ちびたの日常

のんびり息子と猫たち&イギリス人ハニスケと

たくさん出会う

2010-12-20 | 私の愛する仲間たち
昨日は半日ず~っと友達と息子とウロウロしていた。

友達と行っても70歳を過ぎている。
その人は全盲で、私が手を引いたり子供が手を引いたり。

アート展へ行き、昼ご飯に行って入院している奥さんのお見舞いに行った。
奥さんも足に障がいがあって、今回大きな手術をした。
リハビリの効果があって、杖一本でやっとだけど歩けるようになっていた。
それを嬉しそうに見せてくれた。

その後もう一人の友達の家へ行った。
彼もまた盲目で、見えていた頃の自分への未練と17年経った今も葛藤している人だった。
だから私は二人を会わせた。

全盲でも人を導ける生き方をすると心に思って、カメラを握って写真を撮る。
見えなくても温度やにおいでバインダーを合わせる。

そして陶芸教室で焼き物を作ったり、パソコンで写真付き年賀はがきを作ったりと健常者でもしたがらないことだってやる。


昨日迎えに行ったとき、綺麗に洗濯物が干してあった。

ちゃんとハンガーに掛けて均等な感覚で干してあった。


奥さんはあと2ヶ月以上は退院してこない。
それまで一人暮らしになる。

家事をして、診療所を切り盛りして、写真を撮って湯飲みを作り、奥さんの病院へ行って洗濯物を取って帰る。

全盲だからとか見せない。生きる。「生活」と言うことに向き合っている立派な男性だと思う。
できない人はたくさんいる。

私は盲目の二人を引き合わせたかったし、二人もそう望んでいた。

二人とも話が弾んで、別れ際「もう70過ぎたし、いつ何があっても後悔しないように楽しんで生きるんです」とそういって自分の音声腕時計を相手の腕につけてあげていた。

いつも持ち歩いているカメラで写真を撮ってあげて、帰りの車の中で彼は言った。

「もしもこれから目が見えるようになる希望があるなら、見えていた頃の自分に未練をむき出しにしてもいい。だけど見える日が来ないとか、いつになるかわからないなら生きるということを考えなきゃいけない。
この世界(現実)に浸かって、いろんなところへ行ってみんなの前に立たなきゃいけない。
自分のことが惨めに思えるだろう。目が見えないからとバカにする人だっていたよ。
だけど俺はそういう人は俺たちのことを知らないんだと思う。だからつきあって教えてやって、今じゃ誰より俺を頼ってくれる。
人を導ける人になればいいんだよ」


この人がした苦労は私が想像もしないものだったのだろうと、理解しようなんて恐れ多いような気がした。
コメント
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