切れ切れ爺さんの徒然撮影&日記

主に寺院や神社等を中心に、文化財の撮影と紹介。
時に世の中の不条理への思いを発言していく。

《 ロシアによるウクライナへの侵略という暴挙 》 ㉒  2022.6.13

2022-06-13 22:56:09 | 社会
 

◆ 現状 戦争の長期化とウクライナ南東部のロシアによる支配の拡大

 ロシアによる侵略開始から3ヶ月半あまり。膠着状態と言われながらロシアはウクライナ全土への一気呵成の攻撃は諦めており、目下南東部に焦点を絞って攻撃をを続けている。日本で報道されるニュース内容についてはかなり部分的な紹介のみになっており、全体像がつかみにくくなっているのは多くの人が感じているのではないかと思われる。
 従ってテレビの報道だけではなく、ネットニュースや YouTube などに投稿されている動画など、様々な情報を集めてみる。が、どれがどこまで本当なのか実際問題として、この先どのような展開が待ち受けているのか予想もできない状態だ。

 報道される内容を毎日見聞きしていると、少なくともウクライナ全土の南東部を除く地域については、首都近郊に時折ミサイル攻撃があるものの、全体的には平穏のように感じる。実際はどうかわからない。南東部については既に2014年にクリミア半島が実質上ロシアの支配下になってしまい、いわば力尽くで領土を奪われた状態のままになっている。そしてそのクリミア半島がロシアにとってみれば、本土からは切り離されたいわば飛び地のような形になっているので、南東部のドネツクあたりから黒海沿岸に沿っての地域を、集中的に攻撃して次々に領土支配を広げている状況にあるようだ。マリウポリはその拠点の一つであったが、最終的には残されたウクライナ兵たちがロシア側に投降する形で、結果的にロシアに支配される形に決着した。
 ウクライナ側も南東部戦線に舞台を送り込み、必死の反撃を試みているもののロシア本土からすぐ近くということもあり、ロシア側はおそらく予備役の未熟な兵隊たちを投入して戦いを進めており、大量のミサイルを使って一進一退の攻防戦になっていると伝えられている。
 
 ゼレンスキー大統領は西側諸国に対して、さらなる最新鋭兵器の供与を求めているが、これらが実際にどこまで実現しているのかは、報道が全くないのでわからない。一部アメリカ製の対戦車兵器などが送られていて有効に活用されている場面は、 YouTube などで紹介されているが、現状そのものはまだまだ足りないというのが実態なようで、ゼレンスキー大統領はさらに武器弾薬の支援を求めている状況だ。現地に居住しているウクライナの民間人たちは逃げようにも、その通路が橋の破壊などで困難になりつつあるという。このままの状況が続けば南東部地域の陥落も、時間の問題ではないかと思われる。
 すでにロシア側に陥落した地域では、急速に町や村のロシア化が進められており、通貨もルーブルに置き換わり、街のあちこちにはロシア国旗が翻りかつてのクリミアが奪われた時と同じような同化政策が進められている。一旦陥落してしまうと、反撃してそこを取り戻すというのはかなり困難になるのは目に見えている。ゼレンスキー大統領がかつて、2014年の時点まで取り戻すと宣言していたが、現状からそれが本当に可能なのかどうかは、かなり厳しいのではないかと思われる。

 一方、支援する側の西側諸国も一枚岩というわけではない。特に NATO 所属のトルコについては他の NATO 諸国とは一線を画しており、ロシアとの一種友好的な関係があり、ロシアに対する経済制裁に対しても全面的に賛同しているわけではない。そういった意味での難しさは、フィンランドやスウェーデンの NATO 加盟申請に対しても大きな足かせになる可能性がある。
 そのトルコは、ウクライナとロシアの両国に対して話し合いによる解決の可能性を示唆している。しかしどのような条件での解決策なのかということが、特にウクライナにとっては極めて大きな意味を持つ。ウクライナが一定の譲歩を要求されるならば、ゼレンスキー大統領はそれに応じる用意は全くないと宣言しており、現状では厳しいというのが実際のところだろう。ただ他の NATO 諸国からの圧力によって、最終的にトルコは両国の申請を認めざるを得なくなるだろうとの見通しのようだ。




◆ ロシアへの経済制裁の影響は

 これもテレビ報道などを見ていてもよく分からない。プーチン大統領本人は一時物価高があったが、このところ落ち着いており、また通貨ルーブルの価値も一時的に弱まったものの今は安定しており、全体として西側諸国の企業が撤退したとしても、市民生活にさほど大きな影響はないと言い切っている。昨日もマクドナルドが撤退した後、その販売権を買い取ったロシアの企業が別名でハンバーガーショップををオープンし、子供を含む市民たちが喜んでいる姿が大きく報道された。
 そして経済制裁をする際に既に言われていたことだが、結果的にブーメラン現象が起こるというのは素人でも予想のつくことであったし、実際にそのような現象が出ている。やはりロシアというのは、石油、天然ガス、小麦などなど地下資源や食料資源の大生産国・輸出国であるし、西側諸国もそのロシアに依存している部分は大きい。未だに一部ロシアの天然ガスなどを受け取っている国があるものの、大半の国はロシアからの供給をストップした。その結果ヨーロッパの冬がどのようになるのか、という大きな懸念が現れている。
 当然このような状況に対して、アメリカ及びアメリカの友好国であると思われていた国に、天然資源の増産要求がなされたが、これが思うように進まないという状況が生まれている。つまりアメリカ以外の天然資源大国である中南米諸国が、政権の全体的な左傾化によって、アメリカ側からの要求を受け入れないと言う実態が生じている。
 これは穀物関係でも同様のことが言える。特に小麦については報道の通り、ロシア及びウクライナは世界の大生産国になっている。ロシアは当然西側諸国への輸出 はストップする。ウクライナについては輸出ができないように黒海沿岸の港を封鎖し、事実上輸出がストップしている。
 その結果、西側諸国においても様々な製品の、あるいは食料品の価格が上昇し始めており、国民生活に大きな影響が出始めている。ブーメラン現象だ。

  

 ところで黒海というのは誰のものなのか。ここはれっきとした公海なのだ。これを勝手にロシアがボスポラス海峡を封鎖し、ここに軍艦や潜水艦を配置しウクライナの輸出入関係の船舶を通せないようにしている。こういうことが許されるはずはないので、ゼレンスキー大統領は更なるロシアへの制裁を呼びかけている。
 水上艦艇については以前にロシアの大型巡洋艦が、対艦ミサイルによって撃沈された。そういった意味では海峡を封鎖している水上艦艇に対して、ウクライナからの攻撃も可能だろう。しかし最近ロシアの潜水艦がこの地域に配置され、多数の巡航ミサイルを搭載していると言う。この潜水艦というのは現ウクライナの所有兵器から考えると、非常に厄介な存在となる。つまり潜水艦に対抗できる兵器がないということなのだ。
 これに対してロシア側は、海峡にウクライナが多数の水上機雷を設置しているので、それを取り除くべきだと主張している。このあたりもどこまでが本当かどうかは分からない。



 こうした状況の中、ウクライナは小麦の輸出を陸路、ポーランドまで運びそこから船で輸出することをつい最近始めた、というニュースが伝わってきた。これはこれでひとつの光明ではあるが、陸路でポーランドの港まで運ぶということ自体が、相当な時間がかかる要素となってしまう。本来ならば一気に港まで運んだ後、すぐに船を出すのが最善なのだが、陸路の部分が長ければ長いほど無駄も多くなる。無論ロシアもポーランド国内には手を出すことはできない。


 (画像はニュース映像より)  (以下続く)
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