goo blog サービス終了のお知らせ 

こころの宝物

「きれい・ねっと」の本づくりのこと
「なおちゃん流ホ・オポノポノ」のこと
あなたのこころにも宝物が増えますように…

そうだ、福島へ行こう(その2)

2010-02-09 22:22:22 | イベント
2010年2月9日(火)姫路のお天気はときどき
どんよりした空に、湿気が多かったですね。

そんな今日はM.K.さんのご本の最終校正
H.M.さんのご本の原稿が入ってきたのでチェック
山本光輝先生のご本のお写真が届いたのでチェック。
小冊子のお見積もりが一件。


************************************************************

出逢ったのは、一編の詩でした。

新日本文芸協会が活動を始めたばかりで
私はまだ本づくりをするなんて考えてもいなかった頃。

不安ばかりが心を覆って
きしおくんのことを笑顔で話すことなんて
まだ、とてもできなかった。


「10人詩集」をつくるから詩を書きませんか?と誘われ
著者の一人として参加して。

「10人詩集」はあっという間に売り切れてしまい
続けて「10人詩集vol2」がつくられました。


その最初に掲載されていた詩。

私は言葉を失いました。



****************************************************


「桜」


嫌だ

なんと言われても嫌だ


三度も手術をした娘の体に

またメスを入れるというのか


癌の舌を切り取っても

まだ足りないと言うのか

目玉まで取り出すと言うのか


嫌だ

なんと言われても嫌だ


娘の亡骸の前で

くしゃくしゃに握り締めたアイバンク登録書


「おまえは自分の気持ちを大事にするのか

 菜穂の気持ちを大事にするのか

 これはあの娘の遺志なんだぞ」


桜が大好きな娘だった

桜が満開になるのを

あんなにも待ち焦がれていた


菜穂子よ

今日はどこかで

誰かの目の中で

おまえの角膜は

この満開の桜を見ていることだろう


あの時

お父さんの言葉で

角膜を残してよかった


誰かの目の中で

おまえの角膜は生きている


ほら

満開の桜が見えるかい

あんなにも見たがっていた桜だよ


あとからあとから

薄紅色の花びらが落ちてくる

お堀の水面を花びらが埋め尽くす


もし人ごみの中から

お母さんを見つけたら

瞳をピカッと光らせなさい


必ず必ず合図を送りなさい

きっときっと知らせなさい


風が吹いている

花びらが舞い上がる

花びらが舞い落ちる


私はむせかえるほどの桜吹雪に包まれて

立ち尽くしている


****************************************************


いろいろな気持ちが交錯して

ひとつひとつの言葉が、心に突き刺さるようで

涙で顔をくしゃくしゃにしたまま

この人は誰だろう……。

書いてあったミクシィネームをたよりに
検索をかけました。


それが福島県の小さなお宿、朝日館の女将さん
みほりんさんとの出逢いでした。



つづきはまた明日…。


お読みいただいて、ありがとうごさいます

山内 尚子 拝