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Tedのつゆ草の旅

母校関西学院ラグビー部とアメリカンフットボール部の試合を中心に書いているブログです。

ラグビー大学選手権

2009-12-10 23:48:26 | ブログ

【選手権組み合わせ決定! 初戦の相手は同大】

初戦は同志社大!7日に行われた抽選会で、今年の大学選手権の組み合わせが決まった。関学の初戦はなんと、リーグ最終戦で勝利したばかりの同大。波乱うずまく選手権で、関西王者の強さを見せつけられるか。

まさか、の展開だ。その発表に驚きにつつまれた。関西1位でシード権を確保し、準決勝で早稲田大と当たるブロックに入ったのち。小原組の初戦の相手が決まった。『紺グレ』だ。

抽選会のつい2日前、リーグ最終戦であいまみえたばかり。しかも一回戦の会場は同じく花園。対戦相手も場所もまったく一緒の〝再戦〟が行なわれることとなった。

それでも前回とは互いの気持ちの面が異なる。リーグ戦とは違い、負けたら終わりのトーナメント。自分たちはもちろん、相手も必死になってぶつかってくる。向こうにとっては2回戦進出もついてくる、大きなリベンジマッチ。お互い手の内は見せ合っているライバル同士だけに「意地と意地のぶつかりあいやね」と主将・小原(社4)は話す。

たとえ一度は下した相手でも、あなどることはない。むしろ警戒心を強めている。先日の試合を振り返って、分析スタッフたちも相手の出方に「何をしてくるか分からん!」と悩む。最終戦はキックパスに翻弄され、ピンチに陥った場面もあった。再戦も楽観視はなく、同大と真正面から激突するつもりだ。

そのために「強化できるとこは強くして。DFを強化したら、もっと良くなる」。2週間でさらなるレベルアップをはかる。週末には同大対策を兼ねた合宿を行い、『自分たちのやりたいラグビー』を再確認する。

「春から大学選手権のためにやってきた」と話すように、一時も忘れることのなかったバトルフィールド。組み合わせを見る限り、他のブロックと比べても激戦区と呼べるとこではない。けれどもKGラグビーの真髄でもある「がむしゃらにやる」ことを忘れずに、日本一への階段を上っていく。まずは初戦、紺グレを迎え撃つ!


母校ラグビー部 V2

2009-12-06 19:37:02 | ブログ

名実ともに関西ナンバーワンへ。無敗で連覇を達成した小原組が最終戦で〝関西の雄〟同大と戦う。もはやタイトル争いはそこになく、かけるのは互いの威信のみ。その関西リーグ最後の戦いで、小原組には「やり残したことがある」のだ。

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▲使命を果たすべく、戦いに臨む

[関西の頂点へ

 関西2連覇は、まさに新時代の到来をつげたようであった。春から作り上げた『FWラグビー』は代名詞になりつつある。その武器で、ことごとく立ちはだかる関西の猛者を倒してきた。だが関西タイトルを取った天理大戦の試合後、指揮官たちは部員たちに話した。「やり残したことがある」と。

 2連覇は通過点なのは言わずもがな、目標はかねてからの日本一だ。けれども最終戦を残して、まだそちらを見ることはならない。チームには課せられた使命がある。萩井HCは話す。

 「チームとして、見ている人に『夢と感動を与えるプレー』を。それが関西ではやりきれていない」

 これまでも副将・片岡(総4)が口にしてきた『夢と感動を与えるプレー』。それは関学ラグビー部の至上命題でもある。「見てくれる人、小中学生や高校生が将来入りたいと思えるようなチームに」(萩井HC)なるために、全力プレーを見せる。そのプレーが将来の関学ラグビー部へとつながるのだ。

 むろん勝ち負けにこだわらないわけではない。全勝優勝は小原組の強さを示す何よりの結果になる。その最後を飾る相手が、同大ともなればなおさらだ。

 大崎監督も「次の同志社戦があるので、もう一回」と締めたのち、打倒同大へ意欲を見せた。「『〝関西の雄〟は同志社』というイメージがあるので、それをくつがえしたい」。

 『夢と感動を与えるプレー』を実現させ、同大を下し、名実ともに関西の頂点に君臨する。新時代への橋がけ、それこそが小原組にとって関西で果たすべき役目。シナリオは出来上がっている。


【萩井HC 母校と対戦】

 萩井HCにとって母校と戦うこととなる。けれども「全然複雑な気持ちないよ!よく聞かれるけど」と話す。

 チームの成長を願っている。「関西であれば、同志社と関学が切磋琢磨するような環境に作ってあげれば」。関西の雄に匹敵するチームに作り上げることが目標。もちろん同大戦は特別な意識を持つ。

 「自分の気持ちが変わるよりも、同志社に対しては選手に気持ちを変えてあげたいな、と。意識する気持ちを持つように選手には伝えている」。

 今シーズン、朱紺が関西の頂点に輝き、紺グレは早々と優勝戦線から離脱した。来年からはどうなる?。そうなったとき、萩井HCがライバルとしての同大の成長を願うときがくるかもしれない。


【『朱紺スポーツ』vol.22】

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天理大戦 試合詳報&観戦記

2009-11-30 14:39:42 | ブログ

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▲喜びを爆発させる


 この日も代名詞である『攻撃力』を爆発させた。序盤からFW陣を中心にゲームを組み立てていく関学。試合を重ねるごとにテンポが上がっていくパス回しと、ラインを超えていこうとする動き。FL西川(文4)が先制点をあげると、ナンバー8大滝(社4)がそこから3トライ。一気に天理大を突き放す。


 後半に入ってからも攻撃の手が緩まることはない。スクラムや一対一で相手を圧倒し、追加点を重ねる。天理大のディフェンスを打ち砕いた。「モールで取りきれなかったことが残念。それ以外で競ったことが勝利につながった」と大崎監督は話す。


 一方でディフェンス面でも奮闘。ゲームもほとんどは敵陣深くで展開され、「3本トライ取られたけどあの位置で戦っている限りは負けることはない」と萩井HCもうなずく。攻守ともに天理大との実力差を見せつけた試合だった。


 全勝対決を制し、残り1試合を残して関西制覇を決めた小原組。最終戦では同大を倒しにかかる。「次の同志社戦をしっかり勝って。関西の雄は同大というイメージあるので、それを。昨日のジュニアのリベンジも果たして」と指揮官。新たな歴史を刻んだ朱紺の闘士たちは、名実ともにナンバーワンを証明すべく、関西圏完全制圧を目指す。


母校ラグビー部関西リーグ2連覇

2009-11-30 12:57:35 | ブログ

 朱紺、関西の頂点で轟く!全勝同士の直接対決となった天理大戦。小原組は代名詞である『FW』を中心にゲームを展開し、相手を圧倒する。45-21で勝利を収め、2連覇を達成した。

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▲試合終了後、グラウンドにて

[FW力、全開]

 刻々と近づく、歓喜の瞬間。SO渕本(社3)がコンバージョンキックを成功すると同時にノーサイドの笛が親里の地に鳴り響く。万雷の拍手が降り注ぐなか、朱紺の闘士たちが喜びを爆発させる。関学ラグビー部が連覇を達成した。

 優勝のかかった大一番で、これまで以上に自分たちの持ち味を発揮させた。「ウチのFWがだれだけ前に出きれるか」。そう大崎監督が話すように、FW陣が攻守双方で躍動。春先から作り上げてきた『縦に』押し上げる形で、天理大に迫る。得意のモールでゴールラインを割ることはかなわなかぅたが、ナンバー8大滝(社4)が3トライを決めるなど攻撃力で圧倒した。

 そこには「必死に」戦う男たちの姿があった。関西タイトルを目前に、自分たちに足りなかったものに気づかされた。「天理戦の前までは必死さが足りんかった。ひたむきにやったら勝てるから。圧倒しようや」。そうチーム内で闘志のスイッチを入れ、試合に臨んだ。くわえて試合前のアップでは出場機会のない4回生がタックルバックを持ち、出場メンバーに気合を注入。涙を浮かべる部員もいた。そうしてチーム一丸となって、栄光を掴みにいった。

[全員ラグビー]

 自分たちのラグビーを最後まで貫いたフィフティーン。試合中も声援の手を緩めなかった関学応援スタンド。天理親里という完全アウェーの状況をくつがえし、栄光の瞬間を朱紺一色に染め上げた。「学生やOB、いろんな方に連れてきてもらった。感謝の気持ちでいっぱい」と指揮官が話せば、主将・小原(社4)も「いろんな人に支えられてこれた。ありがとう」と感謝の気持ちを述べる。関学を取り囲むすべての者が願い、そして全員で掴んだ関西連覇のタイトルだった。


●【大滝 3トライ】

[活躍3トライ]

 まさに『GO FIGHT!』。ナンバー8大滝(社4)が3トライの活躍をあげた。

 無我夢中だった。先制するもすぐさま追いつかれた試合序盤。膠着状態のまま進んだ前半24分、敵ゴール前のスクラムから抜け出すと追加点となるトライを決めた。「むっちゃ嬉しかった」と握り締めた拳を振り上げ、喜びを表現した。

 「あそこが勝負わけるところ」と振り返る大滝。それを自らの手でものにし、そこから彼のオンステージが始まった。31分に相手DFに真正面から立ち向かいインゴールを陥れると、前半終了間際にもトライ。相手の戦意を喪失させるような計3トライの活躍で前半リードに導いた。

 大一番にプレーで結果を出したが、それまでに気持ちの面を前に出していた。天理戦をひかえたこの1週間、体調不良で離脱した小原の代わりに練習時はチームを牽引。「負けられへんな」と主将の穴を埋める姿勢を見せた。

[仲間とともに]

 大滝の胸にある思い。それは「4回生、全員で試合に出る」というもの。FL山本真(経4)とは10年来ともに楕円球をつなぎ、そして4回生が多いFW陣のなかでプレーすることに喜びを感じている。「やってて楽しいし」。同志への思いがあるからこそ、試合でも練習でも気持ちが表れる。「ライバル同志社倒して、全勝で新しい歴史作って」と最終戦の意気込みを語る大滝。仲間とともに、歴史にその名を刻む。

●【村本 選手権に間に合わせる】

 CTB村本(文2)がアクシデントに襲われた。後半にゴール前の密集のなかで膝を故障。「最後まで出たかった」と悔しさをにじませながら、担架でベンチに運ばれた。

 試合では相手の同ポジションのアイセア・ハベア(日本航空二)と対峙。「あいつさえ止めれば勝てる」と試合のキープレーヤーを倒すことを考えていた。奮起するFW陣に負けないほどの、前に打ってでるプレーを見せた。

 ノーサイドの瞬間は大滝におぶってもらい、歓喜の輪に参加。歩くこともままならぬ体だったが、絶望するほどのものではなく。「選手権には間に合わせて」と戦列復帰を誓った。

【『朱紺スポーツ』vol.21 ~V2ver.~】

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【『朱紺スポーツ』vol.21 ~大滝ver.~】

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いざ決戦へ!

2009-11-29 00:51:13 | ブログ

 決戦のとき来たる!リーグ戦第6節・天理大戦が明日に迫った。この日はAチームだけが朝からグラウンドで調整。心身ともに万全の状態で臨めるようにチーム全員で気合を入れた。視界は良好、まずは関西一の称号を掴みにいく。

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▲主将・小原がチームを鼓舞する

[平常心で

 ジュニアチームが昼から試合を控え(対同大)、そちらの応援にいくため関学第2フィールドで朝から練習を開始したAチーム。練習メニューは試合当日のアップと同じもの。汗を流すメンバーたちの表情も、いつもと変わらない。「実感がないっていうかいつもと同じ感じ」と小原(社4)。平常心がグラウンドに流れる。

 優勝がかかった大一番にも、とりたてて意識はなく。「相手は関西一を意識してるチーム。それを圧倒するぐらいに。オレらは日本一やし」。一点の曇りなく見つめる目標がある。だからこそ、ここでつまずくわけにはいかないのだ。

 主将自身は接戦になると踏んでいる。「うまいし、速いし」。それでも「相手が強ければ強くなるほど、本領発揮する。あとはベストパフォーマンスできるように気持ちいれて。(そうすれば)勝てると思う」と勝利のイメージは出来上がっている。

●【原点回帰】

 あせったときは原点に返れ!接戦が予想される天理大戦。アドバイザー・横井氏の進言を小原は胸にとめた。相手の猛攻やピンチの場面になったときこそ、『強み』に返ることが大事。今年の関学のそれは『FW』だ。

 「敵陣でモールとか。FWで崩す。プレッシャーかけたら絶対勝てる」。自分たちの自信ある武器が、ここ一番の頼りになる。もちろん「あせったら」というピンチの場面での話ではあるが。「あせらんで自分らのラグビーやったら」と主将は意気込んだ。

●【学内から応援の声】

 練習をきりあげ、部室にもどる最中。横切った学内清掃員から「頑張ってください!期待してんで!」の声。主将も頬をゆるませた。

 学内の期待もラグビー部に集まっている。「(周りも)けっこう言ってくれるし。1年のときのゼミの子とかも」と小原自身は実感している。

 去り際に「良い顔してる!」とエールを送られた主将。その期待に応えてみせる。

【『朱紺スポーツ』vol.20】

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[意思疎通

 その白星のために、準備には余念がない。練習時のチームトークでは『コミュニケーション』の必要性を再確認した。それは小原組が永遠の課題としているもの。「アッシー(SH芦田=人2=)とフッチー(SO渕本=社3=)だけじゃなく。オレらもしゃべって話しかけて」。ミスを減らすためには、プレー中の意思疎通が何よりも大切。より正確なプレーを生み出すために、声だしを徹底していく。

 朱紺の闘士たちは明日も立ちはだかる敵を粉砕し、まずは関西の頂にその名をかざす。


立命大戦 試合詳報&観戦記

2009-11-24 00:33:11 | ブログ

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▲大滝(中央)のトライに沸き上げるメンバーたち


 ついに因縁の相手を下した。雨中の天理親里で行なわれた立命大戦は、やはり一筋縄にはいかなかった。そうして勝利を掴んだ瞬間、みなが笑顔をはじけさせた。


 試合は開始早々から動いた。FL林(文3)のトライで関学が先制する。ペースを掴みたかったが、パスミスからインターセプトを許し不運な形で同点にされる。それでもFB小樋山(人2)やナンバー8西川(文4)のトライで追加点を重ねるも、またしてもインターセプトで失点を喫する。「自分たちがアドバンテージ得た状態で、ちょっと横ふっただけで(奪取された)」と主将・小原(社4)。どこか攻めあぐねる朱紺の闘士たちを尻目に、セットプレーで立命大は早いリスタートをしかけるなどで追撃を図る。前半は17-24と立命大リードで折り返した。


 「自分たちの展開に持ち込めてなかった。そこにこだわって。敵陣に入って、しっかりプレーしよう」。入学してから公式戦ではいまだ勝ち星のない相手。ましてや昨年のリーグ戦では唯一の敗北を喫した相手だけに、苦戦には嫌な気配が漂う。しかし副将・片岡が「悲観はなくて」と話すように、落ちることなく後半へむけ気持ちを入れなおした。


 後半開始すぐさま相手にPGを決められ、去年の構図が思い出されたが、今年はここからが違った。後半4分に大滝を投入。その大滝はグラウンドに入るやいなや躍動。13分にはトライを決め、追い上げムードにチームを乗せた。「すごいな(流れを)変えてくれたんかなって」と主将もうなる。ここから再度逆転されるも、続けざまに戦線に投じられた片岡が逆転トライ。交代策がプラン通りに進み、流れを一気に引き寄せた。


 そこから試合終了までの20分間は敵陣を支配。粘り強いディフェンスで相手のゲインを完璧に阻止した。


 結果、46?34。逆転につぐ逆転のシーソーゲームを制し「かなり嬉しかった」と主将をはじめ、チームは笑顔を見せる。是が非でも勝ちたかった相手からの勝利の味は格別。積み重なったリベンジの思いがそうさせる。


 これで5戦全勝同士で次節、天理大との決戦をむかえる。勝てば関西2連覇が決まる大一番に気合は十分。「ラグビーを楽しんで、そのうえで結果残せるように。それが一番のポイント」。もう関西の頂はすぐそこに見えている。


母校ラグビー部5連勝す

2009-11-23 23:35:40 | ブログ

【片岡 リベンジ果たす〝ショウ〟タイム!!】

 悲願のリベンジ果たした!相手は、現世代が入学してから公式戦では一度も白星を拝んでいない立命大。今回も苦しめられる展開となったが、大滝(社4)、片岡(総4)らリザーブたちが奮起し逆転勝利をおさめる。関西2連覇へ大きく前進した。

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▲タックルをかます♯22片岡(後ろはLO松川、右はナンバー8西川)

[葛藤からの闘志

 誰よりも熱い男が因縁の相手を打ち崩した。相手リードを許す苦しい展開。リザーブ投入策で追い上げムード高まるなか、後半21分にWTB片岡が逆転トライを決める。「みんながつないでくれて、最後置くだけ。たまたま」とチームへの感謝の意をこめながら笑顔を見せた。


 リーグ戦開幕からリザーブとしてAチームに名を連ねる。けれども、そこはやはりスタメンへの思いがあせることはない。前日のジュニアリーグでゲームキャプテンを務めたが、逆に葛藤が生まれた。「Bでキャプテンしてるってことは、(Aの)スタメンが厳しいんかなって。眠られへんかった」と話す。その「もやもや」をぶつけることだけを考えて試合に臨んだ。



【『朱紺スポーツ』vol.19】

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[ストイックな男

 常に激しさ全開の片岡。「まだまだ。もっとやれる」とストイックな姿勢を見せる。自身のテーマである『勇気と感動を与えるプレー』を実現するまで、彼は楕円球を追い続ける。


[リベンジの一撃

 出るからには自分の役割を果たす。「激しくやってやろう」。ハーフタイム終了時からベンチを離れたところで、ひとり体を動かしウォームアップ。戦闘態勢を整え、後半16分にピッチに足を踏み入れた。逆転トライを決めたが、それ以上に自分のなかで果たしたい使命があった。


 「あいつだけを見てた」。そう話す〝あいつ〟とは立命大22番の佐藤吉彦(大分舞鶴)。「相手は、最後の20分で流れ変えるほどの選手。2年前も、あいつにやられてて。絶対にやってやろう」。同じリザーブの立場として、いや関学ラガーマンとして負けるわけにはいかなかった。リベンジのイメージを固め、狙うはただひとり。そして試合終了間際には、こん身のタックルをぶちかました。やがて立命大からの公式戦勝利をあげ、個人でもチームでもリベンジを果たした。


【京産大戦 試合詳報&観戦記】

2009-11-16 00:12:57 | ブログ

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▲FW合戦に勝利する


 「第4戦、場所は宝が池」-。どうにも昨年の苦い思い出が思い出されるシチュエーション。「そういう状況でやれるのも、関学の使命」と主将。


 因縁漂う宝ヶ池で、試合開始早々、失点を喫してしまう。「相手が強いとかよりも、(関学の)入り方が悪くて」と話すはLO松川(経4)。昨シーズンを思い起こさせる雰囲気が生じたが、朱紺の闘士たちは意にも介してなかった。攻撃に転じるや、FW戦法で京産大の十八番に真正面からぶつかっていく。松川の2トライで逆転すると、26分にはモールで押し上げインゴールを割り、攻撃力の高さを存分に見せつけた。加えてスクラムの面では相手のお株を奪うほどの出来。春の対戦では、ほころびの部分だっただけに確かな成長をうかがわせた。


 そうして後半も攻撃の手を緩めることなく、次々とトライを重ねていく。FL西川(文4)、WTB長野(社3)らトライゲッターらが揃い踏み、大差をつけての勝利となった。


 終わってみれば失点は最初の1本のみ。しかしそれも、上位校との対戦ではあだになるだけに「改善点」として落とし込んでいく。ノーサイドの直後には、フィールドの真ん中で円陣を組み、反省点を確認するなど、まだまだ満足など出来ない。「(チームが)この1戦にかけてくれてて、勝てたことは良かった。あと3連戦、精度とか高めてやっていけたら」(小原)。宝ヶ池のジンクスを振り払い、次節の立命大戦では「公式戦初勝利」をもぎとりにいく。


母校ラグビー・4連勝

2009-11-16 00:07:31 | ブログ

FW合戦に勝利!京産大との一戦は読みどおり、FW同士がぶつかりあう展開に。そのなかでLO松川(経4)の3トライ、HO緑川(商3)の4戦連続トライで攻撃力を爆発させ、4連勝を飾った。課題はすぐさま修正し、栄光への階段を一気に駆け上がっていく。

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▲4戦連続トライを決めたHO緑川

[松川 3トライ

 「今日は調子良くて」。その言葉どおり、松川が大暴れした。試合開始早々に失点を許すも「一本くらいくれてやるか」と切り替え、攻撃に撃ってでる。同点弾を決めると、次には相手DFに真正面から当たりにいき突破。インゴールを陥れた。35分にもトライを決め、前半だけで3トライの大活躍を見せた。

 いつも以上に気持ちの入ったプレーにはわけがある。この日スタンドには、家族の姿が。「祖父と祖母と父と母と。長崎から見にきてくれたんで、気合入った」。見つめる家族を前に、ハッスルプレー全開で勝利に貢献した。

 松川の象徴でもあった甲冑のようなヘッドギアが壊れたため、この日から泣く泣く白色のものを装着している。けれども、松川の闘志に変わりはない。副将・片岡(総4)から『和製イオンギ』と称される男が、FW陣の中心で大爆発する。

【緑川 反省も4戦連続トライ】

 試合後、開口一番出てきたのは「今日は全然」だった。スローインでは自らのミスも目立った一方で、相手に研究されている現状を打破できていないことに苦い顔。「(研究されていて)しんどいスね。もっと考えんと。挑戦者のラグビーを」。横綱相撲とはいかないセットプレー面での変革を訴えた。

 それでも自身はこの日もトライを決め、開幕から4戦連続をマーク。「みんなのおかげで。チームが勝てば、それはそれで」。得点記録を気にかけることなく、残り3連戦へむけ気合を入れた。「技術云々よりメンタル。弱音吐かんと、成功するイメージを持って」。反省した分は、これからのプレーに還元していく。


試合詳報:大産大戦

2009-10-26 17:03:48 | ブログ

【大産大戦 試合詳報&観戦記】

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▲3連続もふくめ、1試合4トライをあげたナンバー8大滝

 その実力差のとおり、大産大を圧倒する関学。開始3分のHO緑川(商3)が3試合連続となるトライをあげると、『トライ・カーニバル』の号砲が上がった。お馴染みFL西川(文4)が追加点を決めると、ナンバー8大滝(社4)も25分から3連続トライ。破壊力抜群のFW陣が前半の全10トライを飾った。

 後半からは、これまでのリーグ戦では戦術上、沈黙せざるをえなかったBK陣をついに解禁。開始早々のFB小樋山(人2)を皮切りに、BK陣がインゴールを割っていく。得点は積み重なり、大台の3桁にはWTB長野(社3)がのせた。「内容としては前半より後半良くて。ああいう、きれいな形にしていけたら」と主将は攻撃指令を優に遂行したBK陣を褒めた。

 終わってみれば圧倒的大差をつけての勝利。それでもチームはこだわっていた、「0点におさえよう」(大崎監督)。109点というスコアはいまの攻撃陣を見れば当然の数字。それ以上に、ディフェンス面での確かな手ごたえが欲しかった。コミュニケーション不足から喫してしまった、7の数字が悔やまれる。

 チームは3連勝を飾ったが、試合ごとに課題が浮き上がり内容を自問自答するのが現状。「前半は力まかせのラグビーをしてしまった。関西より強いところには通用しない。通用するラグビーを」と主将が上を向けば、指揮官は「残りの連戦にむけてベストな状態に」。目指す先がまだまだ遥かだからこそ、現状に満足しない。たとえ100点差をつけようとも、納得いかぬ点があれば。朱紺の闘士たちが己の理想形に成りえたとき、それが栄光を手にしたときになる。


母校ラグビー部 開幕3連勝す

2009-10-26 16:39:28 | ブログ

【CTB田中 猛進突破でトライあげる】

 100点もの大差をつけた大産大戦。前半から圧倒的な攻撃力を発揮した関学は、後半からついにBK陣を〝解禁〟する。そのなかで今年BKリーダーを務めるCTB田中(商4)が闘志をむき出しにしたプレーを見せた。

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[猛進突破

 ただ前へ、だった。パスが渡りボールが回ってくると、CTB田中の視線はインゴールに向けられた。「ここは自分がいこう」。ステップを駆使し、相手DFをかわす。敵がつかんでこようが、猛然と振り払い35メートルを走破した。そのいつもの田中とは異なる、巧みな動きにメンバーもスタンドも驚きの声をあげたが、「まっすぐにいって、こじあける」という彼の持ち味が最大限に発揮されたプレーだった。

[秘密兵器]

 相手の動きを見切ってのステップワークには、秘密兵器の存在がある。それはスパイクだ。これまで履いていたものに「すべる」と感じており、「この2試合を天然芝でプレーして、いっそのこと変えよう」。固定式のものから、とりかえ式のものに変更した。その効果は絶大。天然芝の花園第1グラウンドに田中のステップが刻まれた。


[自ら体現]

 前半はFW陣が、後半はBK陣が躍動した。「BKで取りたくて」と話す田中は自身のトライもふくめ、後半40分の試合運びに笑みを見せる。それはディフェンス面でもしかり。今年からBKリーダーに就任し「しつこいディフェンス」を自らが体現することでチームに訴えてきた。そうして失点を最小限に抑えた大産大戦の出来には満足の表情。「(3試合で)今日のがBKは一番良かった」と振り返った。

 チームは3連勝。ようやくBK陣も〝解禁〟され、チーム全体の勢いは増すばかり。「ディフェンスは発展途上。次の京産大戦までに完成させて臨んでいきたい」と田中は意気込む。闘志全開のプレーを見せるBKリーダーが、朱紺の闘士たちを扇動する。

【『朱紺スポーツ』vol.17】

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スピードスターは止まらない

2009-10-22 18:00:04 | ブログ

2009年、激動の上半期を送ったラガーマンがいる。関学が誇るスピードスター、長野直樹(社3)。大学はもちろん、ナショナルチームでも活躍の場を与えられたウィンガーは、その常人とはかけ離れたシーズンをどのように過ごしてきたのか。そこにあった思い、そしてこの先に見つめるものに迫った。

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【激動のシーズン】

 ここに楕円球を手にした一人の人物がいる。大学の友人は『〝ラグビー部〟の長野』と説明するだろう。他大学のジャージを着るラガーマンは『〝関学のWTB〟長野直樹』とにらむだろう。はたまた日本ラグビー協会の方は言うだろう、『〝U-20日本代表〟の長野直樹』と。

 彼の肩書きは関学ラグビー部のなかでも尋常なものではない。『セブンズ(7人制ラグビー)日本代表』『U-20日本代表』という驚くもの。長野直樹は2009年をそうした肩書きとともに過ごしてきた。

 激動のシーズンの始まりは年初めになる。大学選手権もチームとしては幕を閉じ、まわりの大学生はオフに入る時期。だが長野は次なる戦いへの準備に身を投じていた。

 「みんなが休んでるときに活動してて。1年持つかなって」

 上半期の長野の動向は大きく3つに分けられる。

 まず長野は6月に開催される『U-20世界選手権』に召集されていた。大会への選考も兼ねられた合宿へは当然気持ちが高まる。昨年暮れのケガからも復帰し、代表に選出されるためにパフォーマンスを発揮する必要があった。

 「去年(代表から)落ちたんで、リベンジしてやろうと」

 1月の時点でオフどころではなく、ましてや『U-20日本代表〝候補〟』長野直樹にとって半年にも渡る勝負はここから始まっていた。

 と同時に『セブンズ日本代表』としての戦いも進行した。2月中旬のアメリカ・サンディエゴ大会と3月のW杯ドバイ大会。こちらは日本代表として海を渡ることになっていた。

 そして最後に、本来の『関学』というチームとしての活動。

 そのハードワークは想像するに容易い。

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▲昨シーズンのラストゲーム。涙するも、次なる戦いはすぐそこに迫っていた。(08年12月28日:法政大戦)


【ラガーマン長野の成長】

 「スタッフの方々がすごい面子で。いろんなトコから自分を見られた。アドバイスいただいて。すごい締まった雰囲気のなかで、一回一回の合宿が濃いものやった」

 複数回にわたる代表強化合宿のなかで長野は己のパフォーマンスを高めながら過ごした。確かな成長がそこにはあった。「精神面でも、プレー面でも」

 「今年はいろいろ試したりで。キックも練習したりするし。〝外〟勝負もそうやし、〝内〟でも。自分にとって〝外〟は一つの武器やけど、そこで的をしぼらせずに。その結果、内でも外でも勝負できたら」

 自慢の足を生かすことはもちろんだが、それだけではダメ。相手DFと真正面から当たっていくことを意識し、WTBとしてのレベルアップを図った。昨シーズンは、代表選考を落ちた理由の一つであったディフェンス力を磨き、今年はそれを踏まえたうえでのさらなる成長を見せつけた。 そうして着々と選考をクリアした長野は最終合宿まで駒を進める。

 一方、もう3年目になるセブンズの国際舞台は、またも長野を大きくさせた。

 「今まではついていくだけだったんスけど、監督から『(セブンズ代表は)ころころ選手が変わっていく。学生やから遠慮したらあかん』と言われて。一番年下なのはやりやすかったんスけど、3年目の自覚を持つようになった」

 史上最年少でセブンズ代表に選出された男も様々な舞台を経験し月日は流れた。その「ころころ変わる」チーム編成のなかで先発の座を射止めるられるかは大会規模によって異なり、長野がスタメンに確約されていることはない。

 2月のサンディエゴ大会も、3月のW杯ドバイ大会もスタメンではなかった。それでも「チームの勝利に貢献したくて。限られたなかでどうアピールするかを考えた結果」、アメリカ西海岸で1トライをあげている。

 ではベンチ入りもしないシャドーメンバーだったドバイでは。

 「舞台にいれるだけで違うかった。気持ちが選手全員入ってて。相手を殺しにいくんじゃないスけど、それぐらいの気迫が伝わった。トップでやっていくには、こうした気持ちでないとって」

 春まっさかり、厳しい代表合宿をくぐりぬけ、同時に国際舞台での経験を得た長野は、上半期の締めくくりとして6月の「U20世界選手権」本番をむかえていた。


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▲春シーズンは朱紺のジャージを着ることなく。(5月2日:法政大戦)


【挫折、そして一転】

 自国開催で盛り上がりを見せる世界選手権。その開幕直前、長野は最後の最後で代表スコッドから外された。

 ケガ人が出た場合の入れ替え要員、として日本代表に身を置きながらも、彼は大学に戻ってきた。

 「結局自分がふがいなかった。合宿が進めば進むほど、実力が足りないのも分かった。練習もっとしないとな、と思った」

 選手権が開幕し、若き日本代表が世界と戦う。そこに自分はいない。挫折を味わった。

 が、事態は一変する。偶然ながら、W杯の開催時期と関学ラグビー部の関東遠征のタイミングが重なっていた。リザーブながらも関東遠征の関東大戦が長野の復帰戦の予定だった。しかし当日のグラウンドに姿はない。日本代表は初戦でケガ人が出てしまい、長野に再召集の声がかかったのである。

 「同じ舞台に立てるのが嬉しかった。捨てるもんが何もなく。一度落ちた身、絶対試合に出てやろう」

 再び桜のジャージを着られることになった。そして念願の代表デビューを飾る。

 「U19、セブンズとは違ってホームなんで、あんないっぱいの観客のなかで試合するのが初めて。興奮した」

 予選グループ最終試合のスコットランド戦(6月13日)。結局出場したのはこの1試合のみ。それ以外は出場機会すらなく。けれども、彼は腐ることはなかった。

 「出れなかったときに、岩渕(アシスタントマネージャー)さんが『やってればチャンスはくる。絶対腐らんと、チャンスがきたら掴まなあかんぞ』って。(スコットランド戦の)あそこしか見せるとこなかったんで、必死に」

 挫折の果てに、わずかな時間だけの代表だったが、長野を強くさせた。精神面での成長が大きいに違いない。

 「長かったス。いざ離れるとさみしかった(笑)。いろんなことを学んだ期間」

 こうして世界選手権における長野の長き戦いは幕を閉じた。


Img_2195_2 ▲チームに帰ってきた際、誰もがそのパフォーマンスに驚愕した。(7月5日:大体大戦)


【朱紺の闘士へカムバック】

 激動のシーズンはこれで終わったわけではない。6月下旬に日本代表の身を解かれるやいなや、すぐさまチームに合流した。それまでは選手権の日本代表、レギュラーになることに必死だった。むろん、関西に帰ってきた際にはチームの仲間が何よりも心のよりどころであったが、戦闘集団の一員として加わることはなかった。

 「試合重ねてチームは目の色が変わってた。気を引き締めて頑張らないと」

 6月28日の立命大戦の後半から『関学』長野はグラウンドに立った。トライをあげることはなかったが、試合終了後にベンチで大崎監督から「ここから序々に関学の一員に戻ろう」と声をかけられた。その1週間後には、3トライを決める活躍で完全カムバックを遂げた。

 9月の半ば。桜のジャージとは一旦お別れし、朱紺のジャージだけに目がいっている。そして、嬉しくもあり辛くもあった半年間で得たものを今の自分に還元している。

 「(代表合宿で)自分は1コ上やったんで、後輩がミスしたときに萩本(アドバイザー)さんから『厳しさがない。優しいだけの先輩になってしまっている』と言われて。実際そうやな、と。関学でもちょっとずつ。まだ甘い部分あるけど変えていけたら」

 上級生になった今年は「下を引っ張っていこう」と意識を持って臨んでいる。『先輩』長野にも期待が持てる。

 プレー面でも同じく。仲間への感謝を感じながらステップアップに励んでいる。

 「(菅平では)個人的には思うように出来なかった。仲間が『今なら〝外〟勝負じゃないか』とかアドバイスくれて。細かいことやけど、言ってくれることはありがたいこと。聞くようにして、弱点が分かって、成果が上げれた」

 ラグビーをはじめていまだ6年。縁あって日本代表に選出されることもあり、高いレベルに挑戦してきた。そのたびに、長野は進化を遂げてきた。この先、どこまで楕円球を追い続けるのか。

 「スコットランド戦で何も出来ずに負けたんで、倒したいというのはある」

 リベンジを果たすのは、もはや15人制代表のステージか。「やれるとこまでやってみたい」と長野。

  スピードスターは止まらない。

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▲リーグ2戦目で、今季初トライを飾った。



■長野直樹(ちょうの なおき)/社会学部3年生/関西学院高等部/WTB/174㌢、83㌔/大学ラグビー界屈指のスピードを誇るエースウィンガー。昨年度、チームトライ王。


チーム力アップ! 勝負の4週間・母校ラグビー部

2009-10-14 19:38:24 | ブログ

4週間でチーム力を上げる。小原組がリーグ戦後半へむけ、長期プランで臨む構えを見せている。OBである堂山氏(商卒)も練習に参加し、これまでに浮き出た課題の修正にも乗り出した。この先、数週間と続く長き道のりを、チームはぬかりなく過ごしていくつもりだ。

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【連戦へむけ】

 年のリーグ戦のスケジュールは変則的だ。例年は1週間間隔で設けられる対戦が、今年は開幕2連戦のあと、3週間空く。今月25日の大産大戦(於・花園)を経て、そこからまた数週間の空き。そして11月14日の京産大戦から最終節まではノンストップで行われる。

 第2戦後の1週間は、リフレッシュしつつの調整。10日には宝ヶ池競技場に足を運び、対戦校の視察をした。その日のカードは、まさにこれから対戦する4校。倒すべき敵をしっかりと目に焼きつけ、これからの心持ちを固めた。そこで出たキーワードが「4週間」だ。

 リーグ戦後半は怒とうの4連戦が待ち構える。関西2連覇には避けては通れないロード。リフレッシュを終え、敵状視察も行い、この連戦までの期間をいかに過ごすか。4週間をどれだけ実のあるものにしていくかという考えだ。開幕直前、小原は「試合感覚が鈍るのもあるかもしれんけどチーム力を上げるチャンスやと思って」とにらんでいた。その言葉どおり「チーム力の向上」を図る。ゆくゆくは結果を左右する、勝負の期間になりそうだ。

 そんななか頼もしい指導者が加わった。練習にOBの堂山泰宏氏が合流。開幕から試合を見てきた同氏は、スクラムを重点的に指導する。「緊急招集で。ほんとにありがたい」と小原。FW陣が課題でもあったスクラムを改善すれば、それだけ勝利も確実なものになる。

 レベルアップにぬかりなし。勝負の4週間を過ごしたのちには、さらなる成長を遂げた小原組がそこにはいるはずだ。

昨年度V闘士 スクラム強化へアドバイス

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▲堂山氏(左)と対峙するは現レギュラーの1列目3人

 実は堂山氏のアドバイスは開幕戦から効果を発揮していた。リードを許し終えた前半。「1列目がしっかり出てない」とハーフタイムでHO緑川(商3)に指摘。スクラムに修正をほどこした。そしてチームは開幕白星。試合後、スタンドとグラウンドを隔てて緑川は感謝の意を述べた。「2年間一緒に組ませてもらったんで」と緑川も信頼を置いている。昨年度V闘士がFW陣を屈強な重戦車へと鍛え上げていく。


母校ラグビー連勝す

2009-10-05 20:01:39 | ブログ
【BKオーライ! WTB松野尾2トライ】

 今年の関学はFW陣が攻撃力抜群?いやいやBK陣も黙ってません。序盤から得点ムードが流れるなか、WTB松野尾(小倉高校・社3)がリーグ戦でのBK陣第1号トライを決める。長野(関学高校・社3)も今季初トライを飾るなど、両ウイングが存在感を見せつけた。

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【BK陣第1号】

 チームは先制点を挙げ、狙うはさらなる追加点。ターンオーバーで攻撃に転じるとボールは松野尾に渡った。相手DFをステップと片腕1本で交わし、あとはゴールラインまで一直線に駆け上がるだけ。インゴールに到達すると豪快にダイブし、今季初トライを飾った。

 「前の試合で得点したのがFWだけ。BKで取りたい」。攻撃力を爆発させた開幕戦で、周囲をにぎわせたのはFW陣。むろんチームにとっては嬉しい限りのことだが、無得点に終わったBK陣の一員としては悔しさに苛まれた。「BKで点取ろう」と胸にとめ決めた一発は、BK陣第1号でもあった。

 後半開始早々にも、SO渕本(東福岡高校・社3)と意思疎通が成されたパスを受け2本目のトライを決めるなど活躍を見せた松野尾。チームの勝利に貢献した。

【WTB一本で】

 高校時代はCTBでプレーしていたが、昨年からWTBへの転向を指示された。「(CTBを)やりたい気持ちあったけど」と振り返る。今年の春はCTBとポジションを行き来したが、リーグ戦に入ってからはウイング1本に気持ちを固め試合に臨んでいる。スタメンでウイングの片方に名前を並べるのは昨季のチーム得点王・長野(社3)。同回生だからこそ「負けたくない」とライバル心をのぞかせた。

調子に波が無いのが、この松野尾の魅力である。

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栄光へ突っ走れ!

2009-09-29 13:35:46 | ブログ

Img_5267  これ以上ない、最高のスタートダッシュだ!前評判は高く、しかし実力は未知数であった摂南大との開幕戦は、激しいシーソーゲームに。幾度とリードを奪われながらも、最後まであきらめなかった朱紺の闘士たちの活躍で勝利を収めた。関西2連覇、日本一へむけ小原組がいま走り出した!

【強さ見せつけた】

 「ひたむきにやるしかない」。それだけだった。摂南大が強敵なのは重々承知していた。HO緑川(商3)が挙げた先制点も、すぐさま返される。関学ディフェンスも、中心となる外国人選手2人の手によって幾度となく破壊された。だが、相手が強かったからこそ、朱紺の闘士たちは真の姿、チャレンジャーとなれた。

 前半をリードを許し折り返しても、「想定内」と話しプラン通りに進めた。我慢のラグビーで1トライ差のまま耐えしのいだ。そして「秘密兵器は残してあるから。リザーブ入ってきてから、アタックしよう」。後半16分に一気4人を入れ替えると、そこから流れは一変した。緑川の同点トライの後は、31分にLO松川(経4)が「全力」アタックでゴールラインを割り、勝ち越しに成功。勢いそのままに終了間際にはナンバー8西川(文4)がこの日3本目のトライでとどめを指した。「最後まであきらめずにやれた」。小原の言葉どおり、激しいシーソーゲームを制した喜びはひとしおだった。

 関西リーグの開幕戦はここ数年、『前年度王者が敗れる』など波乱づくめの展開が続いていた。だが襲い掛かるプレッシャーをはねのけ、負の連鎖を断ち切った。それは、同時に関西2連覇への大きな一歩を踏み出したことを表す。

 最強のチャレンジャーは今年も健在だった。「チームとしての完成度は低い方なので、どんどん高めていきたい」。この先続く戦いで、小原組はさらに成長を見せてくれる。そう期待するに十分な開幕白星。さぁ、栄光まで突っ走れ!

後半18分、前進するFWのなかで松川はボールを持つと突破を図った。強靭な肉体は相手ディフェンダーをもろともせず。ゴールラインを割り、追加点を奪った。

 沸きあがる歓声。スタンドからは〝いつもの〟音頭が流れた。それにも気付かないほどに試合にのめりこんでいた。貴重な得点にも「意識なくFWのみんながあそこまでやってくれたんで」。ただ全力プレーの一心で、チームに勝利を呼び込んだ。

 「ひたすら思いっきり」が松川の真骨頂。チームきってのムードメーカーのこの男が、小原組を上昇気流に乗せていく。

【『朱紺スポーツ』vol.14】

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