ポリティカルセオリスト 瀬戸健一郎の政治放談

政治生活30年の経験と学識を活かし、ポリティカルセオリストの視点から政治の今を語ります。気軽にコメントして下さいね!

映画「ミンボーの女」に学ぶ。~自由のための闘い!

2007-01-04 21:41:02 | 市議会議員として
ある一流ホテルを舞台に、このホテルの従業員たちがミンボー(民事介入暴力)に立ち向かっていく姿を描いたイタミ式ヤクザ映画、それが「ミンボーの女」です。この映画が公開された直後、伊丹十三監督が何者かに刃物で切りつけられ重傷を負いました。「ヤクザが暴力や恐怖を背景に、人の意思決定の自由を奪うのは許せない。」入院先で伊丹氏はそうコメントしました。

ミンボーの女

ジェネオン エンタテインメント

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この作品の存在は知っていました。しかしこれまで一度も、観たことはありませんでした。正月休みの最後にはじめてこの作品を観て、草加市で起きた「公共工事における恐喝事件」とあまりに筋書きが酷似していることに驚きました。

あくまでミンボーとは「民事介入暴力」のことであり、市役所も警察も「民事不介入の原則」を盾に、「暴力団といえども、問題を起こさない限り、一市民として扱え。」という木下市長の指示が正当なものであったかのような誤解を与えます。

暴力や恐怖に対する対応に初めから慣れている人はいません。善良な市民のほとんどは、「ミンボーの女」に描かれているホテルの総支配人と何ら変わらない人物なのだとさえ思えます。

しかし、過ちを繰り返さず、暴力に対する毅然たる対応の何たるかを学んでいく必要が草加市政を担う私たちにはあるのです。そして私たちが守らなければならないのは、ホテルではなく、草加市というまちそのものに他ありません。

さて、ここで問題なのは、民事介入暴力が度々、公権力による「指導」を脅しの材料として利用しようとすることです。そんな時に、その公権力を実際に握っている市長や市役所がヤクザや暴力団に対してどのような姿勢で、どのように対処してきたかが問題です。

ミンボーの女(弁護士)がホテルの総支配人に指示したような対処、たとえばヤクザと直接面会しないことや恐喝などの証拠となるような録音などの記録を撮ることは、不当要求に対する対応を決めた既存の要綱を単に条例化することよりはるかに大事なことであり、ここを改めない限り、過ちは繰り返されていくでしょう。
※事件を防げなかった要綱を条例化する議案が昨年12月議会に提案されましたが、より実効性のあるものに修正するため、草加市議会は現在、この条例案を総務文教委員会(松井優美子委員長)で継続審査しています。

作品に登場するホテルのヤクザに対する対応の甘さが、このホテルに全国からヤクザを集める結果を招いたという視点は、草加市に置き換えて考えると恐ろしいことだと悟らされました。

単なる娯楽作品としてでなく、より多くの草加市民の皆さんがこの作品を通じて、ヤクザや暴力団の本質について理解を深めることが、残念ながら、今の草加市には必要なことだと痛感させられています。

「ヤクザが暴力や恐怖を背景に、人の意思決定の自由を奪うのは許せない。」ヤクザや暴力団を挑発することは危険なことですが、だれもが幸せなまちを創るには、だれもが「毅然たる態度」の何たるかを共通の認識として理解していくことが大事ではないでしょうか?

ぜひ、この作品をご覧くださり、皆さんの感じられたことをシェアして欲しいです。

瀬戸健一郎
Kenichiro Seto
草加市議会議員
Soka City Councilor


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1 コメント

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ミンボーの女 (しっかりしろ!吉川市)
2007-01-06 00:54:48
この映画で主人公(宮本信子)がホテルの支配人(大地康夫)に指南していることは、大抵の民間企業では危機管理マニュアルに記載されてます。それに不定期に社内掲示板や通達で注意喚起されています。この手のスキャンダルは企業生命を危うくします。倒産しないまでも、ブランドイメージは確実に低下します。
何の対策もしていないのは、何をやっても倒産しない役所だけです。企業と違って、株主代表訴訟の心配もないですし。
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