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自由学園の教育理念=学力観

2008年10月27日 | 教育
自由学園の教育理念=学力観

「自分で考えることや問題を発見することを大事にし、実物に即し、本物に触れる、よく身につく勉強を目指します。教室の中だけでなく、緑豊かなキャンパスも頭を賢く働かせる実学の場です。断片的な知識を求めず、実体験を通し、学ぶ喜びを味わいます。」

この表現の通り、ここには、寄宿生の食べる米の30%を自給をする水田があり、前項で書いたように、牧場あり鶏舎あり養豚場あり。食材で不足するものは、生徒の計算により注文され毎日築地から運ばれてくるそうである。午前の調理室を覗くと、調理当番の生徒たちが整然と調理に携わっている。先生の姿は、どこにも見えない。炊飯は、直径70㎝大の大釜三つを使い、戦後まで続いた「はじめチョロチョロ、中パッパ、じゅうじゅう噴いたら火をひいて、赤子泣くともフタとるな」の要領で炊飯が行われていた。お邪魔した時は、栗の炊き込みご飯であった。生徒たちと一緒に昼食をごちそうになった。アナログ炊飯の米の旨さを感じた。配善の時もどこからともなく生徒が現れては行われ、昼食の用意が整い、昼食中は、生徒によるいくつかの連絡事項があった。また、当日の献立の栄養価や一食あたりの費用も発表された。昼食後は、別のグループが食器を洗っていた。そこには、何かを指示する先生一人として見えないことが印象的であった。すべては、上級生から下級生への伝達によって行われているということであった。
生徒が運営するここの食卓には、生徒の自労自治による米があり肉があり卵があり野菜があるまた、不足分は注文するという家計ならぬ学計がある。換言すれば、自由学園の食生活を、栄養学・農学・畜産学・共同体運営・経済学など様々な要素が占めていることになる。

 昨今、日本の大学生のリベラルアーツ(自然・社会・人文)の貧困さが嘆かれて久しいが、自由学園における生活=体験=学びの概念の中でのリベラルアーツの深化は、大きな成果を出されているのではないかと思う。
 広報担当の矢野先生の話によれば、自由学園の最高学府、「大学」は、リベラレアーツのみだそうである。そして、この大学は、文科省の認可を受けていない。ですから駅前にある「習い事」の教室と一緒だそうである。文科省の認可は、あえて取らないということであった。痛快である。日本列島の北から南まで大学が金太郎飴の必要はない。
ところが、この自由学園の「習い事」の大学は、卒業すると、多くの大学が大卒として認め修士課程への入学を認めるそうである。また、採用企業も大卒扱いである。
http://www.jiyu.ac.jp/college/index.php?c=10-15 勉強も体験も何から何まで外注化され、知の世界の分断化の見られる世界の住人としては、反省させられること多い。


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