ガエゆだR。

~ガチとエンジョイとの狭間で未来の夢を抱くブログ・REBOOT。~

ソウサクシャノ心得

2023-07-18 19:13:29 | (小難しい)雑記/お知らせ
どうも、Klowですおはようございます。

2019年、令和に入って初めて起こった、京都アニメーション放火殺人事件
青葉真司という一人の男が、日本アニメ史を彩る至宝と言うべきアニメ会社に向かって、

「自分のアイデアを盗作された」

等と宣い、理不尽な怒りから火を放った事で無辜の命が奪われてから、もう間もなく4年が過ぎようとしています。

そこで、4年経った今だからこそ…というと大層ですが、趣味、同人、商業に至るまで、全ての創作者が、ふとしたことで
「第二・第三の青葉真司」のようになってしまわぬよう、良識ある人な要らん心配だろうなとは思いつつ、注意喚起めいた事を記したいと思います。

結論から申し上げますと、恐らく一番大事な事は

自分が考えたアイデアは自分のものだけど、間違っても『自分が一番最初に考えた』なんて思い上がっちゃいけない

という点である、と俺は考えます。と言うのも、俺は池田満寿夫先生が語った「全ての創造は模倣から出発する」という理屈が大好きだってのもあるんですが、
世の中に出てるほぼ全ての創作物ってのは、割といろんなものにインスパイアされたりオマージュしたりするところから始まるのが基本と言っても過言じゃありません。
特にこのブログ記事を読んでくださってる方の中には「今なんとなくこういう話を考えてみたい」という脳内ネタ帳がある人や、マジもんのネタ帳がある人が居るかとは思いますが、
そう言うアイデアってのは、大体自分が感銘を受けたものに強く影響を受けていることが多いし、なんなら自分で考えたと思っても、自分の好きな作品の影響を
知らん間に受けてる可能性もある訳です。例えば、つい先日終了し、自分の中では鉄オルを超えた面白さで圧倒されたガンダムシリーズの水魔女でも、
シェイクスピアの「テンペスト」へのオマージュが散見される作品でしたし、なんなら大河内一楼先生がメイン脚本のアニメにはシェイクスピア作品へのインスパイア&オマージュ
多分に含まれていますからね。大河内先生の代表作の一つであるコードギアスなんかそうです。

このように、ガチプロの商業作家をやられている方でも、自分の好きな作品へのリスペクトやオマージュを堂々とやりますし、
滅茶苦茶有名な話では、黒澤明監督の「七人の侍」に影響されて、ジョン・スタージェス監督「荒野の七人」のメガホンを取ったり、
そもそも絵画の世界だって喩えば綺麗な風景を絵にして自分が感じた美しさを表現してたり、はたまたスープの缶詰を描いた絵があったりと、
人間、いろんな物語やそれに付随する設定を色々と考えたり、創作物を造ったりしますが、そのアイデアには必ずどこかに元ネタがあることはここまででお分かり頂けたかと思います。

では、なぜ「間違っても自分が一番最初に考えたなんて思い上がっちゃいけない」と言ったのか?
それは偏に、多くの人がいろんなものからオマージュされて創作物を構築するのですから、調べれば大なり小なりネタ被り・・・・が発生するからです。
だから、「よっしゃ次のネタ決まったで~!」と思って考えてたネタを喜び勇んで同人や趣味の創作に反映させたと思ったら、商業作品で
自分と似たようなアイデアで作られた作品が、ほぼ同時期にドーン!と世に出る場合があるんですよね。

こうなってしまっては自分のアイデアを引っ込めるか、「自分が似たようなの考えてたのに、公式が先にやっちゃったんですよー」と自虐しつつネタを披露するかの
どちらかしか、少なくとも俺にとっては選択肢が思い浮かばなくなってしまいます。ところが青葉みたいなキ○ガイ野郎は、

「俺の作品がパクられた!!!!!許さねえ!!!!!!1!!!」

と激怒する訳です。しかし、先述の理屈で考えりゃあネタ被りが発生するのなんて当たり前の話なんです。
恐らくですがこういう理屈になってしまう人は、上述の視点が抜け落ちている可能性が高い為、商業で自分と似たようなアイデアが出て来た時は
「フッ、公式も俺が思いついてた境地まで辿り着いたか」ぐらいふんぞり返る位の余裕を持った方がよいかと思います。ぶっちゃけ俺はそうしてます。

つまり、

「全ての創作物は大体元ネタがあるものが多く、それは歴史的な創作物であろう絵画であってもそう言うのがあるし、
自分が考えた、若しくは考えてるネタと同じようなアイデアが商業物になった時は、怒るのではなく『自分の境地まで来たか』と余裕を持つ」


というのが、理想の気持ちの持ち方なのではないのかな、と思います。
一番最初に言ってる事と矛盾してるようですけれども、「自分のアイデアは自分のもの」ならば、それぐらいの気持ちを持ってても良いんじゃないかなと。

最後になりますが、もしこのブログ記事を読んでくれた人で、創作をしている人が居たら、出来たら俺の記事を思い出して、
「俺のアイデアがパクられた」って発想に至りそうになっても気持ちを鎮めて下さればいいな、と思います。
あんな事件が起きて、理不尽に多くの命が奪われることが二度と起きないようにする為にも。

というわけでやや差し出がましい記事になりましたが、お終いとさせて頂く事にして。

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