ゆらぎつつゆく

添島揺之歌集。ツイッター感覚で毎日つぶやきます。色調主義とコラボ。

梅の鉢

2018-05-10 03:58:11 | 資料

今日は啄木である。


ひと晩に咲かせてみむと
梅の鉢を火に焙りしが、
咲かざりしかな。

      石川啄木


何をしてもうまくいかない逆風の人生の中で、人は時にこういう抵抗をすることがある。

そしていかにも簡単に敗れるのである。

ずるや馬鹿ができる人間ばかりが栄える世の中では、彼のような人はそうなるしかない。

梅の花は枯れなかったろうか。


くれなゐの色はなけれど梅の香のかすかに見ゆる厳冬の梅    揺之





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