ゆらぎつつゆく

添島揺之歌集。ツイッター感覚で毎日つぶやきます。色調主義とコラボ。

海人の刈る藻に住む虫のわれからと音をこそ泣かめ世をば恨みじ

2018-01-28 03:05:49 | 古今抜粋

海人の刈る藻に住む虫のわれからと音をこそ泣かめ世をば恨みじ    藤原直子


序詞の秀逸な例であるが、技術よりも作者の切なさを強く感じる。

恋がかなわぬのは自分のせいなのだ。世間のせいなのではない。

恋してはならぬ人を恋する自分が悪いのだ。

「われから(割殻)」というのは海藻に住む下等なエビ類なのだそうだが、そのようにとるにたらないようなものとも、自分が思えるのだろう。


刈菰の乱れ散りなむこひ衣われからたたむたへがたくとも    揺之






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