伊達だより 再会した2人が第二の故郷伊達に移住して 第二の人生を歩む

田舎暮らしの日々とガーデニング 時々ニャンコと

小説を発信中

  
  
  
  

  

S君のこと

2020-06-29 07:24:57 | 教え子・学校

時々S君のことを思い出す

娘が幼児の時だったからもう30数年になる。

S君は田舎で祖母と暮らし

中学になった時に札幌の父に引き取られる。

姉が一人いた。

荒れた生活で当時担任は毎日朝電話して起こしていた。

新聞配達をしていた。

そんなS君のことが職員会議でも話題になった。

私は彼の学年には所属していなく

教えてもいなかったが

娘を保育園から自転車に乗せ帰る途中

S君の新聞配達にバッタリ

思わず

S君頑張っているネ・・・と声をかけたが

プイと横を向き無視された。

それ以来S君には声かけしなかった。

小柄でふてぶてしく目つきも悪かったS君

二年生になり

成長するにつれ顔が生き生きしだした。

二年生の時も同じ男の先生が担任だった。

彼は動物園に行ったことのないS君のために

日曜日に連れて行ったりしていた。

三年生になり

担任が女先生に代わった。

修学旅行の時はこっそりS君のためにお弁当を作って

行ったりとそれはそれは職員一同気を使っていた。

修学旅行のレクでは主役を演じ

落ち着いたかに見えた。

それが突然のマンションからの飛び降り自殺

どんなに担任は辛かったことか

いつも子犬のようにじゃれ合って遊んでいた

仲間はいじめ・・・と報じられ

生徒が言わなかったことまで虚偽の新聞報道

毎日のように遅くまで職員会議。

小さな子供を抱えた私も本当に辛かった。

会議に娘を連れてきたように思う。

でも

本当に辛かったのはS君だったろう。

前にも一度このブログにも書いたと思うが

自殺する何日か前

新聞配達しているS君に声をかけられた。

修学旅行楽しかった・・・と聞くと

はいと元気よく応えそばにいた娘の頭を優しく

撫でてくれたりした。

あの野生児だったS君がこんなに変貌するなんて・・・

もう

大丈夫・・・と私は胸をなでおろしていたのに

S君の行動はショックだった。

天国で安らかに眠っているだろうか・・・と時々

思う

切ない・・・現役時代で一番忘れられない

悲しい思い出である。

たった一つ

書き置きがあった。

「もう人間やめたい」

S君のことは過去ブログに詳しく載せています

カテゴリ「教え子・学校」


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« どちらもビクビク | トップ | 昼カラでクラスターが続いている »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

教え子・学校」カテゴリの最新記事