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金沢ミステリ倶楽部

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『金沢W坂の殺人』

2015年11月24日 06時51分00秒 | ミステリin金沢
『金沢W坂の殺人』 吉村達也 光文社  1993
 現場はかの文豪・室生犀星が愛したW坂。
文字どおりW字形に折れ曲がった坂道で、深夜、4人の屈強な大学生が、同時刻、同一犯人により、別々の方法で殺された…。

 「(略)きみも」
 「W坂はここに描いた絵のとおり、ジグザグになった四つの直線から構成されている。Wという字が四本の直線からできているようにね」
 田丸は、自分が描いたスケッチを指さした。 
「この四つの部分に分かれるW字型の坂道に、高台(たかだい)のほうから順番に、レスリング部の学生、ボクシング部の学生、空手部の学生、そして陸上部の学生が殺されて倒れていた」
 「………」
 「しかもだ、レスリング部の学生は首を絞めて殺され、ボクシング部の学生は頭を鈍器(どんき)で殴られて死に、空手部の学生は青酸カリを飲まされて中毒死、そして陸上部の学生は頸動脈(けいどうみゃく)を鋭利(えいり)な刃物でスッパリ切られて出血多量により死亡していた」
 「……信じられませんね」
(p15)

 ちなみにW坂については五木寛之さんが『新金沢小景』の中で次のように書いています。

 桜橋のたもとから寺町台(てらまちだい)に通じるジグザグの坂。「W坂」という呼び名は旧制四高(きゅうせいしこう)の生徒たちによってつけられたといわれている。 
 正式な名を「石伐(いしきり)坂」という。
(p160)



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