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カトレア

2013年11月23日 22時49分52秒 | 花の神話と伝説
別 名(和名) 日の出蘭



花言葉  「優雅な女性」「魔力」「成熟した魅力」
     「あなたは美しい」「純粋な愛」「高貴な美人」「素朴」
     「品格と美」「真の魅力」「理想郷」
(黄)  「魅了」
季 語  三冬

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ラン科の多年草。
原産地は熱帯アメリカ。
日本には明治の中ごろに渡来しました。
季節は10~2月。
花の色は、赤、オレンジ、ピンク、緑、紫、黄、白。

カトレヤ(カトレアとも。Cattleya)とは中南米原産のラン科植物の1つの属、
あるいはその近縁属との交配品種を含む1群の植物です。
美しい花を咲かせることからよく栽培され、最も有名な洋ランです。
洋ランの女王とも言われております。
名前の由来
名前はこの属の最初の収集者で最初に栽培で花を咲かせたWilliam Cattleyに
ちなみ、属の名前として献名されたものです。
もともと牧野富太郎が南米から送ってもらった植物の梱包材として使われていた
この着生植物に興味を持ち、栽培してみたところ予想もしなかった見事な花を
つけたため、イギリスの著名な植物学者、ジョン・リンドリーが記載して
献名したという逸話が伝わっております。
これ以降、カトレヤ属は洋ランの代表として注目され、四大洋ランのトップに必ず
挙げられております。
カトレヤの名はカトレヤ属の植物の総称として使われております。
これは当然ですが、この属および近縁属との属間交配も多く行われ、それらは
カトレヤの花をより美しいものにするために行われた傾向があります。そのため、
それらの属間雑種にはそれ相応の名が与えられてはおりますが、一般には
それらすべてをまとめてカトレアと呼んでおります。
なお、近年の分類体系の変更により、
その属の境界も変遷をたどっており、カトレヤの名を冠する植物の幅も広く
なった面があります。
和名
C. labiata に対してヒノデランというのが牧野富太郎によって与えられました。
花の美しさを日の出に見立てたとのこと。
<香り>
甘く優しい香り。
ツンとする感じはなく、甘すぎもなく、自然と馴染んでいくような奥行きのある香り。
蝶のようにひらひらしている花びらが、一層華やかな気分にさせてくれます。
概要
非常に大輪で派手な花であり、言わば洋ランの代名詞として扱われ、現在では
多くの交配種があり、栽培されております。
切り花としては華麗さと高級感を演出します。
カトレアを国花としている国はブラジル、フィジー、コロンビア、
コスタリカの国花で、ランの中でも有名な花の1つです。
形態的特徴
・品種が多く、一年を通してそれぞれに咲き分かれます。
 花径は3センチから15センチ、花色、形なども多種多様です。
 高温多湿で風通しが良く、適度に日の当たる場所を好みます。
 寒さには非常に弱いので、冬期でも13℃以上が必須。
花のいわれ
カトレア属をはじめとするいくつかの属の交配によってできた多数の種の総称を
カトレア(またはカトレヤ)と呼びます。
カトレアは木や岩に張り付いて生活する着生ランの一種で、カトレアの野生種ランが
2万5千種以上あるなかでも、輝くような色彩と香りを放ち鮮やかに咲く花姿から
「洋ランの女王」と呼ばれ、スーパースター的存在です。
大輪の花弁はほかのランと比べると薄くて透き通るような美しい花色で、夏咲き、
秋咲き、冬咲きもあり一年中流通しています。
植物は普通、属と属の間の交配は不可能といわれますが、カトレアは属間交配が
進み、つぎつぎと新しい品種が作られています。
1茎に1花のものから10数花をつけるものもあります。
草丈は20~50㎝ほど、花色は赤・ピンク・黄色・緑・白・赤紫・青紫で、
花の形も豊富で、3㎝の小形種から18㎝にも及ぶ大形種まであります。
豪華な花姿はブーケやコサージュにも多用されています。

カトレアの花 は基本的に3枚の花びらと3枚のがく片、一番目立つ中心の「リップ」と
呼ばれる花びらで構成されています。
カトレヤは着生植物であり、匍匐茎の節から出る白くて太いうどん状の根で
樹皮に張り付くようにして生活します。
根の表面は白いスポンジ状の死細胞からなる組織で覆われ、雨水や着生した樹木
の樹皮を伝って落ちてきた水をすばやく吸収し、その後でゆっくりと内側の
生きた組織で吸収します。
根の生きた組織は葉緑体を持ち、光合成の能力を持ちます。そのため、表面の
スポンジ状の組織が水を吸って光の乱反射が起こらなくなると生きた組織が
透けて見え、根全体が緑色に見えます。
植物体は全体に肉厚で固い。
匍匐茎はあまり伸びず数節だけ成長した後にすぐに立ち上がり、
多肉質の偽球茎(バルブ)になります。
偽球茎はこん棒状でやや偏平・数節からなるが、そのうちの1節だけが長く発達し、
先端には1枚だけ或いは2枚の葉をつけ、これは同じ個体でも個々の偽球茎で
変異があることがあります。そのため、偽球茎の先端の葉が1枚だけの場合、
一見するとやたらごつい葉柄を持つ1枚の葉のようにも見えます。しかし茎である
証拠に、花は偽球茎の先端の葉の根元の内側(腋芽)から出ます。
偽球茎には多量の水分や栄養分が蓄えられ、間欠的にしか水が得られない樹上の
環境に耐えられるようになっております。偽球茎と葉は何年間もの寿命を持ち、
株全体で常に数本の偽球茎を持っており、古い偽球茎では葉が枯れて落ちてもなお
余命を保ち、水分と栄養分の貯蔵器官として機能しております。
成長期になると匍匐茎と偽球茎の境界部の節の腋芽が成長を開始し、新しい
偽球茎が立ち上がり葉が伸び始める頃に新しい匍匐茎から新しい根が伸張して
樹皮に固着します。
この成長期の根の先端部はまだスポンジ状の死んだ組織が分化していないため、
みずみずしい緑色をしております。
花は偽球茎の先端から出て1~数輪つきます。ただしワルケリアナは葉を生じない
特別な偽球形を生じてその先端で開花します。
外花被はやや細い楕円形、側弁は幅広い楕円形、唇弁の基部は蘂柱を包むように
両端が上に曲がって筒状になり、先の方では卵形に広がり、周囲はひだになって
うねり、中央は濃く色づくものが多く、花びらは大きく開き、正面を向いております。
色は白からピンク系のものが多く、非常に華やかで美しい。
分布と生育環境
中南米のコロンビア、ベネズエラ、ブラジル、エクアドルなどに分布し、特にアンデス山脈などの標高100m~1500m程度の森林地帯に産する。着生植物であり、木の樹皮に付着して生活します。
栽培と品種改良
発見の当初よりその美しさのためによく栽培され、また、新たな種の発見に努めるものも多かく、近縁属との間の属間交配も行われ、多くの品種があります。ただし、それらの名前には複雑な経緯と変遷があります。そのため文献やラベルには混乱がある場合があります。
旧来の様子
20世紀末まで野生種は40種ばかり知られ、それらを元にした品種改良も行われ、
多くの交配品種がつくられました。近縁の属であるレリア(Laelia)
・ブラッサボラ(Brassavola)・ソフロニティス(Sophronitis)との間でも
交配が行われております。これらの属とカトレヤを含む4属の間では属間交配による
雑種も稔性を持つものが多く、3属間雑種や4属間雑種も作られてております。
それらはカトレヤの花の色や形の範囲を広げることを目指して行われ、一般には
すべてカトレアと認識されております。それらの系統は以下のような名称および
略称で示されました。

カトレヤ(Cattleya)・カトレヤ(C.)
ブラッソカトレヤ(Brassocattleya)・ブラッサボラxカトレヤ(BC.)
レリオカトレヤ(Laeliocattleya)・レリアxカトレヤ(LC.)
ソフロカトレヤ(Sophlovattleya)・ソフロニティスxカトレヤ(SC.)
ブラッソレリオカトレヤ(Brassolaeliocattleya)・ブラッサボラxレリアxカトレヤ(BLC.)
ソフロレリオカトレヤ(Sophlolaeliocattleya)・ソフロニティスxレリアxカトレヤ(SLC.)
ロルフェラ(Rolfera)・ブラッサボラxソフロニティスxカトレヤ(Rolf.)
ポティナラ(Potinara)・ブラッサボラxソフロニティスxレリアxカトレヤ(Pot.)

新しい体系
21世紀に入って生物分類学において分子系統による見直しが行われており、この類の分類体系にも大きく手が入った。2009年までの変更は以下の通り。

旧カトレヤ属から二葉性のものが独立し、グアリアンセ属 Gualianthe となりました。

ソフロニティス属のすべて、およびブラジル産のレリア属のものがカトレヤ属に。
これにより、現在カトレヤ属には約80種が所属しております。

他に、ブラッサボラ属の一部がリンコレリア属 Rhyncholaellia になるなど、周辺属にも変更があります。
そのために、属間雑種の学名等にも多くの変更が行われております。

参考文献
大場良一監修、『失敗しない洋ラン入門』、(2010)、主婦の友社(主婦の友生活シリーズ)
牧野富太郎、『牧野 新日本植物図鑑』、(1961)、図鑑の北隆館

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「カトレヤ」など「蘭」以外のラン科の季語

「蘭」以外でラン科植物の季語
「カトレヤ」、「春蘭」、「鷺草」、「寒蘭」があります。
季節はそれぞれ次ぎの通りです。

季語
カトレヤ Cattleya 冬
春蘭 Cymbidium goeringii 春
鷺草 Habenaria 夏
寒蘭 Cymbidium kanran 冬

洋蘭で俳句の季語になっているのはカトレヤだけなのです。

では、何故、洋蘭は季語にならないのか検討してみましょう。
洋蘭の五大属のうち、カトレヤを除いた四大属についてみてみると
第一は洋蘭は日本に自生していないことです。
歴史的にも俳句は花鳥諷詠を中心にしてきており、
自然の写生には入って来ないことが大きな原因です。
第二に栽培技術の進歩で、一年中商品が出回り、あるいは開花期間が長くなり、
季節感がなくなってきたことがあげられます。
特にファレノプシス Phalaenopsis 胡蝶蘭の場合には顕著で
自然のままでも四ヶ月以上は咲き続けます。
第三に音字の数が

シンビジューム Cymbidium 六音字
デンドロビューム Dendrobium 七音字
パフィオペディラム Paphiopedilum 七音字
ファレノプシス Phalaenopsis 六音字
胡蝶蘭 五音字
と数えられ、カトレヤの四音字や通常の季語が五音字以内であるのと比べて、
俳句にとって音字の長さが長すぎます。
俳句は五七五すなはち
最初の五音を上五、中の七音を中七、最後の五音を下五に分かれており、
六音以上では原則中七にしか使えなくなり、実質的ではないのです。
(あえて指摘しておきますが、俳句では名前を略することを好みません。
このため、シンビジュームをシンビ、デンドロビュームをデンドロ、
パフィオペディラムをパフィオ、ファレノプシスをファレノ
といった具合に略して呼ぶ名前が使えないのです)

こうして見てくると、将来にわたって、俳句の季語に「カトレヤ」以外の
洋蘭の名前が入ってくる可能性は非常に少ないと思われます。
前述のように「蘭」という季語は誤解され、新たな季語が生まれる可能性も少なく、
俳句の世界で蘭は永遠に誤解され続けることでしょう。

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訂正 加筆 ございます。ウィキペディア 他 より

とりあえずの掲載です。