伊達だより 再会した2人が第二の故郷伊達に移住して 第二の人生を歩む

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ジャコシカ123

2019-09-30 16:15:51 | ジャコシカ・・・小説

 「赤間さんが札幌の伯母さんに報せて、伯母さんがお前さんに伝えたと言うことか」

 

 「そんなところね。最初に謝っちゃうけれど、一度も連絡しないで、所在も報せないでごめんな

 

さい。

 

 私、心得違いをしていたし、それにここの海を見るのがずっと怖かったの。

 

 辛かったし、誰かを憎まないと自分が立っていられなかった。だからその気持ちを鉄さんにぶつ

 

けていた。本当は鉄おじさんにはずっと申し訳ないと思っていました。

 

 感謝しているのに、薄情で不義理で可愛気のない子でした。

 

 小父さんが倒れたと聞いて、改めてそのことが良く分かった。だからこのまま死なれたら取り返

 

しがつかないと思ったの。

 

 鉄小父さん赦して下さい」

 

 「いきなりよしてくれ。わしは当分死なないつもりだ。お前さんはわしの娘だ。そんな他人行儀

 

な言い方をされたら、どうしていいか分からなくなる。

 

 分かっているよ。お前さんにとって、ここが辛い場所だってことは、充分に分かっている。だか

 

らもうそんな言い方はしないでくれ。

 

 帰って来てくれて嬉しいよ。

 

 とにかく、何というかよかった。嬉しいよ」

 

 高志は今までに見たこともない、優しい笑顔の鉄さんを見て、自分がこの場所にいることに、心

 

苦しさを覚えた。

 

 そんな高志に気付いたのか、それとも今のあやとのやりとりを終わらせたかったのか、鉄さんは

 

話しを変えて言った。

 

 「彼は居候だ。昨年の11月からわしと暮らしている。漁協の休憩所で拾った。

 


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