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「源氏物語絵巻・22真木柱」~写真と短歌で綴る世界文化紀行

2024-06-22 06:24:49 | 源氏物語絵巻・巻名歌返歌

「源氏物語絵巻・22真木柱」~写真と短歌で綴る世界文化紀行

 24年1月7日日曜日NHK大河ドラマ「光る君へ」が始まりました。そこで源氏物語や紫式部日記・紫式部集に興味を持ちました。それらには和歌(巻名歌等)が沢山ありますが、その和歌の返歌を口語短歌と絵巻でブログ掲載をと思いつきました。返歌は源氏物語の内容や進行に合わせてではなく、短歌に沿った言葉・単語や自然・地名からヒントをもらい詠もうと思っています。そして源氏物語は絵巻もあります。平安時代から現在まで数多くの絵師が時代の華やかな景色を描いていますので合わせてご紹介したいと思っています。

源氏物語巻名歌・22真木柱

歌の背景

光源氏三十七歳。玉鬘に夢中になるあまり妻や子供のことを顧みない髭黒の大将に対し、北の方の父上に当たる式部卿の宮は、髭黒の大将の北の方と子どもたちを屋敷へ迎える。髭黒の大将の姫君(真木柱)は、父君が来られることを待ち望み、悲しい気持ちを詠む。

「今はとて 宿かれぬとも 馴れ来つる 真木の柱は われを忘るな」 姫君(真木柱)

 「馴れきとは 思ひ出づとも 何により 立ちとまるべき 真木の柱ぞ」 (北方)

 返歌

「親しんだ 真木柱こそ ひび割れて 隙間に残す 悲しみの歌」

「北の方 思い出しても 口惜しく 涙を流し 別れ惜しむも」

晴天の霹靂の事態となった。玉鬘の女房が手引きして髭黒を玉鬘の寝所に招き入れてしまったのだ。真面目で堅物だと思っていた髭黒の突飛な行動に玉鬘はなすすべもなく、ふたりは結ばれてしまった。報せを聞いた源氏は当然面白くなく残念に思うが、済んだことは仕方ないと嫁入りの儀礼の指図をする。蛍兵部卿宮や冷泉帝も落胆しきりで、帝は「後宮と言わずとも、せめて気楽な女官としてでも出仕してくれないだろうか…」と未練たっぷりの様子である。
  却って、玉鬘の宮仕えで発生するかもしれなかった弘徽殿女御との寵愛争いを避けたいと考えていた内大臣は、この縁組に満足げであった。玉鬘と源氏の仲を勘繰る噂はこれで消し飛び、源氏は紫の上に「浮気をだいぶ疑ってたようだが」と冗談めかして話す一方、玉鬘に対しては添い寝だけで手を出さなかった安全な愚かな男だったことよと率直に伝えた。

参照

https://angel-zaidan.org/genji_kanmeika/kanmeika-01/

https://intojapanwaraku.com/rock/culture-rock/2493/#toc-24

https://www.shikibunosato.com/f/hakubyo29


「源氏物語絵巻・20行幸」~写真と短歌で綴る世界文化紀行

2024-06-02 07:06:50 | 源氏物語絵巻・巻名歌返歌

「源氏物語絵巻・20行幸」~写真と短歌で綴る世界文化紀行

 24年1月7日日曜日NHK大河ドラマ「光る君へ」が始まりました。そこで源氏物語や紫式部日記・紫式部集に興味を持ちました。それらには和歌(巻名歌等)が沢山ありますが、その和歌の返歌を口語短歌と絵巻でブログ掲載をと思いつきました。返歌は源氏物語の内容や進行に合わせてではなく、短歌に沿った言葉・単語や自然・地名からヒントをもらい詠もうと思っています。そして源氏物語は絵巻もあります。平安時代から現在まで数多くの絵師が時代の華やかな景色を描いていますので合わせてご紹介したいと思っています。

源氏物語巻名歌・20行幸

歌の背景

光源氏三十六歳。大原野への行幸で、冷泉帝の姿を目にして感銘する玉鬘に、源氏は宮仕えをすすめる。

「うちきらし 朝ぐもりせし 行幸には さやかに空の 光やは見し」 玉鬘

朝曇りした雪空でございましたから。空の光…帝のお姿を拝することなど、どうしてできましたでしょうか

「あかねさす 光は空に 曇らぬを などて行幸に 目をきらしけむ」 光源氏

日の光は曇りなく輝いていましたのに、どうして行幸の日に雪のために目を曇らせたのでしょう

返歌

「自らが 出仕の気持ち 見せるのは 出過ぎたことと 思われもする」

 

「源氏から 内大臣に ありのまま 打ち明けること 思いめぐらす」

源氏の殿は玉鬘に強くひかれながらも仮に妻としたときの周囲のわずらわしさを思わずにはいられません。 そこで源氏の殿は、玉鬘に尚侍(ないしのかみ)として宮仕えするようおすすめになり、十二月の冷泉帝の大原野行幸(おおはらのぎょうこう)のご見物に行かせます。 源氏の殿に瓜二つで見目麗しい帝に、玉鬘は心動かされますが、まだ答えは出しかねていました。「あの帝にお仕えできるのです。ご決心なさい」源氏の殿は玉鬘の入内(じゅだい)を実現するために、裳着(もぎ)の式(成人式)をご計画なさいます。腰結(こしゆ)いの役は、内大臣をおいてほかはなく、晴れて実の父子のご対面となりました。 近江の君は、玉鬘の宮仕えを羨ましがって、柏木の中将がたに不満を訴えます。「そんなに出仕したいのならどうして私に相談しなかったのだ」と、内大臣は近江の君をからかって面白がります。「自分の娘を笑いものにするなんて、ひどいお父さまですこと」と、また世間によくない噂が立ったそうです。

参照

https://angel-zaidan.org/genji_kanmeika/kanmeika-01/

https://intojapanwaraku.com/rock/culture-rock/2493/#toc-24

https://www.shikibunosato.com/f/hakubyo29


「源氏物語絵巻・19篝火」~写真と短歌で綴る世界文化紀行

2024-06-01 06:28:06 | 源氏物語絵巻・巻名歌返歌

「源氏物語絵巻・19篝火」~写真と短歌で綴る世界文化紀行

24年1月7日日曜日NHK大河ドラマ「光る君へ」が始まりました。そこで源氏物語や紫式部日記・紫式部集に興味を持ちました。それらには和歌(巻名歌等)が沢山ありますが、その和歌の返歌を口語短歌と絵巻でブログ掲載をと思いつきました。返歌は源氏物語の内容や進行に合わせてではなく、短歌に沿った言葉・単語や自然・地名からヒントをもらい詠もうと思っています。そして源氏物語は絵巻もあります。平安時代から現在まで数多くの絵師が時代の華やかな景色を描いていますので合わせてご紹介したいと思っています。

源氏物語巻名歌・19篝火

歌の背景

光源氏三十六歳。源氏と玉鬘は、琴を枕に臥して、互いに歌をとりかわす。源氏が引き上げるとき、消えかかっている篝火を明るくさせる。

 「篝火に たちそふ恋の 煙こそ 世には絶えせぬ 炎なりけれ」 光源氏

この篝火とともに立ちのぼる恋の煙こそは、いくつになっても燃え尽きることのない私の恋の炎だったのです

「行方なき 空に消ちてよ 篝火の たよりにたぐふ 煙とならば」 玉鬘

果てしない空に消して下さいませ、篝火とともに立ち上る煙とおっしゃるならば

返歌

「篝火の 煙になぞう 恋情を 断ちがたい気持ち そこはかとなく」 

「玉鬘 恋の歌こそ 複雑で 見事にかわす 返歌の作法」

内大臣の今姫君(いまひめぎみ)・近江の君のうわさが、世間におもしろおかしく広がっています。「ご落胤(らくいん)だなどと、ものものしく取り立てておきながら、気に入らぬとなれば、世間の笑い物にしておくとは。内大臣も情に欠けることよ」源氏の殿は近江の君に同情していました。(父上に引き取られていたら、私もどうなっていたことでしょう)玉鬘は源氏の殿の庇護をありがたいものに思い、次第にお心をお許しになっていきました。 秋の夕まぐれ、琴を枕に、源氏の殿は玉鬘と添寝をなさいますが、それ以上のことはなさらず、ただ篝火の煙になぞらえて断ちがたい恋情を訴えるのでした。玉鬘は、顔をそむけて、「そんな煙のような恋ならば、空にあとかたもなく消し去ってくださいませ」と、消え入るような声で答えるのが精一杯でした。

参照

https://angel-zaidan.org/genji_kanmeika/kanmeika-01/

https://note.com/chousou_ann/n/n9141b03c805b

https://www.shikibunosato.com/f/hakubyo27


「源氏物語絵巻・18常夏」~写真と短歌で綴る世界文化紀行

2024-05-19 08:41:59 | 源氏物語絵巻・巻名歌返歌

「源氏物語絵巻・18常夏」~写真と短歌で綴る世界文化紀行

 24年1月7日日曜日NHK大河ドラマ「光る君へ」が始まりました。そこで源氏物語や紫式部日記・紫式部集に興味を持ちました。それらには和歌(巻名歌等)が沢山ありますが、その和歌の返歌を口語短歌と絵巻でブログ掲載をと思いつきました。返歌は源氏物語の内容や進行に合わせてではなく、短歌に沿った言葉・単語や自然・地名からヒントをもらい詠もうと思っています。そして源氏物語は絵巻もあります。平安時代から現在まで数多くの絵師が時代の華やかな景色を描いていますので合わせてご紹介したいと思っています。

源氏物語巻名歌・18常夏

歌の背景

光源氏三十六歳。夕顔の面影がある玉鬘への思いがつのる源氏は、玉鬘の父である内大臣に、夕顔の遺児である玉鬘を対面させることを検討する。

「撫子の とこなつかしき 色を見ば もとの垣根を 人や尋ねむ」光源氏

 「山賤(やまがつ)の 垣ほに生ひし 撫子の もとの根ざしを 誰れか尋ねむ」玉鬘

 返歌

「撫子に 光源氏の 誠実は 隠しきれない 妄想が出て」

「謙遜は 若々しくて 優しくも ひとしお募る 苦しい思い」

(どうしてこうもあらずもがなな恋をしてしまったのか)
源氏の殿の玉鬘への想いは、未だお定まりになりません。
(六条院に住まわせたまま、婿を通わせて大事に世話をし、人知れず忍び逢い、この気持ちをなぐさめようか)
と、親らしからぬこともお考えです。
一方、内大臣も、ご落胤として名乗り出た近江の君に、困り果てていました。 お父さまに似て、きよらかな面立ちでいらっしゃるのですが、野育ちで、和歌や礼儀作法のおたしなみもございません。 弘徽殿女御(こきでんのにょうご)に行儀見習いを仰せつかると、近江の君は有頂天になって、文に歌を書きつらねて贈りますが、その文は、主文は凝りすぎ、用件は具体的すぎで全体にくどくどとしていて、また歌は支離滅裂といった具合です。 女御さまの困惑や、侍女たちの失笑もよそに、天真爛漫な近江の君は思い切りおめかしもして、お会いできる日を楽しみにお待ち申し上げます。

参照

https://angel-zaidan.org/genji_kanmeika/kanmeika-01/

https://intojapanwaraku.com/rock/culture-rock/2493/#toc-24


「源氏物語絵巻・17蛍」~写真と短歌で綴る世界文化紀行

2024-05-18 06:37:03 | 源氏物語絵巻・巻名歌返歌

「源氏物語絵巻・17蛍」~写真と短歌で綴る世界文化紀行

24年1月7日日曜日NHK大河ドラマ「光る君へ」が始まりました。そこで源氏物語や紫式部日記・紫式部集に興味を持ちました。それらには和歌(巻名歌等)が沢山ありますが、その和歌の返歌を口語短歌と絵巻でブログ掲載をと思いつきました。返歌は源氏物語の内容や進行に合わせてではなく、短歌に沿った言葉・単語や自然・地名からヒントをもらい詠もうと思っています。そして源氏物語は絵巻もあります。平安時代から現在まで数多くの絵師が時代の華やかな景色を描いていますので合わせてご紹介したいと思っています。

源氏物語巻名歌・17蛍

歌の背景

光源氏三十六歳。光源氏の態度に思い乱れている玉鬘には、前から文を通わせてきている方が何人かいる。その一人の兵部卿宮が尋ねてきた時に、源氏は部屋に蛍を放ち、そのわずかな光のもと、玉鬘の気配を感じる兵部卿宮は思いを詠む。

「鳴く声も 聞こえぬ虫の 思ひだに 人の消つには 消ゆるものかは」 兵部卿宮

「声はせで 身をのみ焦がす 蛍こそ 言ふよりまさる 思ひなるらめ」 玉鬘

返歌

「闇の中 浮かび上がる 玉鬘 美しさこそ 虜になるも」

 

「玉鬘 切り返す気持ち 冷たくて 心中の思い はるか切実」

源氏の殿の求愛から逃れたくて仕方ない玉鬘ですが、螢宮(ほたるのみや)のことは、憎からずお思いのようです。 源氏の殿は、玉鬘にことわりもなく、螢宮への返書を侍女に代筆させ、五月雨の夜にお招き寄せになると、玉鬘のお部屋に螢を一斉に放ちました。 螢の光のなかに浮かび上がった玉鬘の美しさに、宮はすっかり心奪われてしまいます。 玉鬘は養父である源氏の殿の自分への執心に苦しむばかりですが、このごろ夢中になっている絵物語にも、ご自分のような境遇の姫君は出てこないようです。「物語に夢中とは。女君はよほどだまされるのがお好きらしい」源氏の殿はお笑いになりながらも、こうおっしゃいます。「歴史書は人間の一面を記録するに過ぎないが、物語にこそ、人間の真実が描かれているものだ。善も悪も、その過ちも愚かさも含め、作りものとばかりもいえないのです」その頃、内大臣は、玉鬘がそうとは知らず、夕顔の忘れがたみの撫子の姫君をお探させになっていました。

参照

https://angel-zaidan.org/genji_kanmeika/kanmeika-01/

https://note.com/chousou_ann/n/n9141b03c805b


「源氏物語絵巻・16胡蝶」~写真と短歌で綴る世界文化紀行

2024-05-05 07:04:11 | 源氏物語絵巻・巻名歌返歌

「源氏物語絵巻・16胡蝶」~写真と短歌で綴る世界文化紀行

24年1月7日日曜日NHK大河ドラマ「光る君へ」が始まりました。そこで源氏物語や紫式部日記・紫式部集に興味を持ちました。それらには和歌(巻名歌等)が沢山ありますが、その和歌の返歌を口語短歌と絵巻でブログ掲載をと思いつきました。返歌は源氏物語の内容や進行に合わせてではなく、短歌に沿った言葉・単語や自然・地名からヒントをもらい詠もうと思っています。そして源氏物語は絵巻もあります。平安時代から現在まで数多くの絵師が時代の華やかな景色を描いていますので合わせてご紹介したいと思っています。

源氏物語巻名歌・16胡蝶(こてふ)

歌の背景

光源氏三十六歳。光源氏の一番大事にしている紫の上と、光源氏の力添えによって、帝の信頼厚い女性となった秋好中宮が住まう六条院で、それぞれの好みを背景に春と秋の優劣を競い合う。

「花園の 胡蝶をさへや 下草に 秋待つ虫は うとく見るらむ」 紫の上

 昨日は音に泣きぬべくこそは 

「胡蝶にも 誘はれなまし 心ありて 八重山吹を 隔てざりせば」 秋好中宮

返歌

「秋好む 中宮様も 花園に 山吹の籬(まがき) 胡蝶舞出る」

「鶯の 声うららかに 華やかで 胡蝶に届け 春らんまんも」

三月も末、六条院は爛漫たる春を迎えて、源氏の殿は龍頭鷁首(りょうとうげきしゅ)の船を池に浮かべ、管弦の遊びを催されます。その翌日は、お里帰りした秋好中宮(あきこのむちゅうぐう)の季(き)の御読経(みどきょう)。 紫の上は、鳥・蝶の装束に着飾った女童(めわらべ)を使わします。 鳥には白銀(しろかね)の瓶(かめ)に桜の生け花を、蝶には黄金(こがね)の瓶に山吹の生け花を持たせて。「秋を好むあなた様にはこの花園の胡蝶もお気に召さぬものとご覧になっているのでしょうか」「胡蝶に誘われるままに、お訪ねしたい気持ちでした」
螢宮(ほたるのみや)(源氏の弟)、髭黒大将(ひげくろのたいしょう)、柏木(内大臣の嫡男)など、玉鬘へ思いをよせる君達が、六条院に大勢参り集います。 源氏の殿は親風を吹かして、玉鬘宛の恋文にすべてお目を通しつつ、ご返書の指示をお与えになるかと思えば、「それにしても、あの夕顔と別人とは思われぬ」と、お手をとり、慕情を訴えます。玉鬘はどうしたらいいかわからず、苦悩するばかりです。

参照

https://angel-zaidan.org/genji_kanmeika/kanmeika-01/

https://intojapanwaraku.com/rock/culture-rock/2493/#toc-24


「源氏物語絵巻・15初音」~写真と短歌で綴る世界文化紀行

2024-05-04 06:33:23 | 源氏物語絵巻・巻名歌返歌

「源氏物語絵巻・15初音」~写真と短歌で綴る世界文化紀行

24年1月7日日曜日NHK大河ドラマ「光る君へ」が始まりました。そこで源氏物語や紫式部日記・紫式部集に興味を持ちました。それらには和歌(巻名歌等)が沢山ありますが、その和歌の返歌を口語短歌と絵巻でブログ掲載をと思いつきました。返歌は源氏物語の内容や進行に合わせてではなく、短歌に沿った言葉・単語や自然・地名からヒントをもらい詠もうと思っています。そして源氏物語は絵巻もあります。平安時代から現在まで数多くの絵師が時代の華やかな景色を描いていますので合わせてご紹介したいと思っています。

 

源氏物語巻名歌・15初音(はつね)

歌の背景

光源氏三十六歳。明石の御方は、なかなか対面もできないわが子である姫君へ歌を贈る。

 

「年月を 松にひかれて 経る人に 今日鴬の 初音聞かせよ」 

音せぬ里の

「ひき別れ 年は経れども 鶯の 巣立ちし松の 根を忘れめや」

 

返歌

「母君の 五葉の松の 作り物 お便り届き 華やぐ御殿」

 

「嬉しさに 思い乱れる 明石の君 美しさこそ 黒髪映えて」

 

新年を迎えて、六条院の春の御殿は、この上もなく華やぎます。 おんとし八歳を迎えた明石の姫さまに、実母の明石の君から、鶯をとまらせた美しい五葉の松の作り物と、お便りが届きました。 (実母であるにもかかわらず、長い間、姫と離ればなれにしてきたとは。罪作りなことをしたものよ) 源氏の殿は姫さまに、ご自分でお返事をしたためさせます。 「ひきわかれ 年は経れども うぐひすの 巣だちし松の ねをわすれめや」(おわかれして、ずいぶんたちますが、うぐいすも巣立った松をどうして忘れることができるでしょうか)
姫君の返歌に嬉しさのあまり思い乱れる明石の君の、その白い小袿(こうちぎ)に、あでやかな黒髪の映えてお美しいこと。夕方、冬の御殿に渡られた源氏の殿は、そのまま明石の君のところにお泊まりになってしまします。 夜の目も寝ずにお待ちし続けた紫の上の心中はやはりおもしろくなく、源氏の殿に返事もなく、無言のまま非難をされます。正月二日は、新年会の饗応にかこつけて、紫の上とお顔を合わせないようにお過ごしになりました。

参照

https://note.com/chousou_ann/n/n9141b03c805b

 

https://note.com/chousou_ann/n/n9141b03c805b


「源氏物語絵巻・14玉鬘(たまかづら)」~写真と短歌で綴る世界文化紀行

2024-04-21 06:33:32 | 源氏物語絵巻・巻名歌返歌
「源氏物語絵巻・14玉鬘(たまかづら)」~写真と短歌で綴る世界文化紀行
 
24年1月7日日曜日NHK大河ドラマ「光る君へ」が始まりました。そこで源氏物語や紫式部日記・紫式部集に興味を持ちました。それらには和歌(巻名歌等)が沢山ありますが、その和歌の返歌を口語短歌と絵巻でブログ掲載をと思いつきました。返歌は源氏物語の内容や進行に合わせてではなく、短歌に沿った言葉・単語や自然・地名からヒントをもらい詠もうと思っています。そして源氏物語は絵巻もあります。平安時代から現在まで数多くの絵師が時代の華やかな景色を描いていますので合わせてご紹介したいと思っています。



源氏物語巻名歌・14玉鬘(たまかづら)
歌の背景
光源氏三十五歳。夕顔の遺児玉鬘は乳母と筑紫へ下っていたが、後に玉鬘と乳母達は上洛し、初瀬に参詣していたところ、右近に再会。それがきっかけで源氏に引き取られる。

「恋ひわたる 身はそれなれど 玉かづら いかなる筋を 尋ね来つらむ」 光源氏



返歌
「夕顔の 忘れがたみ 玉かづら 深いえにしに 思いを馳せる」



今は亡き、若き日の源氏の恋人、夕顔の忘れ形見玉鬘は、かねてより行方を捜していた 源氏に引き取られ、六条院へ養女として移り住む事となる。たちまち玉鬘は若い公達の間で評判となり、ことに、風流な螢兵部卿宮と、無粋な鬚黒の右大将が熱心に求婚する。源氏もその美しさに惹かれていたので嬉しさ半分、寂しさ半分であったが、玉鬘の幸せを願う事に変りなく、冷泉帝の尚侍として出仕させようとした矢先、右大将に強引に奪われてしまう。病気の妻と別れ、三人の内二人の子供を手元に置く右大将のその事情を知った玉鬘は、不器用だが誠実で優しい右大将をこの時初めて理解することができた。

参照
https://angel-zaidan.org/genji_kanmeika/kanmeika-01/
https://intojapanwaraku.com/rock/culture-rock/2493/#toc-24

「源氏物語絵巻・13乙女」~写真と短歌で綴る世界文化紀行

2024-04-20 07:13:25 | 源氏物語絵巻・巻名歌返歌
「源氏物語絵巻・13乙女」~写真と短歌で綴る世界文化紀行
 
24年1月7日日曜日NHK大河ドラマ「光る君へ」が始まりました。そこで源氏物語や紫式部日記・紫式部集に興味を持ちました。それらには和歌(巻名歌等)が沢山ありますが、その和歌の返歌を口語短歌と絵巻でブログ掲載をと思いつきました。返歌は源氏物語の内容や進行に合わせてではなく、短歌に沿った言葉・単語や自然・地名からヒントをもらい詠もうと思っています。そして源氏物語は絵巻もあります。平安時代から現在まで数多くの絵師が時代の華やかな景色を描いていますので合わせてご紹介したいと思っています。



新築なった源氏の新邸六条院で、秋の御殿に住む秋好中宮が箱の蓋に紅葉をのせ、童女に持たせて春の御殿に住む紫の上に贈る。それを源氏が覗きみる。
源氏物語巻名歌・13乙女(をとめ)
歌の背景
光源氏三十三歳。五節の日、参上した源氏は舞姫を見て、若い時に目にとめた舞姫の乙女の姿をお思い出し、文をお遣わしになる。
一方、夕霧は惟光の娘の五節に歌を贈る。
「少女子も 神さびぬらし 天つ袖 古き世の友 よはひ経ぬれば」 光源氏

「かけて言へば 今日のこととぞ 思ほゆる 日蔭の霜の 袖にとけしも」 五節

「日影にも しるかりけめや 少女子が 天の羽袖に かけし心は」 夕霧


返歌
「年月の 積もりを数え 懐かしさ 内に秘めたる 思い呼び覚ます」

「舞姫が 日陰の葛 かけて舞い 霜のようにと 溶ける思いも」

「舞をまう 天の羽衣 舞姫に 思いのほどが だれの目にも」


源氏物語絵巻『乙女』之四図、秋好中宮から届いた秋の庭の紅葉のいろいろを、紫上が玩ぜているところ。新造の六条院の各町に妃姫たちが越してきて最初のイベントです。中宮からの「蓋」に盛られた紅葉を自室の蓋に移して贈答の歌の返しを思案中です。中宮からのは白木の蓋だろうと思われます。いろいろの紅葉葉に秋の草花は野菊や竜胆でしょう。

参照
https://angel-zaidan.org/genji_kanmeika/kanmeika-01/
https://note.com/chousou_ann/n/n9141b03c805b

「源氏物語絵巻・12朝顔」~写真と短歌で綴る世界文化紀行

2024-04-07 08:03:41 | 源氏物語絵巻・巻名歌返歌
「源氏物語絵巻・12朝顔」~写真と短歌で綴る世界文化紀行
 
24年1月7日日曜日NHK大河ドラマ「光る君へ」が始まりました。そこで源氏物語や紫式部日記・紫式部集に興味を持ちました。それらには和歌(巻名歌等)が沢山ありますが、その和歌の返歌を口語短歌と絵巻でブログ掲載をと思いつきました。返歌は源氏物語の内容や進行に合わせてではなく、短歌に沿った言葉・単語や自然・地名からヒントをもらい詠もうと思っています。そして源氏物語は絵巻もあります。平安時代から現在まで数多くの絵師が時代の華やかな景色を描いていますので合わせてご紹介したいと思っています。



源氏物語巻名歌・12朝顔(あさがお)
歌の背景
光源氏三十二歳。長い年月、朝顔の姫君に心を受け入れてもらえない源氏。朝霧の中、秋深い気配の中で、花も小さく衰えて咲いている朝顔を折らせて、姫君へ届ける。

「見し折の つゆ忘られぬ 朝顔の 花の盛りは 過ぎやしぬらむ」

「秋果てて 霧の籬(まがき)に むすぼほれ あるかなきかに 移る朝顔」



返歌
「朝顔の 美しい景 忘れずに あざやかに残る 穏やかな愛」

「しみじみと 長い年月 省みて 二人の日々に 過ぎ去りしこころ」



源氏の殿の思い人・朝顔の姫君は、父宮を亡くされてから、斎院(さいいん)を退き、今はお里帰りしています。 少年の日からくすぶり続けた恋心を再燃させる源氏の殿ですが、聡明な姫君は、源氏の殿を情(つれ)なく拒み通します。 このことを知った紫の上の悲しみは、深刻なものでした。身分こそ変わらねど、前斎院は世間的名声も高い雅やかな女性。 後ろ盾とてない紫の上は、北の方(第一夫人)の座も失いかねなかったのです。 雪の月の夜、源氏の殿は女童たちを庭に下ろして、紫の上の気持ちを和ませようとなさいます。 しかし、悲しみに閉ざされ、憂いをおびた紫の上の横顔に、源氏の殿は藤壺の宮の幻を追い求めるばかり。その夜、源氏の殿の夢に、妄執に苦しむ亡き藤壺の宮が現れます。 夢からさめて、涙さえ流し始めた源氏の殿の異変を紫の上はどうしたことかと見守るのですが、 藤壺の苦悩する姿に源氏の殿は悲しみを押さえることができないのでした。

参照
https://angel-zaidan.org/genji_kanmeika/kanmeika-01/
https://intojapanwaraku.com/rock/culture-rock/2493/#toc-24