ポリティカルセオリスト 瀬戸健一郎の政治放談

政治生活30年の経験と学識を活かし、ポリティカルセオリストの視点から政治の今を語ります。気軽にコメントして下さいね!

埼玉県議会議員選挙は現職が圧勝。

2007-04-09 01:57:51 | 市議会議員として
■当選
山川百合子  民主党 19172票
がもう 徳明  公明党 17978票
谷古宇勘司  自民党 16229票


■落選
田中よし子  共産党 10399票
さいとう幸子  無所属  9815票


この結果をどう見るかは、今後の草加市の政局の中で明らかになっていくことと思いますが、ひとまず現職議員が全員当選することができました。保守分裂選挙となって、共倒れの可能性も常にささやかれていましたが、それ以上に、木下市長の動静が注目されていました。

■無所属 斉藤幸子候補について

私にとって、斉藤幸子候補は個人的にも尊敬する市議会議員でした。しかし、木下博信市長と野口卓爾元県議会議員の強力な推薦を背景に、今回の県議会議員選挙に立候補しました。福祉一筋に地道な市議会議員活動を続け、当選には及ばなかったとはいえ、1万票ちかく得票を伸ばしたことは大きな評価であったと思います。

■自民党 谷古宇勘司候補について

一方、谷古宇勘司候補は私の獨協大学法学部白鳥令ゼミナールの先輩であり、これまで政治的には立場を異にすることもありましたが、それでも憎めない明るく素直な人柄と6期24年間の実績と自民党唯一の公認候補であるという盤石な体制で手堅く独自票をまとめ、保守系の対立候補となった斉藤候補に食い込まれながらも、次点となった共産党の田中候補に6千票ちかく差をつけて圧勝しました。

■公明党 蒲生徳明候補について

さて、草加市議会においても私たち自由市民クラブ議員団、自由民主議員団と共に議会運営で協力関係にある公明党議員団が必死で支援していた蒲生徳明候補も挙党一致、支持母体の熱心な働きかけによって、前回並みの1万8千票ちかくを獲得して2期目の当選を果たすことができました。正義感のとても強い人物です。

■民主党 山川百合子候補について

今回、トップ当選を果たした山川百合子候補は、実は直前にお母さまの山川令子さんが長いガンの闘病生活の末に亡くなり、草加市の女性活動家として抜群の求心力を発揮してきた最大の後ろ盾を失い、とても辛い選挙戦だったことと思います。それでも2期目のジンクスを打ち破り、前回に5千票も上乗せする高得票でトップ当選したわけですから、これからは草加市の政局にとっても大切なリーダーに育っていくことでしょう。

■共産党 田中與志子候補について

共産党の田中與志子候補も実直な人柄で、私も市議会議員時代に一緒に仕事をさせていただいたことがありましたので、人物の素晴らしさはよく存じ上げておりました。前回の市長選挙では2万票あまりを獲得し、今回の県議選においても1万票を超える得票でした。

■木下博信市長の動静について

さて、今回の埼玉県議会議員選挙における木下博信市長の動静に注目していたと前段で述べましたが、木下市長は斉藤幸子候補に全面的に肩入れをしていました。自分が市長選挙において推薦を得ていた自民党や公明党の公認候補よりも、無所属の斉藤幸子候補を優先していました。

思えば、斉藤幸子候補の応援に駆けつけた市議会議員のほとんどが昨年の木下博信市長に対する不信任決議案に反対した議員であったこと。

私たちの市議選においても、不信任決議案に賛成した議員に対していわゆる「刺客」を擁立して、特定の候補者の落選を画策し、自ら市議選の候補者の引き回しまで行った姿勢が、今回の県議選にも観られたことが市民にとっても議員にとっても、釈然としない現実でした。

■自己保身ではなく、草加24万市民のために!

本来、市長という立場であれば、草加市のために働くすべての政党・党派の選良(選挙で選ばれた公職者)と信頼関係を築き上げ、その力を結集して草加24万市民全体の福祉を最大化することに意を用いるべきだと思うのですが、木下博信市長の行動基準がいかなるところにあるのかが疑問です。

自己保身ではなく、草加24万市民のためにどのように自分を律していくつもりなのか、木下博信市長には、今一度、考え直していただきたいと思います。

だれもが幸せなまち―草加を創るために!

瀬戸健一郎
Kenichiro Seto
草加市議会議員
Soka City Councilor


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2 コメント

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選挙の結果 (バットマン)
2007-04-09 10:50:19
今回の県議会議員選挙の結果には正直なところほっとしています。
66歳になる市長推薦の新人が当選でもしたら、草加市民の良識を疑うところでした・・・。

しかし投票率の低さには驚かされるとともに、がっかりさせられます。
もしも投票率がもっと高かったら違った結果になったかもしれません。

政治不信ないしは政治放棄の市民が増えることは決して良いことではありません。政治や行政に対して市民が厳しい目を持って見つめ、批判すべきところは批判するのが大事なのではないでしょうか。
皇帝と議員 (パペポ)
2007-04-09 23:04:40
バットマンさんと同じような印象です。それは議員を育てるには時間がかかるという現実です。
ローマ帝国で最高権力者であった皇帝は一人で大きな権力を握っていましたが、皇帝の権力に対する民主的な抑止力となった存在が議員でした。

セネターと呼ばれた彼らの職名は、アメリカ合衆国において今も継承されていますが、それが上院議員です。セネターを直訳すれば「長老」です。しかしそれは必ずしも年齢的なことを意味するのではなく、まさに政治経験。現代社会においては議員として期数を重ねていくことをむしろ指しています。

若き皇帝シーザー・アウグストゥスを民衆が支持できるのは、その対極に政治経験豊富な議員が複数存在していればこそだったのだと思います。一人前の議員を育てるにはだから時間がかかることだと私も考えさせられてしまいました。

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