ポリティカルセオリスト 瀬戸健一郎の政治放談

政治生活30年の経験と学識を活かし、ポリティカルセオリストの視点から政治の今を語ります。気軽にコメントして下さいね!

平成17年度草加市一般会計決算は否決。

2006-09-07 17:17:53 | 市議会議員として
草加市議会9月定例議会は8月31日(木)に開会され、提出された議案中、平成17年度草加市一般会計決算の認定についての議案は、通常どおり「草加市一般会計決算特別委員会」を設置して、これに付託し、本会議休会中の9月4日、5日、6日、7日の4日間で集中審査を行い、本日7日(木)、決算の認定に賛成の委員2名、反対の委員6名で不認定とすることが決まりました。

■草加市一般会計決算が不認定(否決)~市政施行以来、はじめての出来事。

平成17年度草加市一般会計決算は助役逮捕および公共工事にかかわる恐喝事件が発生した特殊な会計年度決算であり、代表監査委員の報告では会計処理は適正であると報告されたものの、政策決定に政治的、道義的な問題が認められたため、市議会はこれを不認定とすることが事実上、議決されたことになります。決算の認定が否決され、不認定となったのは、草加市政はじまって以来、初めての出来事です。

■決算が否決された2つの理由~2度の市役所家宅捜索事件。

不認定とした第一の理由は、すでに前助役の有罪が確定している贈収賄事件で導入された蓄熱式温水器が、導入当初説明されていた機能と比べて能力不足であったことが明らかになったこと。不認定とした第二の理由は、すでに逮捕起訴されている暴力団役員・藤沢一賀被告に対して、木下博信市長の指示で約104万円の損害賠償金を全額概算払いし、その事実を議会に報告せず、100条委員会で明らかになる最近までこの事実を隠しとおし、藤沢一賀被告を一般市民と嘘の説明をして、議会に追認させていたこと。以上2点です。

■導入設備の能力不足~永続的なランニングコストの増加。

第一の理由、蓄熱式温水器は当初、温水器としての性能が高く、夜間電力のみで一年中稼動させることができるためにランニングコストが低く効率的であることが導入の理由でしたが、実際には12月以降の冬期には水温の低下が著しく、昼間電力をフル稼働する必要があったため、11月と12月、1月、2月の冬期電気料金が1ヶ月あたり約40万円も増額となり、今後永続的に膨大なランニングコストの支出が予定外に見込まれることが明らかになりました。

■あくまでも木下市長からの指示で動いた~暴力団への損害賠償金概算払い。

第二の理由、藤沢一賀被告への車両修理代と代車費用の総額約104万円を議会の議決前に全額、藤沢一賀被告の指定銀行口座に概算払い(前払い)として入金した意思決定については、起案から市長決済まで、すべて木下博信市長自身の指示がその発生原因になっていたことが改めて決算特別委員会で明らかになりました。

①概算払いの一連の手続きは、担当部局職員が藤沢一賀被告を恐れて対応した結果なのではなく、あくまでも木下博信市長本人からの指示によって、組織的に動いたことであること。

②今回の事故を処理した損保ジャパンがあくまでも代車費用を直接、特別な契約関係にあるレンタカー・ジャパレンに対して支払いたい旨の通知を再三に渡り草加市側に申し入れていたにも関わらず、草加市が一方的にこの代車費用を含めて約104万円という損害賠償金の総額を藤沢一賀被告本人に直接、概算払いしてしまった結果、藤沢一賀被告からの代車費用の清算が行われなかったために、年度末に近い今年2月まで、実際の保険金が損保ジャパンから草加市に支払われていなかったこと。

③この事件の以前から、「木下市長と藤沢一賀被告との間に何らかの関係がある。」ことを関係職員たちが既に認識しており、このような特殊事情の中で市役所の通常の意思決定プロセスが歪められていたこと。

■決算不認定の最大の原因~木下市長が正常な事務執行を歪めた張本人。

これらの事実の中にあっても、建設部の担当職員は藤沢一賀被告に対して毅然と対応していました。しかし、木下博信市長から9月30日に「早く払ってやってくれ。」という電話による指示があり、これがきっかけとなって、概算払いが起案され(10月5日)、稟議の「かたち」が整えられて、スピーディーな市長決済(10月7日)に至り、藤沢一賀被告に対して速やかに要求された約104万円を草加市民の税金を使って支払い(10月13日)、その事実を隠したまま、「藤沢一賀氏は一般市民である。」と「嘘」の説明をして市議会にまんまと損害賠償金の支払いを承認させた。(12月13日)

これが今回の決算を市議会が不認定とする最大の理由です。

花井建設部長は、「(市長からの)そういう指示がなければ、特段、通常と同じような形で行ったと思います。」と今回の藤沢被告に対する損害賠償事件への草加市としての対応が特殊なケースであったことを認め、決算委員会で答弁しています。

■平成17年度草加市一般会計決算は否決~賛成2票、反対6票。

従って、平成17年度草加市一般会計決算の認定については、本会議での採決に先立ち、特別委員会での採決で、自由市民クラブ、公明、共産、民主の反対により、不認定と議決されました。平成17年度草加市一般会計決算に反対したのは、自由市民クラブ(瀬戸健一郎委員、松井優美子委員)、公明党市議団(有賀正義委員、宇佐美正隆委員、井出いずみ委員)、共産党市議団(平野厚子委員)。賛成したのは、オール草加議員団(斉藤幸子委員、小澤敏明委員)でした。民主党の種子島久代委員長は議決に加わっていませんから、賛成2票、反対6票で決算は否決されました。

■手続きさえ間違えていなければ、何をやってもいいのか?!

木下博信市長自身の判断で藤沢被告の要求どおり、約104万円の損害賠償金を早く支払わせ、その事実を議会に隠し続ける「隠蔽」の片側で、藤沢被告を「一般市民である。」と議会に「嘘」の説明をして、議会承認の議決を得ていたわけです。

現場職員や工事請負業者が淡々と不当要求対応マニュアルどおりに対応しようとしてきた裏側で、最高権力者の木下博信市長自身が、担当者に「概算払い」を指示し、業者に「誠実に対応」するように公文書で指導し、その業者を工事指名から外していたわけです。

市役所職員も工事請負業者も気丈に暴力団に屈せずに淡々と成すべきことをしていたのに、上述のような対応を木下博信市長自らが行っていたということは、木下博信市長が暴力団を恐れていたのか、木下博信市長が暴力団を養護し積極的に協力していたのか、その真相は今のところ断定することはできません。

「手続きさえ間違っていなければ、いいじゃないか。」と主張される方々がおられても、それはもちろん、民主主義の一部かもしれません。しかし、「手続きさえ、間違っていなければ、何をやっても許されるのですか?」私は、このことを皆さんに問いかけていきたいと思います。

■草加を変える。~だれもが幸せなまちをめざして・・・

今後は、議会最終日にあらためて平成17年度草加市一般会計決算の認定についての反対意見を、討論として明らかにしながら、本会議で対応していくことになります。ですから、皆さんの声を、私に聞かせて下さい。皆さんの声を、もっともっと多くの草加市民に広めて下さい。正直者が馬鹿を見る社会は、その社会が間違っているのです。怒るべきときには、もっと怒らなければならないのかもしれません。

だれもが幸せなまち~をめざし、草加を変える。

みんなで力を合わせていきましょう。

瀬戸健一郎
Kenichiro Seto
草加市議会議員
Soka City Councilor


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
当然だわな (一市民)
2006-09-07 18:26:42
否決は当然です。議会として無責任な市長に警告を発して揺さぶりをかけるのは、当然のことです。それと、「アンテナ」の最新号を読みましたが、自由市民から出ていった連中は本当に背信者ですね。もっと攻撃的な紙面づくりをしてもいいと思いますよ。
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Unknown (本当の市民)
2006-09-07 19:11:45
「アンテナ」読みました。



市長を中心として密会をしていたなど私達一般市民には分からなかったことです。



こんな事を他のことでもしていたんじゃないかと不審におもいます。共産党が終始問題にしてきた土地の件や急激な公共工事の受注増など密会ではないのでしょうね・・・。
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一市民が知る手だて (ヨットマン)
2006-09-08 15:19:38
ご無沙汰してます。

(ブログは、いつも拝読させて頂いてます)



さて、タイトルにある通り、この様にPCを通じ、ネット上で昨日の「否決」を知るのは、

結構早い方だと思います。

 

 三大紙(読売・朝日・毎日新聞)はどうだったのでしょう?(ウチは毎日ですが、出ていないなあ・・まあ委員会だからかな?)

 一市民が、この様に市役所側のニュースを、

知る手だては、現状では限られると考えます。



 従って、関係者、又は”知りたい市民”以外は、「否決」の事実は分からないんじゃないかな?



 ちょっともどかしいのですが・・・

 

 だからこそ、この様に発信される瀬戸議員の

本ブログは貴重なのです。







 



  
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使い込み (匿名)
2009-05-14 17:08:01
ここに書く事では無いと思いますが何処に伝えればいいのか解らずここにたどりつきました。市役所に書き込みが出来ないようになっていたものですから…。私は青柳7丁目に住む者です。いつも山下忍と言う方が町内費や募金を集めてるのですが、他の町会では赤い羽募金は毎年同じ金額が回収されてるのですが、青柳根郷の7丁目は募金値段が上がっていくんです。8丁目では300円なのに7丁目は500円回収されました。昨年は400円なのに…。募金なのに強制金額な上に毎年値段が上がりおかしい。町内の人で各丁目ごとに募金金額の聞き取りや値上げの事を聞き回ったところ私たち地区以外は毎年変わらず同じ額を回収されてました。それなのに山下氏の回収場所はみんな募金金額がバラバラで値上げしているところが疑わしい!と言う結果になってます。市民を募金を利用して騙し、使い込まれていたら腹ただしい事です。そう言うお金の疑いがなく住みやすい町づくりの為に調べていただけないでしょうか?領収書の控えが残らないのがおかしいと思います。
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