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イチョウの下のよもやま話

埼玉県深谷市にある
吉祥寺の住職のブログ

天台宗勤行儀 その12 跋(1)

2017年08月03日 | 謹賀新年
天台宗勤行儀には、天台大師和讃と 伝教大師和讃とが載っていますが、
ここでは省略して 跋文に進みます。

跋文とは、後記の事です。






          跋


“勤行”とは、もともと「努力して行う行為」「熱心に修行する」という意味です。

この言葉は、仏教以前の、『老子』や『荘子』に すでに出てきます。



仏教(経典)は、インドから中国に伝わり、やがて挑戦半島を経由して日本に至りますが、
その糧において、インド語(サンスクリット語・パーリ語)が 中国語(漢字)に変換、
つまり漢訳されます。

そして、経典の漢訳が盛んに行われると同時に“勤行”という言葉が 
お経の中に頻出するようになりました。

例えば、『無量寿経』『佛遺教経』『大智度論』などがそうです。



日本に仏教が伝わると、“勤行”というと
「一日の内、時間を決めて、本尊様やお仏壇の『お位牌の前でお経を読むこと」
と解釈されるのが一般的になり、
“おつとめ”とも言うようになりました。

「朝のおつとめ」を“朝事”と言ったり、
「夕方のおつとめ」を“夕座”と言ったりします。



天台宗の“勤行”は、大儀には
「菩薩さまと同じ気持ちを持って日々生活していくこと」
と定義してよいでしょう。

そうなるためのひとつの修行方法として、
この『天台宗勤行儀』のような“おつとめ”があるのです。





今日は、ここまで!