数日前、ウーの通うミドルスクールから唐突にemailが来ました。普段の成績通知のお知らせやイベントのお知らせとは違う内容で。
「スクールバスの中で、一人の生徒がナイフを(所持していて)見せた」という事件に関する内容でした。我々、学校側としてはこの事件を非常に重く見ている、と。
そして昨日、正式な文書が来て、この生徒は放校になったとのことです。
放校…原文では[The student has been removed from school and discipline is being handled according to our student code of conduct.]と書かれています。
私は驚いてしまいました。話には聞いたことがあるけれど、放校…つまり退学処分。義務教育の公立中学校で。この生徒はどうなるんだろう。
emailにも文書にも繰り返し、「他の生徒の安全を守ることがトップ・プライオリティである」と書かれています。学校にナイフを持ってくるなんて、それ自体、たとえおふざけだったとしても絶対にあってはならないこと、という見識でしょう。大体、アメリカでは日本の常識からは考えられないほど、暴力は悪いこととされています。小学生でも友達ともめてこづき合った程度でも、すっかり記録を取られ、校長室に呼び出され、親に連絡され、ディテンション(居残り)の罰を受けます(何を隠そううちのウーも一度あったもんね)。
余談になりますが、日本人がよくその感覚を知らずにふざけて使う英語の悪い言葉、たとえば中指を立てたりして言う言葉をたった一言でも学校で漏らしたら、それでも即その場で校長室行きです。場合によっては自宅謹慎処分。基本的に日本では考えられないくらいそういった他の生徒に与える影響に対する学校側の処分は厳しいです。
ただ…それでもショックでした。義務教育中の中学生が退学になるなんて。そして自分の中に「そんなことぐらいで」と感じてしまう、麻痺した部分があるのに気づいたこともショックでした。大体私の世代は、中学校時代が校内暴力まっさかりで、学校にナイフを持ってくるどころか、一部の荒れたグループが包丁を振り回して職員室に乱入した挙げ句警察に取り押さえられる、なんてことが平気で起こっていたんです。リンチを受ける生徒もいた。中学校は怖いところでした。それなのに悪い生徒が退学になる、なんてことは考えてもみなかった。思えば、守られていたのは加害者の人権ばかり。
つまり、生徒達の安全は一部の生徒によって脅かされていたのに、そのまま放置されていたわけです。
ここでは、日本と同じく、学区外からの登校は認められないので、この子は学校に通うために家族ごと学区外に引っ越して、別の公立学校に通うか、受け入れてくれる私立学校を見つけるか、ということになるんでしょう。厳しいけれど、他の生徒の安全を脅かした以上、やはり妥当というしかない処置なんでしょうね。悪いものは悪い。
常々、日本の常識は加害者に甘すぎると感じていたんですが、本当にそうなのかも、と思い知った事件でした。
ランキングにクリックお願いします→どらどら!
確かに…当該生徒の親以外はそう思いますよね。
ホームスクーリングするためには両親共にマスター以上の学歴がないとだめとか何か条件が厳しかったような。こういう問題を起こす子の家庭では難しそうな気がします。
そうなんですよね。私にとってはそれがちょっとショッキングでした。たぶん学区が違えばまたその学校の校長の判断で受け入れてもらえるのでしょうが、そのためには家族でその学区へ引っ越ししなくてはなりません。大変なことですよね。あるいは私立に受け入れ先を探すか。
機会があったら詳しく聞いてみたいと思います。
日本社会は暴力には異様に甘いです。去年だったか、タレントの暴力事件の報道にはつくづく呆れてしまいました。「たいしたことない暴力で看板タレントに傷を付けるなんて。」みたいなね。世の中に「たいしたことない暴力」なんて存在しないのに。
放校になった子供はどうなっちゃうんでしょうか?それが非常に心配になりました.
受け入れ施設とか・・・もしくは他の学校に転校?なんでしょうか?
やはり暴力は悪いという意識が、日本の村社会には希薄すぎると思います。
例外なしで「他の人に危害を与えるような行動は許されない」という毅然とした態度が必要なのかもしれないですね。そう、まさに「自分のしたことの重大さ」なんです。本人と家族にとってはあまりにも大きな代償ですが…。
でもそのくらいしないと守れないのかもしれない
自分のやったことの重大さをわかるためには必要なのかもしれないですよね
民事訴訟っていうのはケースバイケースですよね。なんとも言えないんじゃないかな。
日本は(そうとは意識せず)アメリカの悪いところだけを取り入れてしまっているように見えますね。
反動なんでしょうか。なるほど。
それにしても、日本の学校って親が責任放棄している責任を全部押しつけられて気の毒です。突っぱねられない立場なんでしょうが。
私立だと、そもそも行くのが自由だから退学もありかなと思ってしまうんですが…。
体罰は普通にありましたよねー。アメリカのちょっと(といっても100年くらい?)前の児童文学なんか見てるとやっぱり先生に鞭でぶたれるくらいは日常茶飯事だったみたいですけど。
鉛筆削りのナイフ、持っていってましたよね!本来はナイフって必要不可欠と言ってもいいくらい便利な道具なので、人を傷つける目的に使われる方が悲しいことなんですよね。
むしろ日本は、そちらと反対の方向に向かっているように思われます
私立の中学では、退学という形まではとりませんでしたが、勧告という形で自主退学させられるケースがありましたよ。
これも、なんだかと思うところもありますけどね・・