京都便り

京都のこと、和菓子のこと、着物のこと。
四季折々のことを書きつづることができればと。

紅の道

2006-11-28 18:24:06 | つれづれ
 昨日の雨で哲学の道が紅く染まる。

 紅い雨が降ったわけではなく、雨で紅く染まった葉が落ちて、哲学の道が真っ赤に染まっている。とても幻想的で美しい。

 この紅い道は今しかない。明日になったらまた違う色になって、また次の日には少しずつ土に還っていく。そしてまた来年の秋まで見ることはできない。

 今のこの景色は明日また見ることはできない。日々変わる景色は、記憶の中でより鮮明に、より美しくなっていく。この秋は今しかない。

 秋が終わると、冬がやってくる。

雨でもいっぱい永観堂

2006-11-27 18:16:27 | つれづれ
 朝から雨。
 さすがに人が少ないかな、と思って出るが、なんのことはない秋の人出はそのまま。雨がざーざー降っている中、たくさんの人が歩いてる。

 「こりゃ、今日は50万くらい売れるんとちゃうか?」

母親が苦笑いして、それに答える。

 「そうやったらええな」

ま、話だけでも景気よくないと。

 売れるといいなぁ、なんてことを考えつつ帰途につく。いっぱい売れたらどこか旅行にでも連れていってあげられるんだけど。夢は夢、でもそれくらいの夢ならいつか叶うだろう。

この秋一番の人出

2006-11-25 21:43:09 | つれづれ
 秋は夕暮れ。夕日のさして、山の端いと近うなりたるに、烏の寝どころへ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど、飛び急ぐさへあはれなり。まいて雁などの列ねたるがいと小さく見ゆるは、いとをかし。日入り果てて、風の音、虫の音など、はたいふべきにあらず。

 なんてことを言ったのは清少納言だけど、まさにその通りで秋の夕暮れはなんとも雰囲気があっていい。紅く染まった木々の葉をさらに紅く染めて、とても美しく見える。

 もっとも清少納言の言う秋は虫の鳴く季節ということで、木枯らしが吹く今の秋よりはもう少し夏に近い気がする。そういう意味では冬はつとめてというほうがより近い気はするけど、朝がそれほど寒いわけでもなく、紅葉を詠んだ歌というのもありそうなものだけど、不勉強もあって探すには至らず。

 今日は10時過ぎに店まで母親を送っていったが、すでにすごい人の波。店までクルマであがるのも大変という状況で、今日はいけるぞとちょっとやる気になる。

 ただ朝のうちは晴れていたのに、昼を過ぎると今にも降りますよと言わんばかりの鉛色の空。結局雨は降らず。しかし明日の夕方から雨という予報だったのが、鉛色の空を見てあわてたのか、朝から雨でしょうという予報にいつのまにか変わっていた。

 明日、雨が降ると11月の日曜日は全部雨だったとか。雨か。恵みの雨とならんことを。

秋の色に染まりゆく東山

2006-11-24 16:46:49 | 京都観光
 1週間前、紅葉はまだまだはじまったところで、東山は緑色のほうがずっと多かった。なのにたった1週間でだんだんと赤や黄色に染まりゆく東山。

 きっと永観堂の中はもっときれいに紅葉してるんだろうけど、今日は桜子を連れてお昼寝ドライブだったこともあり、いつもの哲学の道の入り口を撮って帰ってくるのが精一杯だった。

 週間天気予報によれば22日から週末までは雨という予報だったが、どうにか昨日までは雨が降らずにもって、今日は秋晴れというには暑すぎるくらいの晴天に恵まれた。

 このままいくと明日、明後日には30度を超えてもおかしくないくらい太陽が照りつける。来月あたりにはプール開きってことも十分あり得る。

 それでも夏に逆行するなんてことはない。秋は日々深まり、朝の冷え込みと山の色がそのことを教えてくれる。今は秋、2006年の秋が今、やってきた。

雨が降るとか降らないとか

2006-11-23 16:36:23 | つれづれ
 昨日から雨だ雨だと騒いでいた天気予報は見事にはずれ。かと言って晴天とまではいかず、とにかく雨は降らず。

 うちにとってはありがたいことではあるけれど、このところの天気予報のはずれ率はいつもにも増して高いような気がする。異常気象というのもあるだろうけど、それにしたって下駄を転がして明日の天気言ってるわけじゃないんだから、もう少し当たってもいいようなもんだけど、当たるといえば、雲がなくて晴れって言ってる時だけで、雨の予報はたいがいはずれ。

 ま、うちにとっては良いことなので、誠にありがたいわけだけど、どうも納得いかない。

雨の思い出

2006-11-22 12:12:20 | つれづれ
 昼から雨が降るらしい。

 天気予報ではそう言ってたけど、雲を見るかぎり、夕方くらいからかな。祝日の明日も雨というのはちょっとやっかいだけど、天気まではさすがに人の思い通りにはならない。たとえ何百年経ったとしてもきっと降る時には降る。

 朝のうちはそれでもまだ陽の光もあって、秋晴れの行楽日和とはまではいかなくても、雨の前で少し暖かいこともあって歩きやすい。昨日よりもいくらか人が少ない気がするけど、それも嵐の前の静けさで、明日からはどっと人が押し寄せるはずだ。

 平安神宮の前は今がまさに見頃。まあ、紅葉を見に岡崎を歩くというのはあんまりないかもしれないが、博物館やら美術館やらあって、なんとなくアカデミックな雰囲気が漂うという意味では、京都らしい場所の一つと言っていいだろう。

 雨宿りする場所もないし、雨の日にはさらに訪れることの少ない場所かもしれないけど、雨は雨で思い出の一つにはなるんじゃないだろうか。

人も車もいっぱいの秋の永観堂

2006-11-21 16:31:55 | 京都観光
 永観堂の前を通ると、朝のうちからたくさんの人。今日は火曜日で平日のはずなんだけど、店まであがるのも一苦労するくらいたくさんの人と車。今度の週末はすごいことになるぞ。

 秋の京都だからこれくらい来てくれないと困るんだけど、それにしたってすごい。東京や大阪といった大都市の混雑とは違って、みんながみんな京都という目的に気持ちが向かっているというのはすごいことのような気がする。ある意味、阪神タイガースの応援をも超えるすごさだ。

 ま、それは言い過ぎかもしれないけど、とにかく人も車もいっぱい。少なくともみんなが永観堂に向かったら、永観堂の床が抜けそうなくらいに。


 斎藤茂太と言ってピンときた人はこれまたすごい。この秋の日に、正確には昨日、斎藤茂太さんが亡くなった。斎藤茂吉の長男で、北杜夫のお兄さん。僕自身は北杜夫のファンでもあり、作品の中にも度々登場するお兄さんの姿をずっと遠くの窓越しに見ていたような感覚がある。

 ずっと前、日本のAmazonがはじまってすぐに、父親へのプレゼントにと茂太さんの船旅の本を数冊買った。父親はたいそう喜んで、その後も何冊か本を買っていた。茂太さんが天国に行って、うちの父親あたりはちょっと喜んでそう。

 あの世で船旅の話で盛り上がってほしい。

 もっともうちの父親は豪華客船ではなく、フェリーの特等室どまりだけど きっとうちの父親のことだから、フェリーをさも豪華そうに

 「船旅が一番ですよ」

と威張っているに違いない。

これで十分

2006-11-20 21:38:42 | つれづれ
 平日なのに人も車もいっぱい。平安神宮の駐車場には観光バスがいっぱい停まって、縁日でもないのに毎日やってる屋台がにぎわう。これぞまさに秋本番。11月15日にまだ本番でないと書いてから5日。たった5日の間にすっかり秋になった。

 秋は桜の季節に比べて長いというけど、それでもやっぱり1ヶ月も2ヶ月も続くわけじゃない。ほんの少しの間しか秋の京都を楽しむことはできない。それが京都にいるとよくわからない。なのに観光客の方々は今まさに、というその時にあふれかえる。なんという嗅覚だろう。秋の匂いをかぎつける本能的な何かをみんな持ってるんだろうか。

 そんな秋の京都をチョイノリで走り回る。と言っても僕はほんの数キロの距離を行ったり来たり。昔はただひたすらに速い単車が欲しかった。でも今は秋を眺めるためじゃないけど、MAX45km/hというスピードがあれば十分。原付の制限速度である30km/hで走れれば十分楽しい。

 単車はずっと遅くなったのに、秋はなぜかずっとスピードアップして過ぎていくような気がする。なぜなんだろう。 

河原町を歩く

2006-11-16 23:02:34 | つれづれ
 今日は年に一度の鴨東ビルの防災訓練の日。ほんとはチョイノリでブルルルンッと走って行こうかと思ってたけど、太陽が雲に隠れると冬のような寒さ。こりゃあかんと年に何度も乗らない電車で向かう。

 普段はあまり見ることのない歩道からの風景を楽しむ間もなく、早足で鴨東ビルまで向かう。それでも向こうに秋らしい雲を見つけた時には、四条大橋の上で足を止めてカバンからデジカメを取り出してカメラを構える。

 ところが無情にも”カードが入っていません”の文字。

 急いでいたのでカードを入れ忘れて出てきてしまった。あの雲を撮れないのかとがっかりするが、ふと電話にもカメラがついていることを思い出して、これを構える。

 パシャリっ

 電話で撮影することはあまりないが、それでも一応写ってる。秋の雲。流れる雲。雲はどこを目指して行くんだろう。

 山の木々がようやく葉を紅く染めはじめる。秋がくる。ようやく待ちに待った秋がくる。

観光客

2006-11-15 11:53:14 | つれづれ
 人はすっかりもう秋の気分なのに、東山はまだ秋本番というには遠い。この秋はやっぱり5~10日くらい遅れてる感じ。ただカレンダー通りの秋なんていうのはそれこそあんまりない。ある日突然真っ赤に色づくこともないし、木の葉が一晩のうちに全部落ちてるなんてこともない。

 秋を急ぐ人の心をよそに秋は今年もゆっくりとしかやってこない。

 朝はまだ観光客もまばらで、こちらもまたゆっくりとした秋。これが枯葉が一斉に落ちる頃になると、人を見に来たんだか、観光しにきたんだか、わけわかんなくなる。

 今はまだのんびりと歩くことができる。