Ｄｒ.中島健次（獣医師）の最新知見sos123

　そして、溶けずに残ったカルシウムの膜は、カサカサ
の脆い鞘みたいになるので、膀胱が収縮したりして粉々
に崩れ、尿と一緒に体外へ捨てられます。
　そのため、動物病院の主治医にも、飼い主さんからも、
あたかも《ストラバイト結石》が溶けたかのように錯覚
され、誤解されてしまうのだろうと思われます。
　でも、レントゲンフィルムにボンヤリと写った影が、
エビフライ型の結石なのか、カキフライ型の結石なのか、
誰にも判別できません。
　したがって、結石の摘出手術を厭い、処方食などの連
用によって溶かそうと望むのは、非常に危険です。
　何の根拠もないのに、「ストラバイト由来の結石」が
エビフライ型であることを勝手に期待しているだけなん
だから、危ない危ない。闇夜の鉄砲みたいな僥倖・偶然
を期待するのは止めましょう。

　横浜動物臨床研究会の会員を中心とする19名の臨床獣
医師によって詳細に書かれた臨床獣医師のための実技書
「尿検査」（学窓社、1999）に、尿結晶について次のよ
うな正しい記述があります。
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