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仏名会 その3

   一方、現存仏名経典中 最も大部の『三十巻本仏名経』も
   『十二巻本仏名経』に準じて増補された経典で、
   各巻毎に 

   ①仏名 

   ②経名 

   ③菩薩名 

   ④声聞縁覚名 
   
   ⑤三宝敬礼の事等

   ⑥宝達の三十二地獄歴訪

  が類型的に説かれている。



  さて、十六巻本、三十巻本の基本となった十二巻本は、
  菩提流支が 正光年間(520~524)に訳出した経典で、
  仏、菩薩、辟支仏名が 計一万一千九十三 記されている。



  また、仏名の受持読誦の功徳として、

  必遠離一切業障、

  永滅諸罪、

  超越世間不入悪道、

  不得作五逆罪、

  当得宿命、

  不久転法輪、

  必得不退菩提、

  得脱三悪道、

  畢竟不退阿耨多羅三藐三菩提、

  一切諸魔不能道、

  畢竟得大無畏、

  摂取無量無辺功徳聚、

  畢竟不入地獄不入畜生不生辺地不生貧窮家不生下賤家常生天人豪貴之處常得一切世間尊重供養乃至得大涅槃

  等が挙げられ、即ち過去の罪業を滅し、
  現在を安楽ならしめ、
  未来の開悟と平安が捧げられるというのである。





  仏名を誦し、礼するという行為は、
  哲理的には 仏 即ち 如来 即ち 真如のすべてを
  礼讃するという事で、
  如の思想に関わる、
  如の顕現云々の解釈がなされるであろう。

  しかし、日本の仏名会に見られる如きを考えると、
  求められたのは 多くの仏名を唱えるという中の
  むしろ 呪術的意味合いのものであったように思える。
 
  日本的祓の観念の仏教的発揮である。






今日は、ここまで!


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