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菫(すみれ)

2013年12月10日 20時33分19秒 | 花の神話と伝説
別 名
(Violet)「立壷菫(たちつぼすみれ)」「立坪菫(たちつぼすみれ)」   



花言葉 紫「誠実、貞節」
    白「純潔、清浄」
    青「つつましい幸せ」
    一般的には「私のことを考えて下さい」
    菫「思慮、思慮深い、思い」
    匂菫 「奥ゆかしい、控えた美しさ  

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・菫(すみれ)科。
・学名
  Viola mandshurica(すみれ)
  Viola grypoceras (立壷すみれ)
   Viola : スミレ属
   mandshurica : 満州地方産の
   grypoceras :  曲がった角(つの)の
 Viola(ビオラ)は「紫色の」という意味。
・開花時期は、 3/10 ~ 5/10頃。
・いろいろな種類があります。
 国産、外国種とも合わせると数百種類。
・花とは別に、目立たない「閉鎖花」をつけそこでタネをつくります。
・園芸品種にパンジーがあります。

・1月29日、2月1日の誕生花(菫)
 4月17日の誕生花(匂菫)

・スミレ(菫)は、スミレ科スミレ属の植物の総称であるが、狭義には、Viola mandshurica という種の和名です。

・ここでは種としてのスミレを記します。
なお、類似種や近縁種も多く、一般にはそれらを区別せずにスミレと総称していることが多い。それらについても下記を参照されたい。
特徴
種名としてのスミレ(Viola mandshurica)は、
・道ばたで春に花を咲かせる野草です。
 深い紫(菫色)の花を咲かせます。
・地下茎は太くて短く、多数の葉を根出状に出します。
・葉は根際から出て、少し長めの葉柄があって、少しやじり形っぽい先の丸い葉をつけます。

・花は独特の形で、ラッパのような形の花を横向きかやや斜め下向きにつけます。
5枚の花びらは大きさが同じでなく、下側の1枚が大きいので、花の形は左右対称になり、
ラッパの管に当たるのは大きい花弁の奥が隆起したもので距(きょ)といいます。
花茎は根際から出て、やや立ち上がり、てっぺんで下を向いて花のラッパの管の中程に上側から着きます。
・平地に普通で、山間部の道ばたから都会まで、都会ではコンクリートのひび割れ等からも顔を出します。
・山菜としても利用されております。
葉は天ぷらにしたり、茹でておひたしや和え物になり、花の部分は酢の物や吸い物の椀ダネに致します。ただし他のスミレ科植物、例えばパンジーやニオイスミレなど有毒なものがあるため注意が必要です。
分布
北海道から屋久島までの日本列島に広く見られます。
国外では朝鮮、中国からウスリーに及びます。

毒性
毒成分: ビオリン、サポニン、ビオラルチン、グリコサイド
毒部位: 種子、根茎
毒症状: 嘔吐、神経麻痺、心臓麻痺

由来等
「スミレ」の名はその花の形状が墨入れ(墨壺)を思わせることによる、という説を牧野富太郎が唱え、牧野の著名さもあって広く一般に流布しておりますが、、定説とは言えません。
※花の形が、大工道具の”墨入れ”に似ていることによるらしいです。
 「すみいれ」の呼びがしだいに「すみれ」になりました。
 (木や石に直線を引く(描く)ときに、 墨糸を用いる”墨壷(すみつぼ)”という大工道具があります。これを”墨入れ”とも呼ばれております。
  ちなみに、筆習字をするときに 黒い墨汁を入れるのは「墨入れ」ではなく「硯(すずり)」)です。

学名の種小名 mandshurica は「満州の」という意味です。
和名である「スミレ」は、このままだと属名や科名、さらには目名と紛らわしいので、スミレ愛好家は特に本種を指す場合、この名に由来するマンジュリカで呼ぶことがあります。

菫の神話と伝説
①ギリシャ神話によれば、 川の神の娘イオは、天の王ゼウスと戯れていましたが、天の女王ヘラが来るのがわかったので仔牛になって隠れ、ゼウスは仔牛の食糧としてスミレを作りました。また、イオは、ゼウスに愛されたためにヘラの嫉妬に苦しめられ、世界をさまよったあげく星になったので、ゼウスはイオの美しい目を思い、スミレの花を創りました。

②イオは羊飼いの美青年アチスの許嫁でしたが、アポロンもイオを望んだので、林の女神がイオをスミレの花に変えて隠してしまいました。

③シェイクスピアはスミレを「ヴィーナスの乳房より香りのよい花」と表現し、「冬物語」の中では「ジュノーの瞼よりも美(うる)わしい」と讃えております。
また、アメリカでは三月の誕生花。

④大きいバラとユリが天界詩の月と日であれば、スミレはまさにその星なのでしょう。
星は小さくても、その煌(きらめき)においては、筆舌につきない情趣をもっています。星とスミレの浅からぬ相関関係は、ワーズワースのルーシーという詩の一節に巧みに表われています。「苔むす岩根に生えいでて、人眼を半ばはばかるスミレ、あわれ美(うる)わし、ただひとつ、空に輝く星のごと」。

⑤またシェイクスピアの「ハムレット」の中で、薄命なオフェリ了の埋葬にのぞんだ兄レァーティーズが「妹を地に葬れよ、願わくばその美しく潔い肉より、スミレの生えんこと」言った言葉は広く知られております。

⑥西洋で愛される小さい花は、多くは空色またはスミレ色のものであって、それが美とされるのは、美女の清らかな眼を連想させるからなのでしょう。
なお紅の花は唇を、淡紅色の花は頬の色や皮膚の色を想わせ、黄色い花は病的な虚弱な色、純白の花は人間味のない色として共に疎んぜられるのが、しばしば西洋人の花の色に対する感覚のようです。

⑦西洋人が古くから愛好してきたスミレとしては、もう一つニオイスミレがあります。これは古代ギリシャではアテネの紋章となっていたようで、またローマ時代には貴族たちが入浴に用いたとも言われております。

⑧このように人類の歴史に早くから登場しておりましたので、古い絵面にもしばしば姿を現わしております。たとえばドイツのステファン・ロホナー(一四○○~一四五一年)によって描かれた「スミレを持ったマドンナ」では、聖母マリアがニオイスミレを持っています。
また、ファン・デル・フースの大作「羊飼いの礼拝」(一四七六-一四七八年の作品で、フィレンツェのウフィツ美術館蔵)では、ニオイスミレが床に撤き散らしております。
床にスミレを撤いてある絵画は他にもみられます。

⑨もちろん、15~16世紀に織られたフランスのタピスリーにも、しばしば登場しております。
前述のロホナ-、ファン・デル・フースは共に北方の画家ですが、イタリア出身のレオナルド・ダ・ヴィンチにも、ニオイスミレのスケッチがあり、また、同じイタリアのジヨヴァンニ・ディ・パオロの「最後の審判」の中にも描きこまれていますから、南方の画家たちにも、ニオィスミレが親しまれていたことは明らかです。

⑩桃山時代以後の日本の絵画にもスミレはしばしば登場しております。
たとえば狩野永徳筆の有名な大徳寺・聚光院の襖絵にも描かれていますし、また永徳の父・松栄も「四季花烏図」の中に描き込んでおります。
また光琳の「花卉屏風」にもタチッポスミレが描かれております。

⑪パンジー(サンシキスミレ)の花言葉は「物想い」。
ギリシャの愛の神キューピッドの放った矢がはずれて純白のスミレにあたりました。
その傷で三色のスミレが生まれたのだそうです。
また春の野に降りた天使たちが、一群のスミレをみつけて、地上にもこんなに美しい花があるのかと驚き、「私の面影をうつしてあげよ う、人々に天上の想いと清らかな愛を伝えなさい。あなたの行末が栄光に満ち、この花を見る人に倖せがあるように」とささやき、花に三度キスして天上高く舞いあがって行きました。
それで天使の面影と三色を宿し、春のよろこびを告げる使者として世界の果てまで床しく咲さひろがったと伝えています。

パンジーは英名、フランス名はパンセで、「憩う」とか考えるという意味。
一人で考えこんでいる人の顔に見たてたのでしょう。「物想い」という花言葉はこの辺からでたのでしょう。

⑫日本では蝶が飛んでいる姿に似ていることから、遊蝶花の古名があります。
パンジーは古来幾多の詩人の眼にとまり、「心の落ち着き」「頭巾(ズキン)の下の三つの顔」「門の後ろでのキス」、「門の所でキスして下さい」などと非常に多くの名をもって呼ばれていますが、これは花そのものが可憐であるというばかりでなくこれが持つ伝説の力も相当あるからなのでしょう。

⑬また、シェイクスピアの「真夏の夜の夢」の二幕一場には、「乙女はそれ(パンジー)を恋慕花と呼ぷ」と書かれております。

パンジーの伝説は古代ギリシャにまで逆のぼりますが、長い中世の間はどうなっていたのか明らかではありません。
しかし、中世が終り、ルネッサンスの初め頃にパンジーが愛好されていたことはいくつかの絵に裏付けられています。
六世紀に織られたフランスのタピスリーにもパンジーの登場するものが残っており、またイタリアのジヨヴァンニ・ディ・パオロ作「謙譲の聖母一四四○年頃)や、ジェラルド・ダビッド(一四六○~一五二三年)の「聖母子」(ブラドー美術館蔵)などにも出てきます。
ことに後者ではキリストが手にパンジーを持っておりこの花に対する愛好の情を強く物語っているといえるでしょう。

十六世紀から、パンジーが確立する十九世紀までの間にも、パンジーは数々の絵画に登場します。
たとえば、一六四○年に描かれたレナールの「花のある籠」(ループル美術館蔵で、一九六六年に日本にも来ました)でも、色々な花 にまじって小さなパンジーが一輸顔をだしており、ヤン・ファン・ウィスム(一六八二~一七四九年)の「花瓶の花」(ロンドンのナシヨナ
ル・ギャラリー蔵)では、色々な花の間にパンジーが二輪みられます。
以後、育種が進み、一八二四年に描かれたアントニオ・ピキリオスの絵に登場するパンジーは、いくらか大輪になり十九世紀末になりますと、印象派の画家たちがパンジーを描いた作品をいくつか残しています。
ヘンリー・ファンタン・ラトウール(一八三六~一九○四年)が描いた「パンジー」(二ューヨーク・メトロポリタン美術館蔵)、一八八六年に描かれたゴッホの「パンジーとタンバリン」(アムステルダム市立美術館蔵)などがあります。

花ことばより
・スミレの花言葉は「温順・謙虚・慎み深さ・愛・純潔・誠実・小さな幸せ」です。
紫色の可愛らしい花をつけるスミレには、いくつかの神話があります。
今回紹介するのは、そのうちの2つの話です。

Ⅰ 川の神の娘・イオは美しい娘で、ある時オリンポスの最高神・ゼウスに見初められてしまいます。2人が草原にいた時、ゼウスの妻・ヘラが通りかかりました。彼女は嫉妬深いので、

もし見つかったら、イオはとんでもない仕打ちを受けるに違いない、と思ったゼウスは、彼女を子牛に変えてしまいました。これでゼウスとイオは、しばらくの間は気付かれずにすみました。

 でも、問題はありました。―子牛になってしまったイオは、今まで食べていたものを食べることができませんでした。食べれるものは雑草だけ、元々は人の姿をしていた彼女にとって、

それはとても辛い試練でした。…さすがに可哀想だと思ったゼウスは、彼女のためにスミレの葉を作りました。この時、スミレにはまだ花はありません。

 やがて、イオのことがヘラに知られてしまいました。彼女はイオを星にしてしまい、ゼウスは悲しみました。そしてイオのことを忘れないために、スミレに紫色の花をつけました。
その花の色は、イオの瞳と同じ色でした…。

Ⅱこれは全く別の話。
スミレの花が、かつて真っ白だった頃のことです。―愛と美の女神・ヴィーナスは、ある時息子のキューピッドに質問をしました。
「お母さんとこのスミレの花、どっちが綺麗だと思う? お母さんよね?」
「僕、スミレの方が綺麗だと思う」
 それを聞いたアフロディテは、非常に怒りました。ちっぽけな存在に過ぎないスミレが、母である自分より美しいと、息子に言われたことが悔しかったのです。彼女はその腹いせに、

スミレの花を叩きました。すると今まで真っ白だったスミレの花が、みるみるうちに紫になってしまいました。そして今でも、この花は紫になっているのです。

 まず、「温順・慎み深さ・愛・誠実・小さな幸せ」と言う言葉は、最初に言ったゼウスとイオのことではないかと思います。―二人の愛は、公には許されないものです。その儚い恋は、

とても慎み深いものだっただろうと察せられます。その愛は温順だっただろうし、その結末もイオが星になると言う、とても穏やかなものでした。

 また、ゼウスはイオのために、とても誠実に尽くしました。―彼女のためにスミレを作り、彼女を思って同じ目の色の花を付けたのです。神である彼ならではの、普通の人にはとても

できない思いやりだとは思えないでしょうか? イオは多分、自分のためだけに尽くしてもらえて幸せだったと思います。例えそれが、どんなに小さな幸せでも、私はいいと思います。

誰かに心配されることは、時には辛いことでもあります。でも、裏を返せば、それだけ自分は愛されているのだと言うことでもあるのです。


 続いて「謙虚・純潔」と言う言葉についてですが、こちらは2つ目のスミレのことでしょう。―多分キューピッドは、自分の思いをそのまま述べたのだと思います。アフロディテにすれば

腹立たしいことでしょうが、彼にとってはとても謙虚なことなのだと思います。自分の思いを、ありのままに伝えること。…時には、それをためらってしまうこともありますよね。

 また、スミレの花は、そんなキューピッドに純潔な心を与えたのではないかと思います。白と言う色は、元々純潔を表します。今の私達の心は、お世辞にも純潔とは言えません。

時には、悪意にまみれた心にもなるのです。現にキューピッドは「お母さんの方が綺麗だ」と言ってご機嫌を取ることだってできたのです。でも彼はそれをしなかった。それは自分の

気持ちを裏切ることになり、スミレの花が持つ純潔と言う意味を失ってしまうからに他なりません…。

・「春の野に 菫つみにと 来(こ)し我そ
  野をなつかしみ 一夜寝にける」 万葉集 山部赤人

 「山路(やまじ)きて なにやらゆかし 菫草(すみれぐさ)」
   野ざらし紀行  松尾芭蕉

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現在は12月です。冬菫で「俳句」を詠もうと致しました折「すみれ」について掲載致します。
菫は「春」の花ですが、たんぽぽ 等も今頃咲いている場合がございます。
「狂い咲き」「寒菫」「返り花」「狂い花」などと季節はずれに咲く花「冬の季語」として
用いられております。
尚 ウイキペディアその他 花物語等から掲載致しました。
加筆・訂正等もございます。とりあえずの掲載です。

ちなみに私はこの野に咲く「すみれ」の花が好きです。











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2 コメント

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新年 (馬葉)
2014-01-01 01:20:18
明けましておめでとうございます。
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Unknown (イーリス)
2014-02-16 07:50:00
馬葉さま^^

随分ご無沙汰致しました。
今年もどうぞよろしく^^
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