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金沢ミステリ倶楽部

金沢ミステリ倶楽部の公式ブログ。

参加・見学してみたい方はメッセージを送ってね。

『金沢加賀殺意の旅』

2015年12月11日 00時00分00秒 | ミステリin金沢
『金沢加賀殺意の旅』西村京太郎 実業之日本社 2001

片山津温泉の旅館でカメラマンが射殺された。
続いて山中温泉で旅館の経営者も射殺されて…。

カメラマンが加賀の女という差出人から手紙をもらう。
そこで思い出したのは過去に金沢で出会った女性の事だった。

二人で、犀川の河原を、散策したこともある。普段は、ジーンズ姿で、普通の若い女性に見えるのだが、加賀友禅を着ると、とたんに、彼女の姿は一変するのだった。
文字通り、加賀の女になり切る。他の誰でもない。色白で、しっとりした加賀の女だった。彼女の持つ美しさが、加賀友禅の美しさを、一層、引き立てる。
(p8)

まさに二時間ドラマトラベルミステリーです。
加賀の女の悲しい過去が浮かび上がります。




『加賀友禅愛憎殺人』

2015年12月09日 19時54分00秒 | ミステリin金沢
『加賀友禅愛憎殺人』山村正夫 徳間書房 1993

加賀友禅作家立花歌水の新作発表会の最中に、二番弟子が殺された。
死体のそばのハンドバックには、不気味なほど白い観音像の写真が残っていた。

2時間ドラマになりそうなトラベルミステリーでしたが、取材はきちんとされているような気がしました。
金城楼と恵是瑠は宣伝なのでしょうか?

やがて『金城楼』で五十年という板長が腕をふるった加賀料理が、次々に座卓に並べられた。
鯛の腹にオカラをつめ込んだ鯛の唐蒸しや、オランダ人から伝わったのが起源といわれているカモの胸肉を小麦粉でまぶし、野菜とともに甘辛く煮た治部煮、浅野川で獲れるゴリの空揚げなどである。それがその日毎に蔵から出すという、加賀蒔絵の椀や古九谷の器に盛られ、料理に見事に調和していた。
 酒はビールのほかに、能登杜氏の醸造になる、「福正宗」だった。
(p184)

ここの描写から山村先生はきっと金城楼でお食事をされたに違いないと確信しました。


『ダリの繭』

2015年12月08日 00時28分00秒 | ミステリin金沢
『ダリの繭』有栖有栖 角川書店 1993
フロートカプセルの中で死んでいたのは宝石チェーン店の社長。
彼は全裸で、トレードマークのダリ髭も剃られていた!

社長の弟と一緒だったということで有栖は警察から話を聞かれる。

「日曜日のことですね? その結婚式というのはどこであったんでしょう?」
「金沢です。私の元同僚で、金沢支店に転勤したのがいまして、招かれたんです。大学時代にゼミが同じだったとかで、吉住さんも友人として招待されていました。で、五年ぶりに吉住さんとも再会したんです」
(文庫p51-52)
「吉住さんでしたら、土曜日の夕方から確かに金沢にいましたよ。その夜は、新郎と彼と私の三人でほんの軽く飲みに行きました。もちろん翌日の式にも出たし、大阪まで帰る電車も一緒でした」(文庫p52)
金沢の夜、香林坊のスナックに飲みに行った時に吉住がふと見せた暗い表情。無用にとちった私のスピーチを大真面目に聞いていた表情。(文庫p56)



作家アリスは香林坊のスナックで飲んでいたのですね~。
なんかうれしいです。

『46番目の密室』

2015年12月07日 18時00分00秒 | ミステリin金沢
『46番目の密室』有栖川有栖 講談社 1992

45の密室トリックを発表した推理小説の大家が密室で殺された。自分が考えた46番目の密室トリックで殺されたのだろうか?
事件に挑むのは臨床犯罪学者火村英生と推理作家の有栖川有栖。
火村さん初登場の長編ミステリです。
火村さんは以前金沢にもいたとの記述があります。

「そうかもな。北海道は六つの時までだから」
その後彼は、父親の転勤に伴って広島、大阪、京都、金沢、東京と渡り歩いたと聞いている。凄まじい転勤があったものだ。
(文庫 p68)




ちなみに『46番目の密室』には次のような記述があります。


「今度は大雨で孤立した山奥の村が舞台で………」
「またそこに学生が閉じ込められるんですか?」
 人の話を遮って聞く。「また」はよけいだ、と言いたかったけれど、図星なので仕方がない。
「そうです。シリーズキャラクターものです」
「大学生の僕、有栖川有栖が語り手になっているシリーズですね? ――前から伺おうと思っていたんですが、あの作中のアリスって有栖川さんの分身っぽいですけど、探偵役なんかのキャラにモデルはいるんですか?」(略)
「火村さんが探偵役のモデルなんですか?」
「多少の影響は受けているかもしれませんね。この先生は私が描く探偵ほど紳士的ではありませんけど」
  (文庫p28)

何か聞いたことありますね~。

『月光ゲーム』

2015年12月06日 08時13分00秒 | ミステリin金沢
『月光ゲーム』有栖川有栖 東京創元社 1989

夏休みに合宿のためにキャンプ場にやってきた英都大学推理小説研究会メンバー、火山が噴火したためキャンプ場は陸の孤島となる。
他のグループと一緒に閉じ込められた限定された状況の中で連続殺人が…。

有栖川さんのデビュー作です。
『月光ゲーム』の会話の中に「金沢」が出て来ます。

「ねぇ、モチさん。去年まで三人でこのゲームやってたんですか?」
林から引きあげながら望月に聞いてみた。
「まさか。去年、金沢に三人で旅行してユースに泊まった時、そこでやったんや。ホステラーからペアレントまで馬鹿受けでな。今日も成功したやろう。俺らはこうやってマーダーゲームの伝導を続けるのよ」
(p68)



有栖川さんの他の作品の中にも「金沢」という名前は出て来ます。

『本格ミステリの王国』には、有栖川さんは大学3年の時に推理小説研究会で北陸に旅行して金沢にも来られたと書かれていました。
その時にマーダーゲームをしたのでしょうか。