『金沢W坂の殺人』 吉村達也 光文社 1993
現場はかの文豪・室生犀星が愛したW坂。
文字どおりW字形に折れ曲がった坂道で、深夜、4人の屈強な大学生が、同時刻、同一犯人により、別々の方法で殺された…。
「(略)きみも」
「W坂はここに描いた絵のとおり、ジグザグになった四つの直線から構成されている。Wという字が四本の直線からできているようにね」
田丸は、自分が描いたスケッチを指さした。
「この四つの部分に分かれるW字型の坂道に、高台(たかだい)のほうから順番に、レスリング部の学生、ボクシング部の学生、空手部の学生、そして陸上部の学生が殺されて倒れていた」
「………」
「しかもだ、レスリング部の学生は首を絞めて殺され、ボクシング部の学生は頭を鈍器(どんき)で殴られて死に、空手部の学生は青酸カリを飲まされて中毒死、そして陸上部の学生は頸動脈(けいどうみゃく)を鋭利(えいり)な刃物でスッパリ切られて出血多量により死亡していた」
「……信じられませんね」(p15)
ちなみにW坂については五木寛之さんが『新金沢小景』の中で次のように書いています。
桜橋のたもとから寺町台(てらまちだい)に通じるジグザグの坂。「W坂」という呼び名は旧制四高(きゅうせいしこう)の生徒たちによってつけられたといわれている。
正式な名を「石伐(いしきり)坂」という。(p160)

現場はかの文豪・室生犀星が愛したW坂。
文字どおりW字形に折れ曲がった坂道で、深夜、4人の屈強な大学生が、同時刻、同一犯人により、別々の方法で殺された…。
「(略)きみも」
「W坂はここに描いた絵のとおり、ジグザグになった四つの直線から構成されている。Wという字が四本の直線からできているようにね」
田丸は、自分が描いたスケッチを指さした。
「この四つの部分に分かれるW字型の坂道に、高台(たかだい)のほうから順番に、レスリング部の学生、ボクシング部の学生、空手部の学生、そして陸上部の学生が殺されて倒れていた」
「………」
「しかもだ、レスリング部の学生は首を絞めて殺され、ボクシング部の学生は頭を鈍器(どんき)で殴られて死に、空手部の学生は青酸カリを飲まされて中毒死、そして陸上部の学生は頸動脈(けいどうみゃく)を鋭利(えいり)な刃物でスッパリ切られて出血多量により死亡していた」
「……信じられませんね」(p15)
ちなみにW坂については五木寛之さんが『新金沢小景』の中で次のように書いています。
桜橋のたもとから寺町台(てらまちだい)に通じるジグザグの坂。「W坂」という呼び名は旧制四高(きゅうせいしこう)の生徒たちによってつけられたといわれている。
正式な名を「石伐(いしきり)坂」という。(p160)

※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます