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生物と映画と政治とマレー・インドネシア語にうるさい大学生の戯言

横浜マラソン

2011-12-26 00:35:58 | 雑記
 課題に追われる怒涛の12月が終了、やっと時間ができたのでここから一気に更新していきます。

 もう3週間も前だが、12月4日の第31回横浜マラソン10kmの部に出場してきた。自分の姿を見知っている方々ならおわかりだろうが、このわたくしおよそ運動、特に運動神経とは無縁である。参考までに述べておくとBMI指数は17前後である。にもかかわらず、なぜこんな無謀な試みに出たのか?もともとのきっかけは、今年1月に朝日新聞に掲載された「1年かけてフルマラソン完走を目指す」という記事であった。運動と無縁とはいえ、体型も幸いして長距離走にはそこまで苦手意識がなかったため、挑戦するのも面白いではないかと、記事をスクラップしておいた。しかしいつもながら、学校が始まればそんな練習に割ける時間もなく、10km走るのがせいぜいといったところで夏休みに。そんなときに見かけたのがこの横浜マラソンのチラシで、10kmの部ならこなせるだろうと思い、同じマンションに住んでいることが発覚した大学の同級生(笑)を誘ってエントリーしてしまった。ところが休みが明けるとますます練習時間が減り、11月に入って焦って練習を再開した程度である。

 かたや、誘った同級生は夏から週2回練習を積んで10km完走できるようにしてきたという。見た目ががっしりしていた人だったのでスポーツも得意だろうと思っていたのだが、意外にも高校時代以降は運動をしておらず、初めは2kmで疲れてしまっていたところからトレーニングし続けたとのこと。誘った本人よりよほど熱意がある。本番1週間前に2人で近所の公園で10km走ってみたところ、かろうじて自分が先にゴールできたのでよかったが、エントリーした時に妄想していた50分以内には遠く及ばず、54分かかってしまった。

 そして本番。緊張したせいで前日は午前3時まで眠れず、3時間睡眠という最悪のコンディションで出発だ。相棒は全く緊張せずに6時間以上眠れたらしいが、「眠い眠い」とのんきにぼやいている。こいつめ。しかも会場の山下公園に向かう途中で「腹が痛い」と言い出し、高級ホテルに入っていった。しばらく待つこと数分、出てきた彼は「みんな同じ事考えてたみたいだ」と、ランナーとしか思えない格好の男性たちがホテルのトイレに並ぶ謎の光景を解説してくれた。まあ、めったに見られないものではあるが。山下公園はとにかく人だらけ。更衣室としてテントが張ってあったのだが、テントの中もひどい混雑で、座ることすらままならない。やけに時間がかかりながらも着替え、荷物を預けてスタートまで待つ。50分もある。周りでは本気度の高そうなランナーたちがウォーミングアップに励んでジョギングをしているが、そこまでの熱意もない我々2人はぶらぶらと公園を散歩し、ストレッチをするくらい。途中公園内のトイレを見つけたが、目を疑うような行列ができていた。ホテルのトイレに入って正解なわけだ。

 いよいよスタートが近くなり、スタート位置に並ぶ。イチョウ並木のきれいな車道を思いっきり占拠して走れるのがこのレースの魅力だ。予想タイムによって並ぶ位置が決まっており、自分たちを含め予想タイム45~60分の人たちは最後方である。スターターゲストには我らが林文子横浜市長(相棒は名前すら知らなかった)と、何と横浜Fマリノスの中村俊輔。当然ながら声援は俊輔にのみ向く(笑)。そしてついにスタート。しかしこの人の多さである。まず、開始30秒は動かない。その後徐々に歩き始め、合計2分間は完全なお散歩状態。一応54分での完走を目指していたのでかなり焦り、人がばらけてくる矢田港をしまくってペースアップ。気がつくと相棒はいなかった(笑)。1km通過時点で6分30秒。遅すぎる!自分は前半と後半でペースが変わらないので、1km5分半くらいで走らなければならない。急いでペースを上げようにも人が多すぎて無理である。しかも1km通過直後に道が狭くなり、またしてもお散歩を強いられる。そのうえ、道幅が広く周りの人たちがみな走っているので、自分のいつものペースが全くつかめない。

 おそらく3~4km進んだかというところで、すでに折り返してゴールへ向かう1番手とすれ違う。どんな速さだ?その後、5km折り返し地点に到達。タイムは手元の時計で29分59秒。なんということだ。あまりに遅いではないか。54分でゴールするには残り5kmを24分で走らなければならない。ここでちっぽけなエンジンが全開モードになった。そろそろ人ごみもかなり解消されてきたので、蛇行しながら懸命に周りを抜いて走り続ける。他人を抜くにはかなりペースを上げなければならず、そのうえ蛇行で走る距離が増えるので、どんどん疲労が蓄積していく。6kmほどの地点で給水があったが、何とここも混雑していて行列ができてしまっていたので、水を受け取らずにパスする。一度やってみたかったのだがお預けだ。当然ながら路面に水が散乱していて、水たまりを踏んだ。そんなことに構う余裕もなくひたすら走り続ける。

 あと3kmの表示が見えた。手元の時計で40分ほど。まずい。間に合わない。前半でペースダウンを強いられた狭い道に差し掛かる前にどうにかして順位を上げなければ。ここでゆるい上り坂が来た。苦しすぎる。例の狭い道に入る。ところがすでに人がばらけていてペースが落ちない。いや、落とすことはできるのだが、さっきまで抜いて行った人たちにぬき返されるのが悔しいので勝手にペースを維持。そんな中、15分ほど前にスタートしたハーフマラソンの部の1番手にぬき去られた。だから、どんな速さだ?坂が下りになった。沿道でおびただしい数の人が声援を送ってくる。その声も耳に入らないくらいに必死で走る。しかしいつまでたってもスタート地点の銀杏並木に入らない。そろそろ限界だ。

 すると、何やら前方に青いゲートのようなものがある。何だあれは?なぜかタイムカウンターがついている。その上のほうにFINISHと書いてある。ゴールだ!ゲート30m手前でやっとその事実に気付く。残った道をラストスパートしてついにゴール。手元の時計で、54分51秒。54分を切ることはできなかったが、初めにスタートラインまで到達するまで2分かかっていることを考えれば、目標達成だ。今までの練習とは比較しようもない疲労感と足の痛さ。ふらふらしながら参加賞のアクエリアスとTシャツをもらい、荷物を受け取ってテントへ。しばらくしてからあの同級生にも再会。彼も無事1時間1分ほどでゴールしたとのことで、「マイペースで楽しく走ったわー。いやあ楽だった!これで就活の自己アピール欄が埋まるわ!もう2度とやらねえ!」とへらへらしている。事前の熱意と本番のやる気で順位が逆転している我らであった。

 あまりの疲労でもはや着替えるのも面倒になったので、Tシャツに行きの上着を羽織り、下はジャージのままで帰宅。これだけ疲れればよく眠れるだろう、と思っていたのだが、体が痛すぎて眠れなかった(笑)。翌日、授業が1限からあり、しかも午後は脳科学のシンポジウムに出るという超過密スケジュール。シンポジウムの途中で寝落ちたのは言うまでもない。だが出場したことに悔いはない。本番のレースは練習と全く違うつらさがあり、今回はそれを思い知ったが、同時に達成感も大きい。来年はハーフか?まあ、そういっておきながら結局練習せずに10kmで妥協していそうだが。

 さらに後日談。実はレース時にランナー全員がタイムの計測器を身に着けており、後日詳しいタイムや順位がわかる仕組みになっていた。送付されてきた結果を見ると、初めにスタートするまでの時間ロスを加味した正味のタイムは52分41秒。軽く自己ベストだ。順位はなんと3717人中1553位。20歳代男性の中でも473人中221位。この自分が、半分より上でゴールだと?意外と皆さんレベルが低い。特に20歳代男性、もっと頑張れ(笑)。最も驚いたのは5km折り返し地点での順位で、3717人中1834位。これでゴールした時に1553位ということは…後半5kmで281人抜きをしていたことになる。そりゃあ、つらかったのも当然だ。ということで、ちょっと自慢できてしまう体験であった。

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