ヒマジンの独白録(美術、読書、写真、ときには錯覚)

田舎オジサンの書くブログです。様々な分野で目に付いた事柄を書いていこうと思っています。

「予測」と「予知」の違いは?

2018年03月31日 14時55分15秒 | 独り言
先日のテレビ番組で地震予知に関するものを見ました。
地震予知が可能であると考えたことに生涯を掛けた学者のことなどが紹介されていました。

今仮に、「東海沖地震が30年以内に発生する確率が50%」と考えてみましょう。
この確率は、一般には低くない確率と考えられます。
30年以内にその地震が起きるか起きないかは、半分半分だという事なのです。
確率的には低い確率ではないと考えることが、出来ます。

ですが、ここで少し違う立場で考えて見ることにしましょう。
確率とは出来事が発生する「頻度」の事です。
30年に一度起きる頻度を一年に起きる頻度に換算してみましょうか。
30年に起きる頻度が50%とすると1年ならいくらになるのでしょうか?
50%は「0.5」なので、それに1/30を掛けてみましょう。
そうすると答えは約0.016666となります。パーセントは百分率なのでその数値に100を掛けますと答えは約「1.66666」となります。
そうすると東海沖地震が<一年以内に起きない確率>は「100-1.6666」となり、「98.3333」となります。
そしてこの<30年以内に起きる確率>とは、<30年後>なのか<来年>なのかは、分からないのです。
地震が起きる確率をを短期的に見れば、起きない確率と比較すると極めて低い確率である事が解りますね。
確率的論的な見方をすれば、「起きない確率」の方が圧倒的に大きいと考えることが出来るのです。

ここで見方を変えてみましょう。地震が起きるメカニズムは地球物理学上では次のように説明されています。
大陸がのっているプレートが地球内部の高温で流動的なマントルの上にあり、マントルの動きによりプレート間の動きにずれが生じ、それが巨大地震を引き起こす原因となる、との考えです。
この事をプレートテクトニクス(プレート理論)といっております。

地球が冷え切った惑星ではない限り、これにより巨大地震は必ずどこかで、いつかは発生してしまうのです。
地震のメカニズムが解っているので「起こるであろう」との予測は出来ますが、しかし、それがいつどこでどのような規模で起こるのかを「予知」することは今だ完全に知る事は出来ていません。

それほど「地震予知」は難しいのです。
地震がいつ発生するかの「予知」は現実には不可能と言って良いほどの確率しか今の科学では「予知」できないのです。
「地震予知」は「天気予報」の様にはいかないのです。

ですから、我々が出来ることはせいぜい、地震に備えて建物の強度を上げておくとか、被害を被った社会インフラを早急に回復させる方策と制度を作っておくしかないのだと思います。
「地震予知」に多くの財源を掛けるよりは、それに備えた「強いインフラと制度」を考える方に財源を向けるべきだと、思います。

7年前の3月の「東日本大震災」を思い起こしながら、こんなことを考えて見たのです。




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