格差社会NO

格差社会は、二軍の存在を許さない。

野球でもサッカーでも能力ある二軍の選手の存在が、強い一軍を支えている。今シーズンのセリーグ覇者の巨人も坂本、亀井、鈴木らの若い選手の台頭抜きでは、優勝はなかったであろう。

振り返って、ある地域における学力の疲弊は、残念ながら見るに堪えない。高等学校においては、ある科目の時間に一クラスの半分の生徒が眠っている学校もある。中学においては。教科書の進行が異常に遅い中学校も多々ある。これから先の教科書の進行スピードとそれに伴う未消化を思うと生徒は明らかに被害者にならざるを得ない。ここにおいては、指導要領の存在意義はない。指導要領を棚上げしなければならない、学校教育のスキームの老朽化は、すでに10年以上語られている。

総務省や厚労省は、2004年現在で、労働者の「３人に１人が非正社員」であるとしている。しかも月収20万円未満が8割だという。しかも、一度フリーターになってしまうとなかなかそこから脱け出しにくい。
このような状況を語るときに、現在の義務教育と高等教育は、子どもと社会の未来を真剣に考えているのか、甚だ疑わしく思うのである。フリーターの養成構造に乗っているとしか考えられない。

19年度から厚労省によって実施されている「年長フリーターに対する支援制度」は、義務教育と高等学校においてなされた、青少年の育成の失敗の上塗りである。根本解決を考えるならば、むしろ義務教育改革である。そして、全員野球のためには、オランダのような非正規と正規社員の区分けの撤廃は、避けて通れない。二軍の活性化していない国は、一軍もろともに滅びる。一握りが踊ったサブプライム恐慌は、その証明であるかも知れない。


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