巨星・高野宰匠逝く

私も卒業した社団法人草加青年会議所（草加ＪＣ）の創設者にして初代理事長の高野光由（宰匠とも光陽とも称した）先輩が２月１２日午前３時４０分、入院先の病院でご逝去されました。～写真の「想ひ雛」は高野先輩の作品。

「このネクタイに合わせて、年が明けたらスーツ新調しなくちゃな！」

ご自身の死期を知らされてなお、人生を前向きに生きようとする高野先輩を励ます会が開かれたのが昨年１２月４日のことでした。ご招待いただいたにも関わらず出席することができず、その不義理のお詫びにネクタイをお届けした際の私への最後の言葉となりました。

「瀬戸くんが落選したら、借金どうしようかと思ったよ。」

２８歳の時、草加ＪＣにまだ入会して３年目だった私が市議選にチャレンジした時、若手数名のＪＣの仲間たちが多くの他の先輩の制止もきかず、無一文だった私の選挙の供託金を出し合って支えてくれた時も、大きな温かい目で見守ってくれました。

「君には、ちょっと知的なネクタイがいいと思ってね。」

３８歳の時、全国最年少の市議会議長に私が就任すると、真っ先にお祝いだといって藤白家でご馳走して下さって、紺地にゴールドのエジプト文字が織り込まれた品のいいネクタイをプレゼントしてくださいました。

伝統工芸師、東京マイスター、雛師。日本人形の世界のまさに頂点を極めた芸術家でしたから私生活も波乱万丈。社会に対する関心と貢献にはすさまじい情熱を持ち続け、草加市に社団法人草加青年会議所をつくり、社団法人日本青年会議所の埼玉ブロック協議会の会長まで上り詰めました。その他の公職としては、草加市教育委員長や財団法人草加市文化協会の理事長も歴任。

今井宏代議士、野口卓爾元県議、谷古宇勘司県議、木下博信市長をはじめ私を含む多くの元職、前職、現職の市議会議員も高野先輩を「初代」と呼び敬愛しました。

密葬にしてくれ。という本人の希望通り、通夜・葬儀は一切のご供物をご辞退されてしめやかに行われるもよう。しかし、草加市の一時代を創った高野光由氏への哀悼の意を、私はせめて、このブログで述べずにはいられませんでした。

高野先輩、ほんとうに私のようなものを可愛がってくださり、ありがとうございました。先輩が創った草加ＪＣは今年、近隣５ＪＣの合併というかたちでその名の役割を終えますが、先輩の愛されたＪＣとＪＣスピリッツは先輩の記憶とともに私たちの心のなかに生涯、生きつづけていくでしょう。ですからどうか、安らかにお眠りください。

さようなら。

ps 私が副議長に就任した際、アメリカ合衆国連邦議会下院歳入委員長だったビル・アーチャー議員が私のために連邦議会議事堂に星条旗を掲揚し、それをプレゼントしてくれたました。添付の写真は、その返礼にワシントンＤＣのビル・アーチャー議員を訪ねた時のもので、日米の友好の印にと高野先輩がお手製の「想ひ雛」をプレゼントしてくださいました。今も、アーチャー氏の執務室に高野先輩の雛人形が飾られています。（関連記事１／関連記事２）

瀬戸健一郎
Kenichiro Seto
草加市議会議員
Soka City Councilor

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