神戸大には、ジェンダー平等推進部門(通称:ジェンダー平等推進センター)があり、学内でのダイバーシティ(多様性)を実現するための活動を行っている。しかし、まだ具体的な計画を立てることはできていないという。<佐藤ちひろ、笠本菜々美>
(写真:男女共同参画推進室 六甲台第2キャンパス)
▼記事「学内で通称名使用の動き 多様性が尊重される大学に(1)国際文化学研究科で通称名使用認められる 一人の学生の行動がきっかけ」=https://blog.goo.ne.jp/kobe_u_media/e/ef1fcea4ada9bfd8a1d6d199a15bc97c
▼記事「学内で通称名使用の動き 多様性が尊重される大学に(2)まずはマイノリティとの交流が必要」=https://blog.goo.ne.jp/kobe_u_media/e/523535970bdcd6c9965c44e6299a9713
他大学の対応は
ニュースネットが調べたところ、東北大歯学部、東京大、群馬大、茨城大、埼玉大、富山大、名古屋大、兵庫教育大、大阪大歯学部、京都大、九州大、早稲田大、明治大、駒澤大、東洋大などにはすでに通称名使用の規則が存在することが分かった。ガイドラインや申請書、申請方法などが大学サイトで公開されている大学も多い。
ダイバーシティ意識するもまだ具体的計画はなし
一方、神戸大はどのような取り組みをしているのか。保健学研究科准教授で、ジェンダー平等推進部門(通称:ジェンダー平等推進センター)の野田和恵部門長に取材をした。ジェンダー平等推進センターはもともと男女共同参画推進室という名称だったが、今年度から保健管理センター、キャンパスライフ支援センターとの統合を経てインクルーシブキャンパス&ヘルスケアセンター(IC&HC)のジェンダー平等推進部門として発足した。
男女共同参画推進室は、2007年に男女の不均衡を解消するために設けられた。野田部門長によると、2016年あたりから男女の不均衡だけでなく、ダイバーシティを考える流れが出てきたという。2018年には、「男女共同参画に加えて、ダイバーシティ(多様性)を推進し、ジェンダー、性的指向・性自認、エスニシティ、文化、宗教、言語、出自、年齢、学歴、心身の特徴などの属性や特性にかかわらず人間として尊重し、それぞれの個性や能力を発揮できる学習・教育・研究・就労環境を整備します(一部抜粋)」という学長によるダイバーシティ推進宣言(https://www.kobe-u.ac.jp/info/project/diversity/index.html)が行われた。しかし、野田部門長は「大学としてダイバーシティを意識してはいるが、何か具体的な計画を立てることはまだできていない」と話す。
男女間にもいまだに大きな差
今後の活動について野田部門長は、「インクルーシブキャンパス&ヘルスケアセンターになり、3部門が一つになったため、今までバラバラであるためにできなかったことを協力してやっていきたい」と話した。また、男女の不均衡という問題に関しては、神戸大の女性教員の割合が平均18%であることを挙げ、「目標の女性教員割合30%を達成することはなかなか厳しい。女性教員を増やすには、女性研究者数の増加に取り組むとともに、育児体制も整える必要がある」と課題を述べた。また、野田部門長の所属する保健学科は看護や出産にかかわる授業が多いため、女性教員の割合は50%と、学部により大きな差があるという。
今回の、通称名の使用に関しては、大学の内部と外部で名前が異なることに関して、「例えば教員免許など、国が定めている書類は特に難しい」と口にした。
(写真:取材に答える野田教授)
学生への教育が必要
野田部門長は最後に、「LGBTQI+だけでなく、様々なジェンダーを視野にいれて活動していきたい。介護や子育て、精神面に不安のある人など様々な人が働けたり、学べたり、役割を持てたりするコミュニティづくりを目指したい。また、ジェンダーについては正しく理解することが大切なので、研修や教育を学生にも広げていきたい」と展望を語った。現在は、ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(先端型)事業を、Los Angeles LGBT Centerの人にも評価してもらっているという。
神戸大も学生が気軽にジェンダーに関する情報を得たり、それを相談したりできる環境に近づきつつある。ジェンダーを含めた、様々な学生への具体的な対応を行うことが、大学のスタンダードになっていくのではないか。
▼記事「学内で通称名使用の動き 多様性が尊重される大学に(1)国際文化学研究科で通称名使用認められる 一人の学生の行動がきっかけ」=https://blog.goo.ne.jp/kobe_u_media/e/ef1fcea4ada9bfd8a1d6d199a15bc97c
▼記事「学内で通称名使用の動き 多様性が尊重される大学に(2)まずはマイノリティとの交流が必要」=https://blog.goo.ne.jp/kobe_u_media/e/523535970bdcd6c9965c44e6299a9713
了
(写真:男女共同参画推進室 六甲台第2キャンパス)
▼記事「学内で通称名使用の動き 多様性が尊重される大学に(1)国際文化学研究科で通称名使用認められる 一人の学生の行動がきっかけ」=https://blog.goo.ne.jp/kobe_u_media/e/ef1fcea4ada9bfd8a1d6d199a15bc97c
▼記事「学内で通称名使用の動き 多様性が尊重される大学に(2)まずはマイノリティとの交流が必要」=https://blog.goo.ne.jp/kobe_u_media/e/523535970bdcd6c9965c44e6299a9713
他大学の対応は
ニュースネットが調べたところ、東北大歯学部、東京大、群馬大、茨城大、埼玉大、富山大、名古屋大、兵庫教育大、大阪大歯学部、京都大、九州大、早稲田大、明治大、駒澤大、東洋大などにはすでに通称名使用の規則が存在することが分かった。ガイドラインや申請書、申請方法などが大学サイトで公開されている大学も多い。
ダイバーシティ意識するもまだ具体的計画はなし
一方、神戸大はどのような取り組みをしているのか。保健学研究科准教授で、ジェンダー平等推進部門(通称:ジェンダー平等推進センター)の野田和恵部門長に取材をした。ジェンダー平等推進センターはもともと男女共同参画推進室という名称だったが、今年度から保健管理センター、キャンパスライフ支援センターとの統合を経てインクルーシブキャンパス&ヘルスケアセンター(IC&HC)のジェンダー平等推進部門として発足した。
男女共同参画推進室は、2007年に男女の不均衡を解消するために設けられた。野田部門長によると、2016年あたりから男女の不均衡だけでなく、ダイバーシティを考える流れが出てきたという。2018年には、「男女共同参画に加えて、ダイバーシティ(多様性)を推進し、ジェンダー、性的指向・性自認、エスニシティ、文化、宗教、言語、出自、年齢、学歴、心身の特徴などの属性や特性にかかわらず人間として尊重し、それぞれの個性や能力を発揮できる学習・教育・研究・就労環境を整備します(一部抜粋)」という学長によるダイバーシティ推進宣言(https://www.kobe-u.ac.jp/info/project/diversity/index.html)が行われた。しかし、野田部門長は「大学としてダイバーシティを意識してはいるが、何か具体的な計画を立てることはまだできていない」と話す。
男女間にもいまだに大きな差
今後の活動について野田部門長は、「インクルーシブキャンパス&ヘルスケアセンターになり、3部門が一つになったため、今までバラバラであるためにできなかったことを協力してやっていきたい」と話した。また、男女の不均衡という問題に関しては、神戸大の女性教員の割合が平均18%であることを挙げ、「目標の女性教員割合30%を達成することはなかなか厳しい。女性教員を増やすには、女性研究者数の増加に取り組むとともに、育児体制も整える必要がある」と課題を述べた。また、野田部門長の所属する保健学科は看護や出産にかかわる授業が多いため、女性教員の割合は50%と、学部により大きな差があるという。
今回の、通称名の使用に関しては、大学の内部と外部で名前が異なることに関して、「例えば教員免許など、国が定めている書類は特に難しい」と口にした。
(写真:取材に答える野田教授)
学生への教育が必要
野田部門長は最後に、「LGBTQI+だけでなく、様々なジェンダーを視野にいれて活動していきたい。介護や子育て、精神面に不安のある人など様々な人が働けたり、学べたり、役割を持てたりするコミュニティづくりを目指したい。また、ジェンダーについては正しく理解することが大切なので、研修や教育を学生にも広げていきたい」と展望を語った。現在は、ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(先端型)事業を、Los Angeles LGBT Centerの人にも評価してもらっているという。
神戸大も学生が気軽にジェンダーに関する情報を得たり、それを相談したりできる環境に近づきつつある。ジェンダーを含めた、様々な学生への具体的な対応を行うことが、大学のスタンダードになっていくのではないか。
▼記事「学内で通称名使用の動き 多様性が尊重される大学に(1)国際文化学研究科で通称名使用認められる 一人の学生の行動がきっかけ」=https://blog.goo.ne.jp/kobe_u_media/e/ef1fcea4ada9bfd8a1d6d199a15bc97c
▼記事「学内で通称名使用の動き 多様性が尊重される大学に(2)まずはマイノリティとの交流が必要」=https://blog.goo.ne.jp/kobe_u_media/e/523535970bdcd6c9965c44e6299a9713
了
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