ゆらぎつつゆく

添島揺之歌集。ツイッター感覚で毎日つぶやきます。色調主義とコラボ。

わが髭の

2018-07-27 03:24:53 | 資料

わが髭の
下向く癖がいきどほろし
このごろ憎き男に似たれば


今日は啄木である。

憎き男というのはおそらく父親であろう。
父と息子というものは確執が欠かせないものだ。
男同士の親子というものは常に痛い。
しかし遺伝子というものには逆らえないものがある。
それは父も子も、永遠の愛の中で育てられているふたつのものだというあかしなのかもしれない。

定型をはみ出す調子が、作者の感情を感じさせる。



ちちのみの父のゐませば家のすみに藁を打ちつつうたふ声聞く    揺之





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