「浅間山明鏡止水」あさまやま めいきょうしすい

「源氏物語絵巻・末摘花」~写真と短歌で綴る世界文化紀行

「源氏物語絵巻・末摘花」~写真と短歌で綴る世界文化紀行
 
24年1月7日日曜日NHK大河ドラマ「光る君へ」が始まりました。そこで源氏物語や紫式部日記・紫式部集に興味を持ちました。それらには和歌(巻名歌等)が沢山ありますが、その和歌の返歌を口語短歌と絵巻でブログ掲載をと思いつきました。返歌は源氏物語の内容や進行に合わせてではなく、短歌に沿った言葉・単語や自然・地名からヒントをもらい詠もうと思っています。そして源氏物語は絵巻もあります。平安時代から現在まで数多くの絵師が時代の華やかな景色を描いていますので合わせてご紹介したいと思っています。


「末摘花」(すえつむはな)は、「光源氏」とかかわりのある女性の中で最も醜く、古くさくて無粋な女性として描かれている人物です。末摘花は紅花(ベニバナ)のことで、末摘花という紅花にちなむ名前で呼ばれるのは、その女性の鼻が長く、先端が赤くなっているからです。しかし、末摘花に対して人々が意地悪く揶揄する描写がある一方で、光源氏が情け深く彼女の面倒を見る様子も綴られており、単に批判されるべき人物として登場する訳ではありません。光源氏は末摘花の容姿に衝撃を受けますが、光源氏をいつまでもけなげに待ち続ける心の清らかさに好感を寄せ、末摘花を丁重に扱うようになります。

源氏物語巻名歌・5末摘花(すゑつむはな)
歌の背景
光源氏十八歳。末摘花の琴を忍び聞いた源氏は、頭中将と競って末摘花と逢います。しかし、雪の明るさに晒された末摘花の鼻に驚くことに、末摘花から贈られた文と装束の様に呆れ果てた源氏は、文の端に、手習いのつもりで歌を書き散らかすのです。
「なつかしき 色ともなしに 何にこの すゑつむ花を 袖に触れけむ」 光源氏
 色濃き花と 見しかども など 書きけがしたまふ



返歌
「鮮やかに 情熱的な 紅花は 無垢な心で 一途に想う」


末摘花は、皇族「常陸宮」の姫君でありながら、父の死によって後ろ盾を失い、ひっそりと質素に暮らしていました。18歳になった光源氏は、屋敷に仕えている「大輔命婦」(たいふのみょうぶ)から没落した姫である末摘花の話を聞いて興味を持ち、会いたくて仕方なくなります。興味を抑えきれなくなった光源氏は、ある夜、大輔命婦に連れられて末摘花の住まいまで足を運びました。近づいていくと、優美な琴の音が聞こえてくるのですが、音は突然止んでしまうのでした。もっと聞きたい、姿を見たいと思う光源氏でしたが、その日は帰ることになります。そののち、光源氏の末摘花への興味は徐々に失われていきますが、あるとき「頭中将」(とうのちゅうじょう)も末摘花を狙っているということが判明、すると光源氏の競争心があおられ、再び興味を持つのです。それぞれ末摘花に歌を送り、どちらが返事を貰えるかの勝負をしますが、いつまでたっても末摘花からは音沙汰がありません。光源氏は、何度か文を送るものの返事をしない末摘花の素っ気なさが気に障り、このままでは引き下がれないと大輔命婦に逢瀬の手引きを依頼し、顔も見ないまま、とうとう2人は結ばれます。ところが雪の積もった朝、光源氏は末摘花の姿を初めて目にしてその醜さに驚き、落胆するのでした。光源氏は、末摘花の容姿を見てしまったことを後悔しつつ、帰宅の途につきます。末摘花は、あまりものを言わず姿も見せず、しかも歌の才能がないので、歌を送られてきてもうまく返歌が書けずにいました。書けずにぐずぐずしているうちに返しそびれてしまい、結局返事をしないままとなってしまっていたのです。しかし、光源氏と一夜を共にしたあとに末摘花は歌を返します。

「からころも 君が心の つらければ  袂(たもと)はかくぞ  そぼちつつのみ」


返歌
「紅花の そぼつ恋路は わけありて 一人悲しみ たもと濡らさん」

参照
https://angel-zaidan.org/genji_kanmeika/kanmeika-01/
https://www.touken-world.jp/tips/100354/
https://www.ishiyamadera.or.jp/info/blog/5096
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