図書館の原点 -朝日・オピニオンを読んで-

2016-01-27 10:01:48 | 東村山市の政治、議会



今日27日の朝日オピニオンは
耕論「図書館の原点」であった。

図書館の指定管理者に蔦屋などが乗り出して
おしゃれになったなどの評判もあるが
情報漏えいや購入図書が古本だったりと
公の施設としていかがなものかの批判も聞くようになった。

わが東村山市でも
図書館の民間委託は検討俎上に上ったこともあるが
図書館職員の努力で待ったをかけている
と私は見ている。

今日の論者は3人

福岡県小郡市の図書館長永利和則氏は

2000年から3年間指定管理者に委ねたが市直営に戻した
として
社会に関わり、地域の未来を思い、どうやって良くしようかと考え、
そんな良き市民、現場で民主主義を支える人材を育むために必要な情報を提供する
のが図書館の役割だと説く。
また、「
学校支援と社会教育の二つの教育分野こそ公立図書館が担う責務」
とも。
栃木県小山市の直営図書館が脱サラした人の農業支援に力を入れていることも紹介。
各地の図書館が、地元が抱える課題を解決する拠点になろうと工夫を凝らしている
と、その原点について語っている。

小説家で東京工業大学大学院教授の磯崎憲一郎氏は

図書館の大切な役割は、読書が好きな人、読書の習慣がある人を増やすこと
と、冒頭に告げる。
そして出版界も図書館も
「部数信仰」に陥っていると指摘する。
図書館も貸出数の増加という「数字」にこだわりすぎているとも。
活字文化を守る観点から
地域の文化や歴史に親しんでもらったり、
絶版本を紹介する企画を考えたりするなどで
その存在意義を示すべき
と指摘する。
部数信仰と決別し
少部数でも価値あるものに着目するきめ細かなマーケティングで、
多様性を守ることが重要
だという。

都内の図書館が一度も貸し出されてことが無い本を紹介したとのニュースも最近聞いた。
我が東村山市にもあれば手に取ってみたいものである。

図書館コンサルタントの鎌倉幸子氏は

東日本大震災の支援の際
現地の図書館が こんな時だから といち早く開館したことに支援のあり方を学んだ
と言い
瓦礫の中に「けんか七夕を復活させるのは俺だ」と書いたシーツがはためいているのを見て
人間は極限状態に追い込まれた時、
自らが生まれ育った土地、過去の記憶を振り返るものだ。
自らのアイデンティティーを保とうとする。
そんなときに助けとなるのが図書館だ。
その土地の記憶、知恵や経験を保存し、世代を超えて伝えてくれる。
誰にでも開かれた場所。
人は忘れても図書館は忘れない。
人々の「第2の脳」だと言う。

この3人の説く図書館論は
我々の市立図書館でも多かれ少なかれ取り組まれているであろう。

かつて
「福田さん、
市民に多くの情報を提供するのが図書館の役割であり、
また
図書館には 市民の重要な情報が蓄積されている。
だから、
民間委託や民営化はしてはいけないのです」
と言ったわが東村山市の図書館長がいたことを思い出した。

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