ポリティカルセオリスト 瀬戸健一郎の政治放談

政治生活30年の経験と学識を活かし、ポリティカルセオリストの視点から政治の今を語ります。気軽にコメントして下さいね!

市長不信任案~苦渋の選択

2006-07-15 14:51:57 | 市議会議員として
「公共工事をめぐる恐喝事件等調査特別委員会」(100条委員会)は7月3日(月)に全調査を終了し、中山康委員長が7月12日(水)に開かれた草加市議会第3回臨時会で調査概要の委員長報告を行い、1人を除く全議員の賛成によって可決・承認されました。これを受けて閉会後、民主、公明、共産の3派から市長不信任案を付議議案とする臨時議会の召集請求の手続きが行われました。

■委員長報告が1人を除く賛成多数で可決・承認

7月3日(月)に全会一致で承認された100条委員会の「調査報告書」と「委員長報告」をもとに、7月12日(水)に開かれた草加市議会臨時会で正式に中山康委員長が本会議において「公共工事をめぐる恐喝事件等調査特別委員会」(100条委員会)の委員長報告を行い、中山委員長の報告のとおり100条委員会がまとめた「調査報告書」ならびに「委員長報告」が無所属の吉沢哲夫議員を除く全議員の賛成により可決、承認されました。

■いまだ大きな認識のズレ~世論の動向と政治決断

7月3日(月)の100条委員会の調査終了と委員会が全会一致でまとめた「委員長報告」を受けて、自由市民クラブでは、翌7月4日(火)に議員団会議を開いて、団員全体で機関紙「アンテナ」の内容確認を行いました。しかし、この時点では木下市長の責任問題については結論にいたりませんでした。7月12日(水)の臨時議会の合間にも断続的に適切な議会対応について精力的に話し合いましたが、市長責任を問わざるを得ないことでは一致しているものの、議員団としての議会対応は決まりませんでした。

■木下市長の任期1期目~既に「反省を求める決議」が3回

初当選直後の平成13年12月議会で新市立病院問題と特別秘書に関わる問題で最初の「反省を求める決議」が議決されて以来、平成15年6月議会では小学校の耐震補強及び大規模改造工事を競争入札を行わずに決定したことについて2度目の「反省を求める決議」が、平成17年6月議会では突然の新市立病院の産科閉鎖について3度目の「反省を求める決議」が議決されています。本来ならば、「反省を求める決議」3本でアウト~つまり「辞職勧告決議」に至るという厳しい議会人としての認識を持っている議員たちが草加市議会にも複数存在しています。しかし、木下市長は昨年の市長選挙で再選されました。

■木下市長の任期2期目~既に昨年12月議会で「問責決議」

任期2期目の市長はたいてい、強力なリーダーシップを発揮して問題解決に精力的に取り組めるものです。しかし、新市立病院の産科再開の目途も立たず、不透明な市内一企業との間で行われた土地取引、それらの責任を職員に問うかのような不定期な人事異動、そして衝撃的な助役逮捕という事件が市長再選直後4ヶ月も経たない内に立て続けに起こりました。昨年12月議会での「問責決議」は草加市議会としての木下博信市長への最後通告であり、これが、その後の市政運営に対する最後の苦言となることを議員のだれもが心中で願いつつ決めた全会一致の決議でした。
今回、一連の「公共工事をめぐる恐喝事件」が警察による藤沢一賀被告の逮捕と市役所への家宅捜査によって明るみに出たのは、実にその危機的な空気も冷めやらぬうちの大事件なのです。

■木下市長自身の暴力に対する姿勢が問われている~公共工事をめぐる恐喝事件

毎日新聞、朝日新聞、産経新聞、東京新聞、埼玉新聞はそれぞれ今回の事件に対して「市長不信任案」が提出されることを見出しでも大きく伝えています。(ブログ画像参照)しかし、読売新聞は木下市長が「再発防止」のために「研修、組織の充実」を行うことを伝えています。以前のブログ記事でも述べたことですが、今回の事件は市役所の職員や組織が悪いから起きたことだとは私には思えません。木下市長自身の「暴力」に対する姿勢が問われているのではないかと感じます。ですから、木下市長自らが、このことを反省し、二度とこのような事態が起こらぬように、自らの認識を改めていく「決意表明」が何よりも大切なことだと私は思います。

■市長不信任案に対する態度表明~苦渋の選択に・・・

木下市長自身が自らの責任をきちんと認め、市民に謝罪し、再発防止策をすべて職員や組織に求めるのではなく、自らの決意表明というかたちで市民の信を問う決断をしない限り、7月24日(月)には第4回草加市議会臨時会に提案される「市長不信任案」に対する賛否の表決をすべての議員が迫られることになります。特に保守系議員はこれまで同じ釜の飯を食べてきたという意識がありますから、賛成するにせよ、反対するにせよ、苦渋の選択を迫られることになるのです。私も最大会派自由市民クラブの団長として、最大の試練を受け留めていく覚悟です。このことがどのような結果になろうとも、私はすべてのことを信じるところによって、行動していけるよう祈っています。

だれもが幸せなまち~草加をつくるために!

瀬戸健一郎
Kenichiro Seto
草加市議会議員
Soka City Councilor


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13 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
なら決まっているでしょう (一市民)
2006-07-15 20:48:24
>市長責任を問わざるを得ないことでは一致しているも

>のの、議員団としての議会対応は決まりませんでした。



一致しているなら、自由市民クラブがすることは一つ、不信任決議に賛成することです。こんな暴力団と密着した市長を野放しにしておくほど草加市の市議会議員は無力かつ無能なのか。団長としてしっかりしていただきたい。こんな市長をそのままにしておいたら、第二、第三の藤澤被告のような人間にまた草加市役所が食い物にされ、市民の貴重な税金が湯水のように無駄づかいされてしまうのではないか。とにかく、団長としてぜひとも強力なリーダーシップを発揮して自由市民クラブを一つにまとめ、草加市政の刷新を図っていただきたい。この秋の市議選、今度の不信任決議案に賛成しなかった議員には必ずや試練のときとなるであろう。そのことを瀬戸さん、貴方も忘れずにいてほしい。





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Unknown (名無し)
2006-07-16 01:07:20
一市民さんと全く同じ意見です。

さらに“同じ釜の飯”との表現がありましたが、

今は誰一人として木下市長とは志が違うはずです。

このまま野放しにしておいては、草加地区を代表

して県政や国政に出ようとしている方々へも影響

が出てしまうでしょう。
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Unknown (バットマン)
2006-07-16 11:34:16
私も一市民さんの意見に賛成です。



ここまで来て何を迷っているのですか。

市長に重大な問題があることが100条委員会ではっきりしたのですから、すべての市会議員は市長不信任案に賛成するべきです。



良いものは良い、悪いものは悪い、とはっきりけじめをつけてもらいたいと、今回の事態について草加市民は願っているはずです。

なれあい政治はやめて下さい。



だれもが幸せなまち~草加をつくるために!
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市長やめさせて (草加を誇りたい市民)
2006-07-19 10:31:48
皆さんと同じ意見です。

木下市長の恐喝幇助ともいうべき悪行を明らかにし断罪した委員長報告に賛成するなら、不信任決議に賛成以外の道はありません。もし、決議に反対するなら、一貫性のない政治姿勢は厳しく問われるでしょう。

仮に不幸にして不信任が成立しなければ、不信任案に反対した議員は11月の市議選にむけて「暴力団と癒着の市長をかばった議員」という市民の批判と糾弾、他の会派、議員、そして自派議員からの批判にさらされ、政治生命を失うことになるでしょう。

市民の良識をなめないでください。
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議員とは? (市民)
2006-07-19 17:50:13
質疑もしない傍聴もしない自民党市会議員さんは、どんな思いで草加を考えているんでしょう?

自分の選挙・保身の為でしょうか?情けないですね・・。

県政にでる?国政にでる?

あまり市民をなめないほうがいいですよ!
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ニューカマーを軽視するな (一市民)
2006-07-19 19:39:25
 瀬戸さん、もう一度書きますよ。

 ここ数年、地下鉄の乗り入れ等もあり、草加はますます衛星都市化していますが、その中でいわゆるニューカマー、非ジモティが着実に増えています。従来の、暴力団や不良が多い草加のイメージに違和感を感じない人は、むしろこれからは少数派になっていくでしょう。そのことを、議員のセンセイたちは強く認識した方がよろしいでしょう。惰眠を貪っている場合ではないですよ。

 百条委員会まで立ち上げて、市長の様々な問題のある態度が明らかになったのに、そして委員長報告を可決承認したのに、肝心の不信任決議案に賛成しないのなら、そんな議員は要りませんよ。苦渋の選択なんて言っている場合ではありません。暴力団や、名刺を使い分ける声のでかい業者が肩で風切る草加市なんて、想像もしたくないですね。瀬戸さん、24日はあなたの男がすたることのないようにしてください。今度の臨時議会は、秋の市議選の試金石になるでしょう。今一度、様々な人の声に謙虚に耳を傾けてください。
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こんな市長生んだ責任をとれ (イライラしている一市民)
2006-07-20 13:15:47
木下市長は、確か自民党推薦で立候補し当選したのですよね。だったら推薦した自民党や自民党の市議さんにも重大責任がありますよね。

どう責任をとるのでしょう。すぐに辞めさせるのが生みの親としての義務ではないですか。

自民党や自民党の議員さんは、木下市長をすぐに辞めさせ、市民に詫びるべきでしょう。

当面、不信任成立に全力を上げるべきです。まして反対する議員など絶対にこの会派から出さないようにしてほしい。
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同感 (名無し)
2006-07-22 17:22:37
皆さんの意見に同感です。

委員長報告に賛成しているわけでして

自由市民クラブは一体となって

不信任決議に賛成すべきです。

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Unknown (たけ)
2006-07-22 22:59:42
その市民が生んだ市長なんだから、

一方的な糾弾はよくないのでは。。

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糾弾がよくないなら、他の方法は? (一市民)
2006-07-23 01:02:42
たけ様へ



ならば他にどうすればいいんですか。市民の投票行動と市長の問題ある言動は全く別問題ですよね。市民は、将来起こる暴力団との癒着を、あらかじめ許容して木下市長に一票を投じたのですか。今回の事態については、弁護の余地はないと思います。たけ様の擁護論を拝聴したいものですね。
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