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醍醐寺の大型駐車場に入ると、すぐ前にひっそりと佇むようにして報恩院がある。長い塀に沿って表門があるだけで、それ以外特に目立ったものもなく、醍醐寺境内が重要文化財である立て札があるだけでほとんど目立たない。もちろん訪れる人のほとんどは醍醐寺や三宝院に行ってしまう。
私も醍醐寺へは何度も来ておりこの駐車場に入るが、報恩院にはその前を通ることはあっても、内部に入ったことがなかった。この日も数は少ないものの観光客が来ており、報恩院には誰もいない。とりあえずこのお寺を目的にやってきたので、入ろうとすると後ろから若者が一眼カメラを持って続いて入ってきた。珍しいこともあるものだ。
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報恩院は醍醐寺の塔頭寺院にあたり、同時に醍醐五門跡の一院となる。門跡寺院というのは京都市内にも数多くあるが、天皇家との関わりの深い寺院であり、一般の寺院よりも格式が高いとされる。表門や建物には菊御紋が添えられ、はっきりとそうであることがわかる。醍醐寺には三宝院や理性院など、こちらを含めて五箇所の門跡寺院があり、そのぶん醍醐寺全体が格式の高い寺院であることを示している。外壁には白い筋が見られ、この本数が多いほど更に格式が高いとされ、報恩院には5本あるのは最高位とされる。
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元々は上醍醐にあった建物が鎌倉中期に報恩院として創建され、移転もして今現在に至っている。境内は結構広いがほとんどが緑に覆われており、これといった建物は本堂だけと言った感じだ。あと社務所らしき建物があった。その境内も庭園としてきれいに整備されてるような様子はなく、たまたまこの日は住職さんが太鼓を打ち鳴らしながら、大きな声でお経をあげていた。内部は暗く写真を撮ったが、何が写っているのか全くわからなかった。編集ソフトで画像を明るくすると、住職さんの前には大きな不動明王らしき仏像が見えてきた。おそらく毎日毎日ここで決まった時間にお経をあげているのだろうと思う。
ほぼ一緒に境内に入った若者は、熱心にお経をあげる住職さんを見つめていた。
なお、表門と本堂は京都府の暫定登録文化財に指定されている。
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