LITTLEWHEEL Modeler's Diary

モデルフィニッシャー北澤志朗が、カーモデル作りに明け暮れる日々の暮らしを赤裸々に綴ります。

ACエース・ブリストル(1)

2011年06月01日 22時11分27秒 | モデルカー製作記
5月もあっという間におわってもう6月。
関東地方も梅雨入りしちゃって、雨がちな今日この頃ですが、湿気にまけず新しい趣味ネタを作り始めました。

実は静岡終了直後にもう作りはじめていたので、リアルではかなり進んじゃってるんです。Facebookではチラチラお見せしているんですが、いよいよこちらでも製作記スタートです。当面は回想録的に書いていきますが、そのうちリアルに追いつくはず。

大きいののあとは小さいの、ヘビーな奴のあとは簡単な奴を、ということで、新ネタはプロバンス・ムラージュの1/43レジンキットを作る事にしました。
ACエースの1959年ルマン出場車です。ACエース、と言われてピンと来る人はあまり多くないと思いますが、シェルビーACコブラのベースになったクルマ、と言えばお判りいただけるかと。

ACは1903年創業の非常に古いメーカーで、1920~30年代からスポーツカー・メーカーとして名を馳せた名門です。1970年代に出来のよろしくないミッドシップのスポーツカー3000MEで失敗して潰れかけましたが、ブランドは別会社に引き継がれて今でも存続していて、427コブラのリプロダクションを続けています。

1953年に登場したエースは、最初は自製エンジンを搭載していましたが、1955年にブリストル製2リッター6気筒エンジンにスイッチ、エース・ブリストルと呼ばれました。このエンジンはポストヴィンテージ期の名車BMW328をルーツとし、130bhpを発揮、最高速度は205km/hに達しました。当時としちゃかなりの高性能車です。
ナマズみたいな顔つきが特徴的なスタイリングは、トゥーリングのフェラーリ166バルケッタにインスパイアされたもの、と言われています。まあパクリですわね、平たく言えば(笑)。

ルマンには1957年から3年連続ワークスチームで出場しています。このキットは59年の29号車で、総合7位入賞・2リッタークラス優勝ですから、なかなか立派な成績です。あちらではとても有名な個体なので、プロバンス以外にも、マーシュモデルズとかスパークとか、キットや完成品が色々と出ています。
量産型は平たい1枚ガラスのウィンドシールドですが、ルマンカーはジャガーDタイプみたいなラウンド型のプレクシガラスで、一段とカッコ良くなっています。
↓ちなみにこれが実物。



このキットはプロバンスの白箱ですから、1990年代初めの製品だと思います。初期プロバンスらしく、プロポーションは非常に良好。フードベルトや小灯火類などは全てボディ表面に一体モールドの「立体塗り絵キット」です。トップ画像はとりあえずバリをキレイに取ってみたところ。

↓この時代のプロバンスはけっこう気泡が多いんです。レジンの真空脱泡技術が今よりずっと遅れていたんでしょう。なにしろ20年も前ですから。アゴ下、テール下、サイドシル。もうソーダ状態(笑)。
薄皮1枚で塞がっているのが多いんですが、そのままにしておくと塗装後に乾燥機で加熱している時に中の空気が膨張して破裂するので、なるべく切り開けてパテ埋めしておきます。



↓こういう場合のパテはポリパテが最適。溶剤系パテは深い凹みには適さないし、光硬化パテだと奥の方が固まらないオソレがありますから。ワークの「パテ革命モリモリ」を爪楊枝やタミヤかき混ぜ棒などで穴の中に押し込んで、固まったらヤスリとペーパーで平らに仕上げます。



↓小灯火類などの一体モールドは、全て自作パーツやエッチングなどに置き換えるべく、削り落とします。取付け位置がハッキリするように下穴を開けたり、ドリルでちょっと凹ましておくなど、パーツの収まりが良くなるように取付部の細工もしておきました。
フロントのグリルの脇には、バンパー取付け穴を埋めたリベットがあるんですが、この写真ではまだ穴を開けていません。



↓スジ彫りはちょっと浅くて頼りないので、BMCタガネで彫り込みました。フードのヒンジなどを削り取ったところは、スジが途切れているので、キレイに繋げておきました。


↓とりあえず下拵えが終わったボディ。表面に小さなブツブツや原型に起因すると思われるキズなどが少しあったので、800番のペーパーをかけて面を出し、柔らかいワイヤブラシで軽く磨いて表面を整えました。これでボディの塗装準備は完了です。



今回は基本キットなり、妙な小細工無しでストレートにいきますよ。





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