ポリティカルセオリスト 瀬戸健一郎の政治放談

政治生活30年の経験と学識を活かし、ポリティカルセオリストの視点から政治の今を語ります。気軽にコメントして下さいね!

謹賀新年~だれもが幸せな年に!

2007-01-01 07:04:18 | 市議会議員として
添付画像は「アンテナ」(2007年元旦号)です。1月9日から順次、全戸配布させていただきますので、ぜひ、ご覧ください。

みなさん、新年あけましておめでとうございます。昨年はたいへんお世話になりました。ありがとうございました。草加市政にとって、混沌の2006年が過ぎ去り、2007年の今年、草加市政を市民の手に取り戻し、だれもが幸せなまちを実現させるため、私心を捨てて、働くことが私の新年の抱負です。

■一昨年夏の陣~木下市政一期4年間の内幕

一昨年の夏の市長選挙は現職の木下博信市長の2期目の選挙で特に大きな混乱のない無風選挙でした。無論、1期目に政権基盤を磐石な体制に固めるべく、水面下では様々な予算や人事がめまぐるしく動いていました。助役の抜擢人事、特別秘書の登用、部課長人事、秘書課の秘書室への格上げ、各種行政委員の改選、多種多様な市民活動に対する補助金制度の創設など、市長の市政における影響力を最大化させる戦略的な行政執行が行われていました。

■木下市長再選直後の出来事~2人の片腕の戦線離脱

政権基盤の強化とともに、対立候補の封じ込めにも功を奏するかたちで、木下博信市長は現在、2期目の任期を務めていますが、再選後の1年足らずの内に、木下市長の選挙戦略、政策決定に大きな貢献をしていた助役が贈収賄事件で逮捕され、有罪判決が確定し、さらに木下市長の最初の選挙で事務局長を務め、木下市長誕生直後に市長自らが特別秘書に登用しようとしたものの、議会の反発で断念し、その後、一般職員として中途採用し、秘書課勤務を続けていた人材が辞任。木下市長は個人的に信頼していた片腕を2人、立て続けに失いました。

そして暴力団による「公共工事における恐喝事件」では、助役の贈収賄事件に続いて2度目の警察による家宅捜索が草加市役所に入り、事件の背後に市長とこの暴力団の「親しい関係」があったことが、この事件を裁いた裁判官によって指摘されています。

■木下市長と暴力団の「親しい関係」~木下市長を取り巻く政治風土

議会は木下市長に対して、木下市長自らが行った「暴力団といえども、問題を起こさない限り、一般市民として扱え。」という職員への指示、この事件を引き起こした暴力団の要求に応じなかった業者への「指名停止処分」、さらに市民の税金からこの暴力団に対して、104万円もの損害賠償金を議会の議決を経ずに「概算払い」(前払い)し、さらに議会の議決を得るためにこの暴力団を「一般市民」と説明していたことなどを重大な議会への背信行為であるとして、市長不信任案を提案。4分の3という特別多数議決に3票足りずに、賛成20、反対10でこれが否決されました。木下市長の公私混同、責任転嫁の論理が議会の不信を招く最大の原因でした。

そして市議会が改選を迎えたのが昨年11月の市議会議員選挙でした。

■草加市議会議員選挙~市長不信任案否決後の動き。

市議会議員選挙では、市長は市長派の候補者を個別訪問などによって引き回し、市長という立場では異例の選挙支援を行い、反市長派であると自らが認定した現職候補の追い落としを画策し、対立候補を支援することまで精力的に展開しましたが、結果的に市長派は10人から7名に減少。再び不信任案が提出されれば、否決できない数になっているため、議会との関係改善、議員との信頼関係の回復が木下市長にとって最重要課題となっています。

■リサイクル・センター建設工事~木下市長の議会軽視の姿勢変わらず。

しかし、市議会改選後初の定例議会となった12月定例会においても、「設計施工一括方式」による、「総合評価システム」というまったく新しい業者選定方式を採用して総工費約18億円のリサイクル・センターの業者選定から仮契約まで、議会に一切の過程を説明することなく決定するなど、議会軽視の姿勢が続いています。

■人事案件の調整ができず議会最終日に追加提案

さらに、任期満了という明確な期限が定められている各種行政委員などの人事案件は、受けていただく市民の方にも失礼にあたるので、早めに調整し、任期満了前の定例議会の当初議案として提案するよう、再三にわたり議会から申し入れを受けているのに関わらず、この申し入れを守らず、12月議会最終日に人権擁護委員の選任の議案を追加提出しました。

■草加市立病院~あいまいな市長責任&不誠実な対応

また、草加市立病院については既に就業していた産科医師たちが次々と辞職していった新病院移行に伴う特殊事情が存在していたことを木下市長は認めず、全国的な産科医師不足の問題だとすり替えの論理で責任転嫁を繰り返し、既に22億円以上もの赤字を草加市民の税金で補填していることへの市長責任を逃れています。

加えて、草加市立病院が抱えていた2件の患者遺族に対する損害賠償訴訟事件についても、当初、「市立病院側に何ら過失はないが、遺族救済の目的から和解金を支払うこととした。」と議会に説明していましたが、1件目については、インフォームド・コンセント(説明責任)が不十分であったこと、2件目については、「草加市立病院において十二指腸潰瘍の既往歴があるにも関わらず、患者に対する経過観察を怠っていた。」ことが指摘されていたことを福祉環境委員会における私の質疑で始めて市立病院事務局長が答弁するなど、議会に対するアカウンタビリティ(説明責任)の欠如と不誠実な対応が指摘されています。

■公・私、公式・非公式の区別できず~市長の反省を求める決議で閉幕

以前のブログ記事「草加市議会、空転。~木下市長の答弁をめぐって…」でもご報告したとおり、12月議会では私の質問への暴言ともいえる発言を木下市長自身が行い、これを一部取り消しましたが、「お詫び」という陳謝の言葉はありませんでした。この間、議会は2日間空転し、会期は5日間延長となっています。

これらについて、草加市議会は12月定例会の最終日に「市長の反省を求める決議」を22対7で可決し、市役所の仕事納めの前日12月27日に閉会。とても忙しく年末を迎えました。

■市政刷新!さらに前進する。~予算や人事が利用されないように・・・

私は、否決された過去の不信任決議案は過去のこととして、これをいつまでも引きずることは必ずしも、現段階で草加24万市民のためにはならないことを考慮しています。しかし、これからも一つ一つ、市政唯一の議決機関であり、権力者に対するチェック機関である市議会の一員として、きちんと確認行為を怠らず、成すべきことを成していこうと決意しています。予算や人事が権力者やそれを取り巻く人々の取引材料にされないように、皆さんのご協力が必要です。

2007年の元旦にあたり、一部のひとたちのためでない、だれもが幸せなまちを創るため、私、瀬戸健一郎は本年もしっかり働くことを誓います。どうか、皆さんの倍旧のご指導ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。

末筆ながら、今年一年が皆さんにとりまして、格別な祝福に満ちた、幸せな一年となりますよう心からお祈りいたします。

※今年は選挙改選直後の正月でもあり、個人的な年賀状や市政報告の類はすべて自粛させていただきました。

瀬戸健一郎
Kenichiro Seto
草加市議会議員
Soka City Councilor


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7 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
分かりやすい! (ヨットマン)
2007-01-02 06:31:30
瀬戸議員さま

 情報は多角的に捉えて行く事が重要だと、考えております。そういう意味で、貴ブログは、草加市の状況
を知る上で、大変貴重な情報源となっております。
 
 個人的には、ばら撒き補助金には感心しません。
どうか、厳正な視野から補助金へのチェックを忘れずに議会を通じ行って欲しいと考えます。

 いろいろと、忙しいでしょうが、どうぞこれからも情報発信をお願いします。

 
 
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Unknown (らんらん)
2007-01-03 15:36:51
こんにちは。
今年の仕事始めというか、瀬戸市議だけでなく、佐藤市議・須永議長・松井市議・中山市議と5名で市内中を挨拶していました。
勿論、この中の市議さんの何名かはいろいろとお世話になっていますし、うちの家族の中で個人的に存知上げている方もおります。
色々とあると思いますが、頑張っていただきたいと思っております。
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監視が必要です (バットマン)
2007-01-03 16:43:39
草加市にとって激動の2006年が終わりましたが、問題点が解決していないことは、瀬戸さんのブログを見てあらためて強く感じました。

今様草加宿についても何かと話題になっているようです。
市民のコンセンサスを得た上で事業展開するべきだと思います。

瀬戸議員には今年も期待していますので、大いに頑張って下さい。
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今様草加宿には要注意! (一市民)
2007-01-03 22:13:04
前助役の肝いりで始まった今様草加宿。これも様々な利権が絡む事業です。立場は全く異なりますが、12月市議会における共産党の大野議員の質問は、共感できる部分が少なくなかったです。瀬戸議員はじめ議員の皆さんの厳しいチェックが必要です。
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反省し、そしてこれからどうするか (ようすけ)
2007-01-04 20:19:12
昨年は、助役逮捕、公共工事をめぐる暴力団の恐喝事件、市長と暴力団の関係など大きな事件がいくつも起きました。私立病院問題もあります。

これらについて、市長の議会における答弁には、反省が感じられない形式的な答弁が多く、ひどい時は話をすりかえて言い訳してます。
暴力団組長との長年にわたる携帯電話でのやり取り、暴力団組長のクレームに対する独断での仮払いによる払ういわれのない賠償金支払い、暴力団の理不尽なクレイムをもとに善良なる建設会社に公文書でお叱りを述べた上、指名停止にしたこと。
市立病院の医師不足は草加市に限ったことではなく全国的な問題だといったこと。

暴力団問題については、市の暴力団対策マニュアルがあるにもかかわらず、トップである市長自らがそれを守らなかったことが最大の原因です。
市長は、まずそのことを反省し、議会で詫びるべきです。これがなされていない。
これからどうするかについては、マニュアルを条例化し、市職員への対応策の徹底化も図るといっているが、そもそもは市長自らの不始末が大きな原因のひとつなのだから、市長自身はどう姿勢を正すのかを、反省の言葉と共に議会で宣言すべきだ。
それを行ったうえでの条例化や市職員への対策の徹底であろう。

市立病院の医師不足問題は、建設計画時点で予測できたことです。 現在地に建設を内定する調整を図っていたときには、ちょうど研修医の研修制度を変ることが発表されていて、大学病院自体が医師不足になるから、その対策として学外に派遣している医師を引き上げるということが新聞をにぎわせていました。
もう5~6年も前のことです。現市長が就任したころの話です。 この間何をしていたのでしょうか。
12月議会ではその説明もなく、医師不足は全国的な問題だからでという答弁で済ましています。
色々努力してますしこれからも努力しますとは答弁したが、その色々というのは具体的に何なのでしょうか。
医師不足が産科の閉鎖やベッドの稼働率低下を招き、その結果20億を超える赤字という重大事に至っている。 
何故そうなったのかを客観的に分析して反省し、その反省に基づいた今後のビジョンを示すとともに、その具体策を明文化して欲しい。

他にも色々な問題があるが、すべての問題に共通することは、市長に問題に対するビジョンがなく、問題解決の具体策が明確でないか、真の問題点をはぐらかして話をすりかえて対策を表明していることだ。
そして、起こってしまった問題については、真の反省がないことだ。

私は木下博信氏という個人は憎くもなく、ましてや恨みもありません。利害関係もありません。 しかし市長というのは草加市の行政のトップで最終決定権を持つ権力者なのだから、彼の市政や言動の問題を指摘したわけです。
私は草加市民です。私達の納める税金で草加市政は成り立っています。納税者として市政の不都合を問うのは当然の権利です。
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一市民さんへ (ななしのごんべい)
2007-01-05 17:35:24
逮捕された前助役べったりだったのは、瀬戸議員そのものです。12月議会でも、綾瀬川左岸広場に噴水を作れと質問をされておりました。

有罪判決が出た前助役を○○サンと敬語をつける瀬戸議員も木下市長と同類。
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批判だけしても・・・。 (らんらん)
2007-01-05 22:14:35
こんばんは。
自分は、別に木下市長を擁護する気はないです。携帯電話のメモリーの件などを勘案すると、市長が自ら選挙で信を問うのが理想であると個人的には思います。しかし結果として議会で不信任案が否決された以上、仕方がないことなのかもしれません。
ただし、市長の姿勢がいつまでも変わらないのであれば再度最後通告を突きつければいいことです。

今様草加宿のプロジェクトも、商店街の活性化策として商店主や商工会議所の会員が望んでいるのも事実で
す。旧来からの住民と新しく転居してきた住民との接点がないのも事実ですし、マンションが増え町並みが
変貌を遂げてしまった事も事実です。ただし、限られた予算の中で採算性などを検討することは必要な事でしょう。

市立病院の問題ですが、全国にある多くの公立病院は赤字経営です。だからといって赤字額を減らす努力は必要でしょう。
かつて、木下市長が市立病院を移転する際マネージメントを関東の医学部のある大学に入札で委託する案がありました。これによりコストを下げることができるメリットがありました。この方式は川崎市や横浜市で行われております。
でも市議会は不信任案を付けて潰しにかかった事実があります。また医局制度の不透明な部分もあり助言が出来なかった事もたたっていたのかもしれません。
過去をいっても仕方がない事ですが、市立病院の効率化ということにおいて、今後経営コンサルタントを加えて改善していくとか、民間への譲渡など含めて色々考えなくてはいけないと思います。
それと反対ばかりいう市議会の先生も多いのですが、問題点があるのなら定例議会や特別委員会などで騒ぐ前に具体的な対策なり対案を出すべきだと自分は思います。市民が市政について思っていることがあれば市議会の先生に言う事も大切ですが、担当部署に手紙を書いて思っていることを直接伝える事も必要だと思います。
自分のくだらない意見を長々と書き込んでしまいましたが、ご了承くださいませ。
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