合衆国の片隅で新館 2006~

5人と4頭プラスαと2羽と1匹とその他大勢だったアメリカ暮らしは2人と1頭と1匹になりました。

コンテストに行ってきました。

2006-02-20 | コドモたちの学校

この週末は三連休。初日の土曜日はクレイジーでした。

まず、朝から外は真っ白。この気温。


例の窓 の外側に付いている温度計です。
左側が華氏(°F)、右側が摂氏(℃)
実際には華氏3°F(摂氏マイナス16℃くらい)が最低気温だったそうで。


雪の予報確率が低かったせいか、まだ塩がまかれていない路面。
「道路に塩」についてはコチラをどうぞ)



こんな天気だというのに、ハイスクールのストリングス・カルテットが初めてコンテストに出るので8時半までに別の学区のハイスクールまでブーを送り届けなくてはなりません。

普段の学校なら、この路面だときっと1時間か2時間遅れでのスタートとなり、テレビのニュース画面でテロップが流れるはずです。でも今日は学校じゃないし…。大体当の本人が出発10分前まで寝てるってどういうことよ!?

ギリギリまで待ったけど、連絡もないので(こちらには電話連絡網は存在しません)出かけることにしました。


幸い、サブディビジョン(数十軒ずつまとまった住宅地の単位をこう呼びます)を出ると、一般道路はもう路面が見えていました。でもまだ塩は撒かれていないようで慎重な運転が必要。そして、ハイウェイに乗っていくつかの区間を通り過ぎたところで…



これです!


塩撒き車!


実はこの時点ではもうほとんど路面の雪はなかったのですが、その後気温が更に落ち込む予報だったので、凍結に備えたのでしょう。盛大に塩がまかれていました。車もこまめに洗ってやらないとすぐに錆びてしまいます。(…と言いつつ最後に洗ったのがいつだか思い出せない私のプリウス…)


なんとかかんとかPハイスクールに到着!東京駅に匹敵するくらい大きい学校でびっくりです。我が学区に比べると大分学区の範囲も広く、生徒数も多い。歴史も古くて、かつては名門だったと聞きます。驚いたのは音楽設備の豊かさ。きちんと音響や照明設備を備えた講堂(オーディトリウム)があるのはどの学校も同じですが、ここはその他に、ピアノの練習室、他の楽器の練習用個室、そしてオーケストラ室などなど、本格的な音楽用の部屋がずらずら「これでもか」というくらい並んでいました。羨ましいっ!

私たちはたまたま学区から30分足らずの地元で開催されたわけですが、このコンテストは州の主催で、何百マイルも離れた町に住む子たちは泊まりがけの遠征で来るのだそうです。そういえば去年は、遠くの町で行われたので、うちの学区からは泊まりがけで出かけたのだとか。ブーは今年、期待していた「初めてのお泊まりイベント」がなくなったのでガッカリしていました。

それにしても州内全部から集まってくるだけあって、すごい人数。ストリングスだけでなく、ピアノや管楽器で出る生徒もいて、本格的です。高校生の授業時間にこんな本格的な音楽のレッスンを受けられるなんて、アメリカの高校生、本当に本当にほんっとうに羨ましいです。私もこちらで育ちたかったな…。

日本では習い事と学校の授業は完全に切り離されていましたよね。習っていない子が「不公平」を感じることがないように。いつも「平等」が一番大切なことと言われていたし。それだから、「勉強」が出来る子だけが評価されて、余計にひずみが出来ていたような気がします。こちらでは勉強であろうと、スポーツ、芸術、ボランティア活動、なんでも優れた能力を持つ子はどんどん学校でも引き上げてもらえます。だから層が厚くなるんだろうな。


ところで、学校にはその学区のマスコットやスクールカラーが決められてあるのですが、この学校のマスコットはどうやら、


犬だ!

生徒達のロッカーもひとつひとつに骨マークのシールが貼られていました。かわいいっ!うちの学区なんかスクールマスコットがトラですから(涙)。



これはどこの学校も同じですが、車いすの生徒もいるので、必ずバリアフリーです。




ふと、廊下の壁に目を移すと、


こんなのが飾られていました。他の国の文化を知ろうとするのは良いことだ!




しかし




猪ってPIGと言い切っちゃっていいんでしょうか・・・。

スペイン発信の人気ブログ、くーまくーま2のafricaさんが調べてくださいました。なんと、本家中国では「豚=猪」で、豚年が正解なんだそうです。ひえぇ~!
勉強になりました。ありがとう~>africaさん!




…と、すっかり見物気分で楽しんでいたオットと私ですが、




[I want you to PRACTICE!]ですってよ。



子どもたちは真剣に本番直前、最後の練習に取り組んでいました。


他の部屋では、プロかと見まごうような演奏をする子がピアノを伴奏にものすごいレベルの練習を繰り広げていたり、カバみたい体格のよろしいお嬢さんがフリフリの真っ赤なベルベットの衣装で現れたり、いろいろな面で子どもたちも刺激をうけたことと思います。

そうそう、面白いものも見てしまいました!やっぱりゴージャスなワインカラーのロングドレスをまとったティーンネイジャーのお姉様。足下から、マンガのいっぱいついた青いテロテロのパジャマがのぞいていました。なんかこっちの子ってパジャマで外に出るの、平気なんですよねぇ。不思議だあ。きっと審査員の前にでる直前に脱ぐんだろうな・・・。


さて、待つこと1時間。とうとう審査員の前での演奏。まあまあの上出来でした。この4人は学校の授業だけでここまでがんばってきた子たちです。よくここまで来たなあ、と感心。ただ、やはり日本だったら考えられないハプニングが…

「次はLハイスクールのフレッシュマン(9年生)カルテット、曲は○○です」と紹介された4人組は審査員の前に進んだと思うと、おもむろにイスに座り、お辞儀もせずに突然演奏を始めました。とにかくバッハを一曲弾き終え、そのまま固まる4人。
その場にいた誰もが(いや、彼らの先生以外)「あれ?まだ弾くのかな?」と思ったその時、バラバラと楽譜を持って立ち上がろうとした男の子に審査員の先生が「あー、これで終わりかな?」

口々に「ハイ」と答える4人の生徒達。

うちの先生、慌てて「次回は終わったらちゃんとお辞儀しようね。」と諭していました。小学生じゃないんだからぁ。審査員の先生は「来年でいいから(笑)。」だって。

普通、本番の入場からイスへの付き方、座り方、お辞儀をして演奏して、終わったら誰が合図をしてお辞儀…
という流れくらいは予行練習しませんか?

こういう経験は初めてではないのです。ホントにいつも本番いきあたりばったり!見ている方がハラハラしてしまうアメリカの舞台です。


コンテストの結果?

参加することに意義がある!ですヨ!

この日は午前中のうちにコンテストから帰宅、すぐ窓の契約があって、午後からフーの親友Cを拾い、犬のボランティア。帰ってからは「チョプスティックを使って日本食を食べてみたい!」というCのリクエストに張り切って料理しました。メニューは鳥の韓国風照り焼きと野菜の中華風炒め、キムチ、ごはんにカボチャスープ、デザートにイチゴムース…。どこが日本食!?(^^;)でも好評でしたよ。疲れた~。

おまけの画像

最近の「のだめ効果」


でもね、「この家にはいつも音楽が溢れている…」というよりは
「いつも音が苦で溢れている…」っていう感じ。ああ。。。


symbol7音が聞こえなくて幸い!?今日もぽちっとありがとう!→→どらどら

最新の画像もっと見る

22 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ともぢ)
2006-02-20 13:23:59
ブタ年にオオウケしてしまいました~~。
まあ、似てなくはないですけどね(^^;
来年の年賀状のイラスト、ブタにしようかしら、なんて。

音楽教育の充実、すごくうらやましいです。
昔見た「陽の当たる教室」という映画を思い出しました~。すごく感動してサントラまで買ったんですがTAMAさんは見ました?
返信する
Unknown (LiLA管理人)
2006-02-20 14:25:41
いいですねぇー、室内楽の流れる家。音が苦でもいいじゃないですか。楽しめれば良いのです。
アメリカの学校での音楽課外授業、ほんとうにいいですよね。日本にもあったらと思います。ただ、反面、全体に中途半端な感じもしないではないです。ピアノやヴァイオリンをきちんと習うなら、やはり日本のように個人レッスンについた方が結果的には上達しますよ。
返信する
Unknown (TAMA)
2006-02-20 14:36:17
★ともぢさん、
案外本場中国では「猪と豚の区別はありません!」…なんて…ことはないかな、やっぱり。
その映画、知りませんでした。ちょっと調べたけれどあまり情報がないようで、機会があったら是非とも見てみたいです。
返信する
Unknown (TAMA)
2006-02-20 14:39:14
★LiLA管理人さん、
最近、ジブリにはまってます。あと、タイタニック。どの曲も良いですねー。ピアノ曲の和音を適当に分解してヴァイオリンとチェロに分けてるのですが、なかなか…。ト音記号しか読めない人とヘ音記号しか読めない人がいるので…。
そちらは課外授業ですか?うちの学区は完全に課内です。弦楽と管楽器と合唱、一般音楽、あるいはアートなんかに分かれます。
もちろんきちんと習っている子も多いのです。その他に学校の授業内でもできる、ということで本当に羨ましいですよ。うちの子どもたちは個人レッスンにはつきたくないそうなので、楽しむだけで十分なんでしょう。
返信する
Unknown (ともぢ)
2006-02-20 14:45:15
「陽の当たる教室」ですが、原題は「Mr. Holland's Opus」のようですので
機会があったらぜひ~。音楽好きのTAMAさんにオススメです!
返信する
Unknown (たいゆう)
2006-02-20 15:39:41
音楽を奏でる一家、本当に素敵です。ピアノを弾いていらっしゃる方がTAMAさんですよね。とっても若く見えます。
我が長男4歳もピアノを習いたいと言い出しました。ピアノ教室の見学に行きましたら、尚更、習いたいと・・・・・。お月謝が・・・・・。

窓の件ですが、断熱材は入っています。板で塞がないと断熱材が見え見えでした。
返信する
Unknown (TAMA@合衆国の片隅)
2006-02-21 00:34:08
★ともぢさん、
ありがとうございます。アマゾンで視聴しちゃいました。なんか「古き良き時代のアメリカ」って感じですね。学校のヴァイオリンものでは何年か前にメリル・ストリープのもありましたね。
返信する
Unknown (TAMA@合衆国の片隅)
2006-02-21 00:37:11
★たいゆうさん、
ふふふ、ありがとうございます。こちらでは、ごくたまーにですが娘と姉妹に間違われます(今、画面の向こう側でブブッと噴き出した人、あとで職員室まで。)娘はかなり不服そうです。
ピアノ、習わせてあげられたらいいですね。でも4歳はちょっと早いかな?(もちろん個人差が大きいですが、ほとんどの子はお月謝の無駄になってしまいそう)

窓は、つまり断熱材で包み込んだ上に壁で覆ってしまった感じですか(笑)。
返信する
Unknown (LiLA管理人)
2006-02-21 01:55:18
このピアノの写真は誰だと、とある山奥でちょっと話題になっておりました。きっとお嬢さんの学校の友達だろうと勝手に想像してたんですが、そーだったんですか。
で、14歳なんですか?
返信する
Unknown (africa)
2006-02-21 10:22:58
私も、数が合わないなぁ、そのえせ日本食を箸で食べた友人だろうか。しかしおもいきりアジアンな顔つきだが、はて?と思っていたところでした(笑)
ほうほうほう。TAMAさんだったのねぇ。
おーい!はじめましてー!(なんて言いたくなっちゃう 笑)
しかし、すごーいっ。
家族で楽器演奏なんて、夢のまた夢です(くうまは未来があるが、私は手遅れ。いや、カスタネットくらいなら・・・)
うー君の持ってるのは、自前よね?
そんなもんが(名前が出てこない)、家になるのね?
TAMA家おそるべし。
返信する

コメントを投稿