前立腺がんの厄介なところは自覚症状があまり出ないことなのかもしれない。
事実、私も、医者にかかるまで自覚症状がほとんどなかった。あったとしたら、07年(平成19年)の暮、一度血尿が出て「あれ、膀胱炎かな」と思ったことがある。その後、痛みも痒みもなく経過したが、夜な夜なパリやマドリッドの旅の思い出を描きながら自慰行為で出てきた精液に茶褐色なものが目に付いた。一度ならず二度とあっては、妻の進めもあって東戸塚駅近くにあるM泌尿器科に掛かることにした。
そこでの診察は触診(肛門から手を入れて前立腺の様子を見る)の結果、前立腺は少々肥大気味であるがまだ大丈夫であろう。また、がんの症状は判明しないとこのであった。そこで、血液検査と尿検査を行った。手元にあるデータによれば、いわゆるPSA値が8.542と表示されている。4.0以下が正常であるが、10.0も満たないので、いわゆるグレーゾンと言うことで、暫くは薬(ハルナールD錠0.1mg)を飲んで経過を見ましょうということになった。
07.10.25(69歳)頃 血尿、と精液異常露見
08.2.22(70歳) 町医者のM泌尿器科で検査 PSA=8.542
<写真:南米パタゴニアにあるトーレス・デル・パイネ峰>