ガエゆだR。

~ガチとエンジョイとの狭間で未来の夢を抱くブログ・REBOOT。~

続・メグル蝸旋

2024-05-31 21:01:06 | (小難しい)雑記/お知らせ
どうも、Klowですおはようございます。

今回はまだるっこしい前置きなく本題に参ります。今年冒頭世間を沸かせたセクシー田中さん事件から凡そ4か月、
日本テレビさんが社内に立ち上げた内部調査チームからの報告が寄せられました。ニュース記事はリンクになってる文字のライブドアニュースさんで
読んでいただきたいのですが、「矢張り」と言うかなんと言うか。芦原先生の意向がしっかりと日テレに伝わっていなかったことが明らかになったそうです。

まず、本ブログをお読みになっている方の中にも「セクシー田中さん事件」を忘れてしまったという方もいらっしゃるかと思われるので一応簡単に解説しますが。
本件は、漫画を原作にした実写ドラマ版「セクシー田中さん」において、脚本家の相沢友子先生のInstagramにおける「原作者がしゃしゃり出て来て仕事を盗られた」とでも
言いたげな投稿を受け、原作の芦原妃名子先生が、最終回手前の9話、及び最終回となる10話の脚本を自分で執筆した経緯を説明した内容を自身のブログに投稿した後、
一連の投稿を削除。その数日後、芦原先生は某所の山中で自殺し、ご遺体で発見されてしまったという、「テレビ局が一人の漫画化を殺した」と言っても過言ではない事件です。
これを受けて制作・放送した日本テレビは謝罪を行うと共に内部調査チームを設立すると約束、我々はその事件の行く末を静かに見守るだけとなっていた…というのが、
ざっくりした今までの経緯だったのですが、ここからは、ニュース記事に沿いながらいろいろと気になった所を突っ込んで行きましょう。

報告書によれば、去年2月頃に小学館の方から実写ドラマ化の提案があり、その話を聞いた日テレ制作陣は

「小学館から、『原作未完の部分はオリジナルのエンドで良い』と聞いた」

と言う風に認識しており、その一方小学館は最初から

「未完の部分は原作に影響しない、原作者が提案したもの・・・・・・・・・・を土台にしたオリジナルのエンドでよい」

と言う風に話していたそうで、この時点で日テレと小学館の間に認識の齟齬が発生していたのだそうです。
……この時点で「何?日テレには伝言ゲームで相手の言った事思いっきり取り違えてグダグダにするタイプのアホしかおらんの?」と思ってキレそうになった方、
頑張って我慢して下さい。俺もそうでした。堪えましょう。

また、「ドラマ化するなら、原作を大事にしてくれる脚本家の方でないと難しいと思う」とも小学館は伝えており、
その際は日テレ側も原作者の意向を無視するような改変はしません。リスペクトを持って取り組ませて貰います」と約束しており、
かくして製作が始まったそうですが、その後放送された実写版セクシー田中さんがどうなったかは皆様がよく知る次第ですね。

また、嘗て書かれた芦原先生は自身のブログ記事上でも、小学館を通じて

1.必ず原作漫画に忠実にする
2.漫画の今後に影響を与えないよう、粗筋から台詞まで用意する
3.原作者が用意したプロットは原則手を加えないで貰いたいので、ドラマオリジナルパートになる
 終盤の話
に関しては、原作者が用意した話をほぼそのままドラマ化することを想定して貰いたい他、
 場合によっては原作者が脚本を書く可能性もある


と言った条件を日テレに伝えて欲しいと小学館を通じて連絡していた…筈なのですが、調査を進めた結果、
なんと小学館、このとてもとても大事な条件を書面は疎か口頭でも説明せず、提示していなかったそうなのです。

「は?」

と思われた方、もう少しだけ我慢して下さい。気持ちは分かります。俺もそうです。今キーボードを打つ手にも怒りが籠って仕方ないので。

この結果、こういった条件が小学館から提示されているという認識が無かった日テレは脚本家にそう言った意向を伝える事もなく、芦原先生は
ただ日テレに不信感を募らせていくだけだったらしく、終盤になってあのような事態が発生し、このような事情を知る由もなかった相沢先生は被害者ぶったような
投稿をしましたが、それもその筈。
上記のような背景があった為であり、飽くまでスポニチアネックスの記事上では、小学館の大切な条件の伝え漏れが、
そもそもの原因と言っても過言ではないような書き方
でした。また、この報告書を受けた日テレの石澤代表取締役曰く、

「これまで以上に厳しく取り締まらねばならない事態が浮き彫りとなった為、
テレビドラマに関わる全ての方々が安心して製作に取り組めるよう努力していきます」


と言った風な反省をされたそうですが。

そんな現体制の改善目指しますって話より、
芦原妃名子先生のご遺族への謝罪と、今現在原作を踏みにじって設定を矛盾させ、
コケにしてるとしか思えぬ「アクマゲーム」の原作陣への謝罪は?


と思わざるを得ません。
俺が思うにですね、日テレが守るべきは自分トコのドラマ制作者の方々じゃないと思うんです

原作者でしょうが。

漫画や小説を原作にしたドラマなんて、その原作ありきじゃないと作れないんですから、もう少し原作を大事にするドラマ作りをするだけで…、
それこそ、原作となる作品を連載している出版社から「原作に忠実にして欲しい」って態々言われなくても忠実にするぐらい大事にするドラマ作りをするだけでも、
それだけでも原作者は救われると思うんです。
嘗て自身が作った漫画の実写版が余りにも原作と乖離し、筆を折りかけた漫画家の話を知っている以上、
日テレさんにはあまり期待こそしてはいませんが、原作を大切にするという言葉の意味から今一度考えて頂きたいと思います。

漫画家・小説家を問わず、多くの創作者にとって自身が生み出した創作物は、我が子のように大切な物なのです。
独りでパソコンや紙に向かい合って、キーボードを叩いて、マウスを動かし、ペンを動かし、字を書き、絵を描き。
こういう物語を作りたいとか、こういった物語をいろんな人に読んで欲しいとか、そう言った思いで作られた物の筈なのです。

今回の一件、自分としてはとても大事な事を伝え忘れた小学館についても自分は怒っています。出版社なら、
もっと自分の雑誌で連載を持つ漫画家を、大事にしてやれなかったのか、と。芦原先生から提示された条件を何故はっきりと伝えなかったのかと。
日テレばかりが槍玉にあげられる案件に見えますが、小学館にも我々はしっかりと怒りの声を挙げねばなりません
そんな癖してこんな事態が起こり、挙句の果てに「寂しいです、先生」という拙いお涙頂戴感の漂う追悼コメントを発表して、
何を被害者ぶっているのか、と
。ハッキリ申し上げれば、

「芦原妃名子先生の自殺の片棒を担いだ日テレの共犯者

と言う云われを受けても仕方ないんじゃないかなと思います

幾ら嘆こうが喚こうが芦原先生の命は戻りません。時を巻いて戻す術もありません。
抑々が「ドラマスタッフが安心してドラマを制作できるようにする」というそもそもの目的を履き違えた腑抜けた調査報告を上げてきた調査チームは勿論、
今回の一件で芦原先生への謝罪が1つもなかった石澤代表取締役など、怒りの矛先を向けようと思えば細かく分散できるでしょう。
ですが「原作者の意向をしっかりと伝えなかった小学館」にも同様に良からねばならないようになった結果が見え、自分は小学館を見損なってしまいました。
「結局、原作を虚仮にした日テレも、原作者の意向を伝え忘れた小学館のどっちも悪い話やん」と。日テレだけが悪者ならどれだけよかった事でしょうか。

正直セクシー田中さん事件の根深さは、小学館・日テレ双方にあるのだ、とやりきれない気持ちに苛まれると同時に、
二度とこのような事を繰り返さない為には、日テレが反省すればいい話ではないなと言う失望感を覚えています。
どれだけ多くの人が反省してるんだろうか?小学館もこの報告書を呼んだのだろうか?そして身につまされる思いを、しっかりと感じてくれたのだろうか?と。
再び光が見えなくなってしまいましたが、これで少しでも事がいい方向に進む事を祈りつつ、お終いとさせて頂く事にして。


【’24年6月5日追記】
日テレの報告書が上がってすぐ小学館の方の報告書も上がってきたので、
其方の方もニュース記事を参照しましたが、まず最初に芦原先生への哀悼の意を表す点や、

「芦原先生の死因を特定するものじゃない」(意訳)

言い訳がましいことを書いていた日テレとは違い、行った言わないの水掛け論に対してきっちりと調査を行い
そのほとんどで日テレ側の方が「聞いてない」という回答が得られたということだったそうで、見損なったぞ!と強く出た割に、
謝罪から始まる文章をお出しされ、一旦鞘を収めねばならないなと言う気になりました。その一方、日テレ側から

「原作に忠実にやって欲しいと言った旨の注文を付けられたらドラマ化は無理です、と断るつもりでした」(意訳)

との証言も得られており「ハナから原作に忠実にやる気がなかったんだな」という、テレビ局の驕りが見えてしまったなと思ってしまいました。



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