感覚で決めるっきゃないわけよ。わかりやすいが、正しいとは言えないことがある。政治家が頭脳って証明できないからね。諸刃の剣ってやつだ。

●構造
構造てのは「仕組み」のこと。そこに共通点があるときに用いるといい。
昨日の部分から例をあげることにしよう。

(例)
例えば、おいらが会計学の入門書を読んでいると、公認会計士の保証ですら、100%ではないと書いてあった。会計士がやるのは100%に近づけることだけだ。100%に近づけるためには組み合わせることなんだ。道路でも事故にあう確率を0%にできない。でも、0%に近づけるために、道交法や信号やブレーキなどを組み合わせるのと同じだと。

こういう知識って、応用がきく。
つか、きかせた。次の日に演劇系の学部を受ける生徒にとうとうと語ったものである。

「演出って100%、意図を伝えることはできないわけよ。だから、組み合わせるのね。例えば、音響、証明、演技とかをさ。そして、100%に近づけるわけよ」


ここでは「100%は無理だが、組み合わせで高める」という共通点を活かしているわけ。比喩とは違って、妥当でしょ。

ここでの共通点って、「法則」と言い換えると分かりやすいかな。引力の法則ってりんごだろうが、月だろうが応用がきくよね。それと同じで応用がかなりきく方法だ。

大学で学ぶことって、法則や構造に関係したことが多い。したがって、小論文で構造を活かせることをアピれるって悪いことじゃない。

インフォームドコンセントや裁判員制度の共通点から父権主義から個人重視の考え方へ変化していることに気づける生徒ってただものではないなと大学も考えると思えるでしょ。



うー、出勤時間がきた。
明日は【対比】を活かすって話をします。



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 小論文の発想(1) | トップ | 小論文の発想(3) »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

国語」カテゴリの最新記事