『加賀金沢殺人事件』 木谷恭介 双葉社 1989
雪の金沢・兼六園で、黒百合をくわえた女性の刺殺死体が発見された。続いて殺害された住職の口にも黒百合が。2人は共に美術品の紛失騒ぎに関係していた。
霞(かすみ)が池の岸辺(きしべ)に立っている徽軫燈籠(ことじどうろう)の手前の雪が、こんもりと盛り上がっていた。
徽(き)も軫(しん)も琴柱(ことじ)のことで、形が似ているところからことじ燈(とう)籠(ろう)と呼ばれている。兼六園の象徴のような燈籠であった。(p7)
鬱金色(うつこんじき)の地に障壁画(しょうへきが)のような柄ゆきの鮮(あざ)やかな和服を着た三十前後の女が仰向きに倒れていた。
その帯の下あたりが真っ赤に染まり、雪を赤くにじませている。
だが、それよりも異常だったのは、仰向けに倒れた女性が口に紫色の花をくわえていたことである。
紫というよりは黒にちかい。
桔梗ににた花であった。だが、葉は百合のように見えた。(p8)
金沢の象徴といえる兼六園で死体が発見されるのはインパクト大ですねー。

雪の金沢・兼六園で、黒百合をくわえた女性の刺殺死体が発見された。続いて殺害された住職の口にも黒百合が。2人は共に美術品の紛失騒ぎに関係していた。
霞(かすみ)が池の岸辺(きしべ)に立っている徽軫燈籠(ことじどうろう)の手前の雪が、こんもりと盛り上がっていた。
徽(き)も軫(しん)も琴柱(ことじ)のことで、形が似ているところからことじ燈(とう)籠(ろう)と呼ばれている。兼六園の象徴のような燈籠であった。(p7)
鬱金色(うつこんじき)の地に障壁画(しょうへきが)のような柄ゆきの鮮(あざ)やかな和服を着た三十前後の女が仰向きに倒れていた。
その帯の下あたりが真っ赤に染まり、雪を赤くにじませている。
だが、それよりも異常だったのは、仰向けに倒れた女性が口に紫色の花をくわえていたことである。
紫というよりは黒にちかい。
桔梗ににた花であった。だが、葉は百合のように見えた。(p8)
金沢の象徴といえる兼六園で死体が発見されるのはインパクト大ですねー。
