こども芸術大学ブログ

こども芸術大学の活動の様子をお伝えします

登山の絵から見えてくる子どもの成長

2010-11-30 19:04:23 | 活動報告
今日は先週末の登山を思い返して、大きな紙にみんなで
絵を描きました。

比叡山に登った年長児と、大文字に登った年中少の親子の
2グループに分かれて描きました。

年中少の親子の絵は、とても楽しげなカラフルな絵に
なりました。



美しい紅葉の風景や、みんなで楽しく語らいあい
ながら登った道での出来事、頑張りながらも仲間と
楽しく体験した山の物語が色とりどりに親子で描かれ
ていました。


(部分)


(全体図)


一方、年長児たちが描いているのをそばで聞いていると・・・

「上の方は茶色い木ばっかりやったなあ」(頂上付近は確かに杉林で不思議な森の雰囲気でした)

「橋があったし滝もあった」 「大きな木も倒れていたよね」等々・・・


(全体図)

人はかなり小さく描かれているのは、どうやら山のスケールの多きさを感じてのことのようです。

また、頂上付近にはわずかに紅葉した木々が描かれているのもその通りでした。

すると、仲間たちで一緒に「ここはこうだったよ」「このときはねえ・・・」といって
相談しながら共同で描き始める姿も見られました。
そして描いた巨大な絵の上を歩きながら登山ごっこをし始め、仲間と登山を再体験しているのです!



午後に、お母さんたちと集まって、2つの絵を見ながら、大文字と比叡山の登山の
感想をお互いに聞きあう時間をもちました。

そこで、年長児の比叡山登山の絵を見た感想から、子どもたちは楽しかったというだけでなく、
本当にハードで、たいへんな思いもしながら、自然のもつスケールの大きな存在感を感じたり、
一生懸命頑張って登ったという強い実感をもったからこそ、そうした登山の体験の中にある
厳しさも絵にも表れてきているのではないか、という話しになりました。

そして、たっぷりと楽しい体験をすることも大切だし、一方で成長にあわせて時には厳しさとも向き合う
体験も大切になってくること。そしてそれを少しずつ乗り越えていくのが年長児ならではの育ちであることを
みんなで話しました。

子どもたちの巨大な2つの絵を見ながら、子どもの成長の姿を考えさせられました。

(笠原広一)














山形へ

2010-11-27 13:25:16 | 活動報告
皆さんご存知ですか?
「こども芸術大学」、実は全国に2校あるのです。

1校は「京都」、そしてもう1校は「山形」。
同じ理念の基に、2つの「こども芸術大学」が生まれました。


開学以来、お互いに在学生と職員が行き来を行い、交流を深め学びあっています。


先週の16日~18日にかけて、東北芸術工科大学こども芸術大学を訪問してきました。

今回の参加者は5組の親子。




京都から山形への道のりは遠く、「バス」→「バス」→「飛行機」→「電車」→「バス」→「タクシー」と乗り換え乗り換え・・・、




ついに到着しました!



着いてしばらくすると、「こんにちはー!」「こんにちはー!」という声が聞こえ、山形の子どもたちが出迎えてくれました。


滞在中、山形の子どもたち・お母さんたちと一緒に沢山遊び、沢山話し、親睦を深めました。




大人も一緒に入って本気の綱引き。




京都母「手作り風呂敷」を使って「風呂敷レース」。






もっちりおいしい「ゆべし」作り。




山形母主催の「どんぐりコンサート」
(ハンドベルやお琴、お父さんの弾き語りなど)




昼食はお母さんたちが山形名物「芋煮」や2010年10月にデビューした新種米「つや姫」を使った「おにぎり」を振舞ってくれました。


ここには書き切れない程、楽しく温かいおもてなしを受けました。



「山形」と「京都」、違うからこそ、お互いに見えてくるものがある。
その見えてきたものを大切にして、お互い成長していきたい。

そんな関係でありたい。


山形のこども芸術大学の皆さん、温かいおもてなしの心、本当にありがとうございました。
これからも宜しくお願いします。(成澤)

比叡山と大文字山に登りました!

2010-11-26 19:25:55 | 行事
秋も深まるなか、今日は気持ちのよい晴天。

年長児親子は比叡山登山に。年中少児親子は大文字山に上りました。

今年一年、鴨川への親子散歩や、法の山登山、瓜生山登山など、
季節のよい時期に京都の自然に親しむために、散歩や登山を何度も
行ってきました。

そして今日は、今年の登山の締めくくり。比叡山と大文字山に登りました。

まずは比叡山から。

年長児親子が修学院離宮のそばの赤山禅院前から比叡山に挑戦。




途中では落ち葉が沢山しきつめられた土手や崖に登って遊ぶ姿も見られました。



どんどん森が深くなり、山も険しくなります。



紅葉の森から、杉林の森へ、標高が高くなるにつれて雰囲気も変わっていきます。



後半はだいぶお腹もすいて、「もうお腹がすいて歩けない~」という声も出てきます。

もう少しだよと言われても、年長児にとってもかなり限界です。

そのときです。山の反対側から降りてくる保育園児たちと出会いました。

「いやあ、すごいなあ、すでに登って降りてくる子たちがいるんだ!」と思い、声をかけてみました。

すると、実は彼らはケーブルカーで登り、下り道だけを歩くのだということでした。どうりで元気なわけです。

そこで保育園の先生が「きみたちは上りも下りも歩くの? すごいわね!」と一言。

するとうちの年長児たちは、「はい!」と元気な返事!

(直前までもう動けないなんて言ってたのに!:笑)

そんな一言で息を吹き返し、急に元気を取り戻して走って山道を駆け上がっていったのです。

しかし、さすがに東山で一番の標高を誇る比叡山です。
登りきるなり、安心したのと疲れたのと達成感でこのとおり。お疲れ様!



昼食を食べてかくれんぼをし、しばらく遊んで記念撮影をして下山しました。



年長児が毎年登る比叡山。この時期とても美しいこの山に卒業する学年で登るのは、
一つ大きな達成感を得ることや、協力すること、また親も一緒に子どもの頑張る姿を実感すること、
そして京都の美しい秋の野山を体で深く感じてほしいからです。

「こんな高いところまで自分たちの足で登ってきたんやなあ~!」ということに、
山頂から眼下に広がる絶景を見て、大きな自信を感じることができたのではないでしょうか。

(笠原広一)


さて、お次は年中・年少さんの大文字登りです。

こちらも紅葉が美しく、風が吹くとはらはらと舞っていました。

「雨みたい…!」
しばし言葉を失い、見とれていました。


またそこから進むと、川を見たある子が、あるものを発見。
「石が赤い! …なんで?」

「ん~…。そうだ!イノシシが戦った跡!」

「だって、これ!
 この羽根、血がついてる!
 イノシシと鳥が戦って、鳥が負けたんだ!」



「これは恐竜の頭の骨!」


言われてみると、目と、鼻と、口に見えてきます。
なるほど~。

そこに落ちているものから、
即興で物語を作ってしまう子どもの力。

その力を引き出す自然の力。


そうこうしている内に、大文字の火床の中心に到着。
京都市内を眺めながら、お弁当をいただきました。

お母さんの「特製 大文字弁当」
元気に登ってね、というお母さんの願いを感じました。


「年長さんは、今頃どこかなあ。」
「比叡山まで、みんなの声がきこえるかな?」

声を合わせて、
「お~~~~~い!」



普段は、まだそれぞれ個々に遊んでいる子どもたちが、
秋の空の中、ひとつになった声に
つながったように感じました。

その勢いで、下山するぞ
「えい、えい、おー!!」


みんな、
自分の足で歩ききった清々しさでいっぱいの、いい顔でした。

やっぱり、山はいいなあ…。 いい!


(杉野)















土粘土で遊ぼう!

2010-11-22 21:41:12 | 対話の時間
はじめに、少し。
今朝の瓜生山、紅葉のおすそ分けです。



昨晩から降り続いた雨で、
朝の瓜生山はしっとりとしていました。



さて、今日は土粘土で遊びました。

両手にいっぱいの粘土を、つかんでは千切りを繰り返す子。
思いっきり叩いて、ぺったんこにする子。
手だけでは足りなくて、足で楽しむ子。



大人も子どもも、
難しいことは置いておいて、
とにかく肌で感じて楽しもう!ということで、
思いっきり、遊びました。



印象的だったことをひとつ。

年少の頃からずっと、
手を汚すのが苦手だった年長の子が二人いました。

今日は、あるお母さんのちょっかい(!?)のお陰で、
二人とも自分の中の制限を外して
手を泥んこにして楽しんでいました。

そのお母さんは、
「皮膚は第二の脳って言うくらい、大切な場所。
 物事を頭であれこれと考えない小さい頃に、
 泥にたくさん触れさせてあげたい。
 今までしなかったことを、楽しんでしている二人の姿に
 成長を感じた。」
と話してくれました。

大人も悩んだら、頭を空っぽにして、
粘土をニギニギ…。



心と体を開放させてくれる粘土。
魅力的な素材です。

(杉野)


千容子先生にお茶会を開いていただきました。

2010-11-18 09:40:35 | 活動報告

11月9日(火) 

今日は、こども芸術大学顧問で茶道裏千家の千容子先生に、お茶会を開いて
いただきました。

こども芸術大学では、毎週火曜日に和室で子どもたちとお茶会をしています。
朝から庭や畑に咲く花をもってきてくれる親子がいたり、朝に森でみつけた
栗や木の実など、季節の旬を感じるものを花器や床の間にしつらえ、習字を
書き、季節のお菓子をつくって準備します。

そんな普段の積み重ねの先に、この年に一度の千容子先生とのお茶会があります。

今日は、白い玉牡丹と、禅の空を意味する「○」が書かれた掛け軸のしつらえで
始まりました。



まずは年長児が畳にあがりました。千容子先生から、緊張しなくてもよいのですよ、
といっていただき、子どもたちは紅葉の山を表したおいしいお菓子をいただき、
中村宗石先生がたててくれたお抹茶をいただきました。

とてもお抹茶がおいしかったようで、何度もおかわりをいただく子もおり、実際に
鉄瓶の前に座らせてもらって、お抹茶をたてさせていただく子もいました。



幾分緊張しながらも、しかし先生方と楽しくお話をさせていただきながら、
子どもたちもとても楽しんでいる様子でした。
みんな後で「とっても楽しかった!」とお母さんに言っていたようです。

後半は、お母さんたちが畳にあがらせていただきました。
お菓子とお抹茶をいただいた後、中村先生からお茶の話を伺いました。



そして千容子先生からは、茶道をとおして子どもたちに何を伝えていったらよいのか?
を伺いました。茶道は生活文化に根ざしたものであり、歴史や伝統が教えてくれるものが
あるということや、日本に暮らす私たちが、日本のお米を食べ、魚をいただき、
そうした風土に根ざした自然の恵みを大切にすることが大切と教えていただきました。



あるお母さんが、鉄瓶の下には何が入っているのですか、と質問しました。
するとこんなお話しが伺えました。

灰や炭がそこには入るのですが、それをどのくらいいれるのか、というのも実はとても
大切なことなのだそうです。それというのも、亭主は客に出すお茶が熱すぎてはいけないし、
ぬるすぎてもいけないので、ちょうどよい按配を考えておもてなしをするので、そこには
時間がかかわってくるといいます。

そして招かれた客もそうした亭主の心配りを大切にし、お互いがよい時間をつくっていける
ように、互いに気遣いあうのだそうです。それが時間を守ったりすることの大切さにつながる
ということだそうです。

確かに、私たちは子どもたちにも「時間を守ろう」とよく言うのですが、なぜ時間を守る
ことが大切なのかについてじっくりと考えたり話す時間は案外少ないように思います。
ですので、こうした機会に、生活文化に根ざした茶道をとおしてあらためて人と人の相互の
心の気遣いについて知るということもとても貴重なことだったと思います。

一つひとつの質問はとても小さなことなのですが、そこに返ってくるお話しがとても深く、
多くのことに気づかせていただいたお茶会でした。

お茶会が終わった後、ぜひ毎週のお茶会も、お母さんたちも一緒に準備をしながら、
ゆたかな生活文化をつくっていきたいという話しがでました。

今日学んだことを日々の暮らしのなかで生かしていきたいです。

(笠原広一)






どんどん出てくる お話が出てくる! -絵本づくり-

2010-11-16 19:13:24 | 活動報告
今日は絵本づくり。

年長児は2月の生活発表会で毎年行っている劇についての話し合いです。

そこで年中・年少児たちも物語を自分たちで作ってみようということで
絵本づくりを行いました。

折った画用紙に切り込みを入れたものを用意してスタート。



朝早く登校し、スタッフが準備しているのに興味を示し、先にひとつ
作品を作ってくれていた子がみんなに作品を紹介して説明してくれました。

まずはどんなお話しにしようか考えたり。



逆にどんどん描いていきながらお話ができていったり。



絵本の物語のつくりかたも人それぞれです。



とても面白い絵本が沢山できたので、最後に絵本を紹介する時間を
つくりました。



どんなお話しなのか、みんなとっても興味津々。

友だちがつくった絵本をお互いに楽しみ合いました。

(笠原広一)


手づくりみっせin京都 子どもたちの絵を展示しています!

2010-11-12 20:15:34 | 活動報告
子どもたちの絵が、11月12日(金)、13日(土)の二日間、

京都市勧業館みやこめっせ で開催されているイベント、

「手づくりめっせ in KYOTO」に出展されています。

http://www.tedukuri-messe.com/

手作りの手芸や工芸などのさまざまなものづくりの展示が一堂に
集まるイベントです。



今回展示しているのは、昨月に行われた運動会を描いた絵と、
年中児が普段の生活のなかで描いている絵のなかから選んだ
作品です。



どれも日々の自然な生活のなかで描かれたもので、子どもたちの
心のなかの世界が素直に描かれている作品です。

会期が短いですが、どうぞ足を運んでいただけたらと思います。

こども芸術大学 絵画作品展示
催事名:手づくりめっせ in KYOTO
開催日: 11月12日(金)・13日(土)
時間 : 10:00 ~ 17:00
場所 : 京都市勧業館みやこめっせ 1F

(笠原広一)

法の山登山

2010-11-05 19:38:54 | 活動報告
今日は法の山に登山に行ってきました

コースは松ヶ崎をスタートし、法の送り火の脇を通って宝ヶ池に抜ける道


小さい弟妹を背負ったお母さんもたくさんいましたが、みんなで荷物を持ち合って
協力して登りきりました

改めてお母さんたちの連携はすごいなあ・・・と関心

背中とお腹にリュックを背負って
まるでトトロの映画に出てくるようなトンネルを抜けていきます

途中どんぐりを拾ったり、きれいな石を集めたり

気持ちの良い天気だというのもあって、のんびり楽しみながら散策することができました


お昼ごはんを食べた後は
平安騎馬隊を見学させていただきました

始めはびっくりしていた子どもも
お馬さんのお鼻をなでさせてもらっているうちに
「触らせてくれてありがとう」なんて話しかけたりしてました

馬は人をやさしい気持ちにしてくれますね


次は年長さんは比叡山
年中さん、年少さんは大文字登山にチャレンジします

秋の山をたくさん楽しんでいきたいですね(山本一成)