BioDoxology

生物と映画と政治とマレー・インドネシア語にうるさい大学生の戯言

海外ドラマ「glee」

2011-06-23 01:14:10 | 雑記
 今、英語の勉強の一環としてNHK BSプレミアムで毎週金曜午後10:00放送の海外ドラマ「glee」を見ている。デジタル放送昨日で、音声を英語にして日本語字幕をつけることができるので、録画して字幕を頼りに、巻き戻しも繰り返しつつ英語のセリフを聞き取っている。アメリカの高校のグリークラブ(歌とダンスのパフォーマンスチーム)を舞台にした青春ものなので、会話は中高や入試、TOEICなどの公式テストで耳にするようなものとは全く違い、超インフォーマル、マシンガンのような早口で、正直半分も聞き取れないが、学校で学ぶことのないいろいろな表現が見つかって面白い。学生が話す言葉には下品な単語が多く理解不能なことが多いが、教師は比較的聞き取りやすい、その中でもベテランの嫌味なオバサン教師は古い言葉が多い、などの違いもある。

 いくつか例をあげると(右側はテレビの日本語字幕)、
・have~by the balls ~を尻に敷く
・Totally. まじで。
・Sucks. もう最悪。/ダサいね。
・Cut the crap. とぼけるな。
・stud 字幕では訳されていなかったが、もとは「種馬」。転じて、「性的関係を持つ相手が多数おり、自身の精力に自信のある男」。(ロングマン現代英英辞典からの拙訳)

 見るからに汚いですね(笑)。また、アメリカでしか通じないような言い回しもある。例えば、嘔吐する様子を表すのに“Linda Blare”という名前が出てきた。この人は、1973年のオカルト映画「エクソシスト」で悪魔に取りつかれ、緑色の液体を吐き出していた少女リーガンを演じた子役である。いかにエクソシストがアメリカ人の生活になじんでいる(?)かがわかるだろう。字幕では「エクソシストみたいな」となっていた。まあ、分かる人には分かるか。日本でいえば「寅さん」というだけで「男はつらいよ」シリーズのことだと分かるのと同じようなものだ。

 またドラマを見ていて驚いたのは、人種や障害者といったマイノリティが非常にオープンに、というか露骨に描かれていたこと。アフリカ系のメンバーが「R&Bを歌いたい」というと、白人が「ブラックの歌なんて嫌だ」と言い返す、ユダヤ系の男子メンバーに親が「あなたもユダヤ系の子と付き合いなさい」という、などなど。知的障害のある生徒の役として、おそらく本物の知的障害者(おそらくダウン症)が出演することもある(日本ではつい最近ダウン症の俳優の出演が話題になった気がする)。さらに、聴覚障害者の教師(おそらく演じているのは健常者)が相手の話を聞き取れず、勝手に話を進めてしまうというシーンは明らかにギャグにされている。そのあと、これもおそらく本物の聴覚障害者によるパフォーマンスがいかにも、感動的なシーンとなって出てきたので、製作者が「障害者を馬鹿にしているわけではないですよ」と言っているようだが、日本でこんなことは不可能だろう。アメリカというと多様な人たちが共存する、というイメージを持たれがちだが、これを見ると、あくまで存在する権利を平等に認めているだけで、「あとはどうぞ頑張ってください、マイノリティだからといって特別なケアをあえてすることはありません」といった空気が感じられる。社会保障政策にも共通するような精神が表れているようで興味深い。いい悪いは別として。

 肝心の内容だが、正直自分には合わない。登場人物が、チャラすぎる(笑)。浮気はもはや公認の文化のようなもので(石田純一か…)、生徒同士はもちろん、身重の妻がいる男性教師がスクールカウンセラーと不倫一歩手前など、貞節のかけらもないような連中が多く、なんでこんなにだらしないんだ、と腹が立ってくる。特に男子生徒のフィンというやつ。妊娠した彼女クイン(実は子どもは別の男子との間のものだが、フィン自身は自分の子だと思っている…苦笑)のために仕事を見つける、と言っておきながら、同級生のレイチェルにほれ込み、「ナイスバディだ、胸は小さいけど」などとほざいている。今のところ改心してレイチェルからは手を引いているが、こいつ無責任すぎだろ?そもそも、彼は学内で“Mr. Popular”(字幕では「学校一のイケメン」)と称されているが、見る限りマッチョではあってもさしてイケメンではない(笑)。自分の通っている大学に、欧米人でも日本人でも、よほど彼よりイケメンな人がいると思うんだが。