社長が私にクリスマスプレゼントをくれた。
変な意味ではない。純粋にそうしたかったのだろう。
珈琲豆だった。
私はよく子どもを遊びに連れて行く。
あとたまに猛烈に凝った料理を作ったり、英語など得意な科目は私が教える。
社長はそれをわかっている。
私が会社の友達にいろいろ話しているからそれで聞いているんだろうけれど、社長は「あなたは一人で子供さんのためによくやってる。いろんなところに連れて行ったりお菓子を作ったりして喜ばせて頭が下がりますよ。いいおかあさんなんですね」と言われた。
いつも、会社のことでは振り回してくれる社長なのでいろんな葛藤を持つものだけどでも普通に人間として一人一人を見ているんだなと思った。
それに私はまだ足りないと思っている。でも社長は褒めてくれた。
私は素直に嬉しかった。
社長はもっと若い頃、家族には苦労したようだ。だからこそ私が一人で子どもを育てる姿に関心があるようだ。
会社では私がたった一人の母子家庭で、社長にとまりやすいこともあるのだろう。
社長が私の名前でコーヒー豆を予約してくれていて、そのカードを持って「これは私からのプレゼントです。子どもさんがいらっしゃってもいつも頑張ってくれているから」
新年会で息子を連れて行ったときはお年玉をくれたこともあった。
私は褒められてご褒美をもらうなんてことはそんなにない。当たり前だからだ。
自分もそう思っていた。出世したときも友人が昇進祝いをしてくれたけれど、身近な人間からとくにおめでとうと言われたりもしなくて、自分でもまわりに期待していなかったのでがっかりもしなかった。
私のことを認めてくれているのは私の息子、そして会社のみんな、社長、そして友人。そうやってわかってくれている人間がいるだけで報われる気がする。
私は頑張れる気がする。幸せ者だなあと思う。